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第163話 やはりこの世界は可笑しい(10)
その日は、フェインが戻らない部屋で泣き続け。
そのまま僕は彼女が帰宅をしない部屋で寝落ちをした。
でもね、陽が昇り、夜明けになると。
「健太~、健太~。起きて~。朝よ。朝~。朝食ができたから起きてぇ~!」と。
フェインは昨晩の出来事がうそのような顔……。
そう、昨晩の出来事が只の僕の悪夢であり。
夢物語でもあったかのような振る舞い。
昨晩自分がしていたことに対して罪悪感等ない。
只僕に終了後を見られたということは。
彼女が漏らした嬌声も僕に聞かれた可能性が大だから恥ずかしい、と言った感じで。
僕の部屋に戻らずに自身の部屋に戻り。
一晩経てばフェインは、自身の父親の寝室から、裸同然の姿で出たところを。
僕に見られたことも(まあ、いいか?)に変わったのかなぁ。
いつもの通りに、僕のことを妻のように振る舞いながら起こしにきてくれるし。
相変わらず僕のことが『好きだ!』、『愛している!』と。
日本人の僕からしてみたら。
(お前のその気持ちは本当なのか?)
と、思うことをフェインは何度も囁きながら。
僕の方を多分、心から愛してくれる。




