第3話 僕は神様か女神様に異世界召喚をされたらしい? (2)
「……ん? わらわか?」
多分神さま、女神さまが僕に授けてくれたヒロインさまが、舌を絡める行為を辞め。自分の舌を僕の口から抜いて言葉を返してきた。
だから僕は直ぐにヒロインさまへと。
「はい、貴女です」
と頷いて言葉を返した。
でも彼女……。
そう緑の肌色を持つ、エルフと同じように大きな笹耳を持つ不思議な種族のヒロインさま……。
そしてどことなく、僕の知っている人に似ているような、気がしないでもないヒロインさまは僕と目が合えばニコリと優しく微笑みながら。
「わらわは、このオーク集落の酋長を勤める者で、アイカと言う名前だ、婿殿……」
僕の異世界ファンタジーのヒロインさまは……。僕が産まれ育った日本で観て読みした異世界ファンタジーの英雄譚とは違い。よく悪者役扱いもされている《《オーク》》と呼ばれる種族の女性で、この集落酋長さま……。
まあ、ようするに女王陛下だと告げ、僕の御后さまだと告げてきました。
だから僕も自分が見ていた! 読んでいた! アニメやマンガ、ライトノベルで苦労知らずで、女王さまや姫さまが異世界召喚の物語で最初っから付属している物をしらないから。
「えぇえええっ! うそ~~~? うそでしょう~~~? あなたが僕のヒロインさま~~~! お妃さま~~~、なんて~~~、冗談だよね~~~?」
僕は驚愕しながら声を大にして、異世界冒険譚のヒロインさまへと尋ねました。
でも僕のヒロインさま、アイカさまは……。
「いや、本当だ! 婿殿!」
と、御自分の首を振りながら、自分の言葉に嘘偽りは無いのだと僕に言葉を返して。
《ポン!》
「婿殿~、声が大きい~。大きいぞ~! もう少し静かにしろ! 婿殿!」
僕が逆にアイカさまに、頭に軽く拳骨を入れられ、食らい、叱られる失態を犯してしまう。
でもアイカさんは僕のことを『モウモウ』と牛さんのように叱れば直ぐに、ラブコメのヒロインさまのような満身の笑みを浮かべながら。
「婿殿がこの世界へときたのは。女神と先代王の導きで、わらわの夫になるのも婿殿が産まれた時から決められたこと……。だから仲良くしようではないか、婿殿……」
アイカさんは僕に、今後この世界で夫婦仲良く領地経営をしながら中慎ましく暮らしていこうと告げれば。
アイカさんは何故か急に立ち上がり、僕の着衣している学校指定の白シャツの首の襟を掴んで、彼女は『ズルズル』と引きずり、部屋移動を始めるから。
「ア、アイカさん? ど、何処にいくのですか?」
僕を雑巾や狩った獲物のように引きずりながら鼻歌? でも唄っているのだろうか?
アイカさんは大変に御機嫌良く部屋移動を始めだしたのだけれど。
僕自身は彼女……。この異世界のヒロインさまが何処にいくのかわからない! 謎だから! 不安になり、慌てふためきながら尋ねた。
「……ん? そんなことを聞かぬともわかるだろう、婿殿? 先代も早く孫の顔が見たいと以前言っていたから、早くわらわ達の子を見せてやらねばならぬから。小作りじゃ! 子作り! 今から婿殿と神聖な儀式! 子作りを始めるために謁見の間だと、誰かが邪魔しにきて、二人の仲を裂いてはいかぬから、この部屋ではなく、寝所に移動をするぞ! 婿殿~! わっ、はははははは……」
でもアイカさんは、僕がジタバタと抗い、暴れようとも、気にもしない様子で、今から僕との夫婦愛を深めるのだと説明をすれば、彼女は《《オーク種族》》の女王さまらしく豪快に高笑いをしながら。
僕を別の部屋へと連行し、学校指定の制服を全部脱がしてしまう。
だからその後、僕達家族の寝所になる部屋からは。男らしくない僕の絶叫が吐かれ、響き、神殿近くを歩く人達が上を見上げながら、首を傾げ歩いたらしい。
◇◇◇
改修済み