第252話 先鋒にて激突! (12)
皆がウォンの方へと視線を変え、ニヤニヤと意味深に笑いながら告げるから。
「……俺の方を揶揄するようにジロジロ見るな」と。
ウォンが少し不貞腐れた表情で、皆へと不満を漏らした。
そんな奴の様子を私は凝視しながら。
「ゴホン!」と空咳をし。
この場の和気藹々とした、緩んだ雰囲気を一度破壊し、私の方へと皆が注目するように仕向け。
「まあ、そう言う事だ」と。
私は皆へと告げれば。
「……要するに、私達御方の身内衆が、シールド魔法を張りつつ、敵の注意と、遠距離からの攻撃を引き受けながら、こう斜めに走る。そして後衛の弓騎馬隊が、相手の弓隊や魔法攻撃隊を走りながら射抜き。今度は、我等先鋒は、こう斜めに敵陣の弓や魔法隊が再度、鏃を装着、魔法の詠唱を唱えている間に、突撃を決行しながら蹴散らし。敵陣を抜ける。その間後衛は更に後方の敵部隊へと鏃を打ち込み。混乱に陥れ。その中をまた私等が敵を蹴散らしながら抜けていく、を繰り返しつつ。敵の陣の後方を抜ければ。また斜めに、斜めにと。蛇行突撃を繰り返しつつ。敵陣を突破して逃げると、言った作戦だ」と。
私は地面に絵図を描きつつ、皆へと説明をすれば。




