第2話 僕は神様か女神様に異世界召喚をされたらしい? (1)
(えっ! だ、誰、女性は……?)
僕が瞼を開け、最初に思ったことはこれなのだ!
だって僕の唇に触れるプヨプヨと柔らかい物の正体はやはり、女性の唇だった……。
となれば? 僕の口の中で暴れ回り、絡んでくる柔らかい物の正体は彼女……。
僕達人間とは違う、緑の色をした肌の色を持つ女性……。
このひとの柔らかい舌なのだと僕は確信をすれば。
「ぼが、やが、まが、けん、がっ。あが、だば、だが、でずご?(僕は山田健太と言いますが。あなたは誰なのですか?)もごもご……」
と、まだ緑色の肌をした彼女のプヨプヨした柔らかい唇が僕の唇と重なりあっているし。口の中でも彼女の柔らかい舌が暴走して、僕の舌と優艶に絡み合っている最中だから。僕は緑の肌色を持つ彼女とちゃんとした会話はできないけれど。
僕は一応は男の子だし、日本の水軍や侍を祖に持つ者だから、冷静に彼女へと自己紹介と。僕とキスを交わす彼女……。
まあ、どう見ても彼女は僕よりも年上の女性……。近所の幼馴染のお姉さんと余り変わらない年齢だと僕は思うから?
お姉さんは誰ですか? と尋ねてみたのだ。
それも僕は、自分の頭なのかで、日本人で本当によかったと思いながらだ。
だって僕の瞳に映る光景……。緑の肌色を持つ変わった種族の女性……。丸太を加工した屋敷に住んでいるようだから木の精霊……。《《ドリアード》》かな? と思われる大人の女性も含めてだけれど。
今の僕はどうやら、自分の産まれ故郷の流行り物……。
異世界ファンタジーなアニメやマンガ、ライトノベルに描かれ、書かれている主人公さま達のように、女神さまの御力で異世界へと召喚をされたみたいだと、僕は慌て騒がずに直ぐに理解ができたので、本当に日本人でよかったと思った。
でも僕自身、よく思案をしてみると彼女……。
そう只今僕とキスをすることに夢中な異世界の御姉さまに。僕の日本語は通じるのかな? と、ふと思うのだが。
《ピタリ!》
しかし大丈夫かも知れない?
だって僕とのキスを堪能している異世界の御姉さまは。僕がもごもごと漏らした日本語に反応してキスをする行為を辞めたと言うことは?
異世界の御姉さまに僕の言葉が通じた可能性がある?
もしも彼女に僕の言葉が通じたのならば。これは僕をこの世界へと《《異世界冒険譚》》をさせるために召喚をして導いた神さまや女神さまの御力……。
そう僕がこの世界で活躍するための、異世界召喚の特典の一つとして神さまか女神さまに授かった能力! スキル! かも知れない? と思えば。