第280話 更に敵を追い込みます(11)
最初にウォルトの隊へと、逃げ遅れている敵兵に攻撃させ。
その次は、シルベの隊に、敵の伸びている中間を叩くよう下知!
もしも敵の領主であるフォンジがいれば、首を獲るようにとも、下知もだしたから。
僕の次の命令はと言うと?
「キリは、いるかな?」と。
僕は前方──!
戦の様子を窺いながら、後ろの者達へと声をかける。
「健ちゃん、キリは、ここにいますが、何か?」
僕の後方の上空で浮いていたと思われる、インプのコリが多分?
自身の首を傾げつつ、僕へと尋ねてきたから。
「今からエリエの隊へといって伝令を伝えてくれるかな?」
僕がインプのキリに尋ねると。
「健ちゃん、別に良いけれど。エリエさんに何を伝令すれば良いかな?」
キリが僕に尋ねる。
「今、シルベに敗走する敵の中核を攻撃、叩くように指示をだしたのと。敵の領主フォンジがいれば、そいつの首をあげるようにと告げたけれど。もしもシルベの隊がフォンジの首を逃すようになったら大変だから。エリエの隊に、敵の敗走兵の足止めをするのではなく。中に入り込んで、フォンジの首を必ずあげるようにと告げてくれるかな?」と。




