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第242話 先鋒にて激突! (2)
ウォンは私に、敵の数が自軍の数の十倍近くいる可能性があるのだが。
その場合は、どうするのだ? と。
私にわざわざ尋ねなくてもいいような事を問うから。
「ウォン! そんな事を私に聞かぬでも分っているだろう?」と告げ。
「敵が我らの十倍いようが構わん! 敵の出鼻を叩き、戦意喪失させ、御方達の道を作るつもりだ」と。
私はウォンへと微笑みながら告げ。
「ウォン! 貴様! 怖いのならば! 直ちに反転して、帰国をしても構わんぞ!」と。
私はケラケラと笑いながら、奴を揶揄するように告げる。
「まさか~」とウォンはケラケラ笑いながら、私へと言葉を返し。
「エリエ~! 俺もお前と一緒だ! あの集落で退屈な日々を送っていたからなぁ」と告げると。
「俺もエリエ、お前と一緒だよ~! 以前から俺は、大きな戦場で、自分の力を試したい! 世に出て名声を得たい! と思う願望が俺にはあった! だからやっと巡ってきたチャンスだ! 俺はこれから男王の許で名声を得るつもりだ! エリエ~!」と。
ウォンは今から始まるであろう、戦が楽しみで仕方がないと言った感じで告げると。




