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第90話 泣き叫びと嘆願(4)

 するとウォンの奴は慌てて、自身の目線を下げアイカに。


「ア、アイカ? チビが言っている事は本当なのか?」


 ウォンは動揺を隠せない様子でアイカへと尋ねたけれど。


 アイカは僕に死ねと釘を刺されたようなものだから。


 アイツは泣く行為を辞め、真っ青顔で無表情──。


 アイカの美しい紅色の瞳は、走馬燈でも見るような目で、呆然としていた。


 だからウォンに大きな声で問われても、アイカの奴はコクリと頷くことしかできなかった。


 だからさ、僕は、二人の様子が本当に心の底から可笑しくてね。


「わっ、ははは」と。


 僕が今度はウォンとアイカを侮り! 蔑み! 嘲笑ってやった!


「何~、そんなに驚いているんだ~、ウォン! お前等、シルフィーも二度と逢うなとも言われ。男王になるのも諦めろと言われただろう。それは集落の者達の大半が。お前等二人を支持、支援もする気がないのを。シルフィーはあれで賢い女だから。あの場の雰囲気で気がつき。ウォン! お前に高望みをするな! と告げたのをお前は気がつかなかったのか? アイカの奴は、それに気がついているかから。自分が愚かな女だと気がつき。自身の顔色を変え、震え、怯えているじゃないか、ウォン?」


 僕は狂人のように高笑いをしながらウォンに罵声を吐く。


「チッ」


 ウォンはガタガタと震えるアイカを見て確認すれば。


 僕を凝視しながら舌打ちをする悪態をつき反省の色をみせない。


 だから僕は二人のことはもう放置して、集落に戻り。


 罪を犯した二人は、法に当て捌けばよかったのに。


 僕も人間、感情があるから憎悪もするが、嫉妬もする。


 まあ、そんな幼い僕だから。


 先ほど感情に流された僕は、大変な過ちを犯してしまう。


 そう、自身に謀反を犯してきた間男と。


 僕を裏切ったビッチ妻を更に罵り、追い込むための罵声を。


 僕はついついと吐いてしまい。


 大変な失態を犯してしまうのだった。



 ◇◇◇



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