第31話 洗濯屋健ちゃん? (7)
「はい、そうです」
僕は元気よくウルハさんへと声を返した。
「そうか、そうか」
すると彼女は、『うん、うん』と僕に満身の笑みを浮かべながら頷いてくれた。
そして「あんたは、今から洗濯かい?」と尋ねてきた。
だから僕は「はい」とまたウルハさんへと頷いた。
「そうか。あんた、偉いじゃないか……。アイカ達は良い婿を貰ったんだね。うちは羨ましいよ」
ウルハさんは容姿の方はアメリカ大陸のインディアンやインディオ……アフリカ大陸の人達のような奇抜な化粧をしたヤンキー姉ちゃんだったけれど。家事しかできない非力な僕のことをよい主夫だと褒め称えてくれたから。
僕は本当に嬉しくてね。ついつい彼女へと気を許してしまう失態を犯してしまう。
でもさ、最初に彼女と出会った時は、
「うちも今から洗濯に行くんだけれど。男王もうちと一緒に洗濯へと行くかい?」
ウルハさんは僕の初めての洗濯……。
そう僕がシルフィーにこの世界へと召喚をされて初めての領内単独行動に対して不安を募らせ、心細くなっているのを見透かしたように微笑みながら尋ねてきた。
それも僕に尋ねる時にウルハさんが『ニヤリ』と妖艶に微笑んだことを。僕は何故か緊張の余り見過ごしてしまう、だけならばいいけれど。
「は、はい、おねがいします」
阿保な僕がウルハさんに言葉を返した時も彼女は『ニヤリ』と妖艶に微笑んだ。
でも、その時は僕自身も気がつき。
(──今ウルハさん、意味深に笑わなかった?)
と思い。
自分の首を傾げるのだけれど。
「──さぁて、行こうか、あんた!」
物考えを始めだした僕のことをウルハさんが急かすように呼び、前を歩き始めたから。
僕もウルハさんのことで深く悩むのは辞めて、彼女に追いつけば。その後は洗い場へと向かい、到着するまでは、二人で仲良く恋人同士のように和気藹々と会話をしながら現地へと向けて歩いた。




