二人目
誤字脱字等ありましたら、お願いします。
「どっどうゆうこと?」
「いやぁねぇ、お母さんまだピチピチじゃない。それでなんか、取材先の人に気に入られちゃってね」
こいつ自分の歳いくつだとおもってんだよ。「ピチピチ」ってうん十歳のおばさんが、言っていいことじゃないだろ。
焔華も俺も下向いてるのを気にしろよ。
そんなことは、気にもせずにしたり顔でぺらぺら話している。
「それでなんか、始めはめんどくさかったんだけど、だんだん気に入ってきちゃたの。それでこの度めでたく、結婚ですよ」
てすよ!じゃねぇよ。
あぁめんどくさいなぁ。ヤバいなこれ。
新しいお父さんと暮らすのか。
本当の父親がどうとかではないのだか、初対面だろうとなかろうと、赤の他人と急に住むのはかなりつらい。
焔華もたぶん、同じようなことん考えているのだろう。不安そうな顔をしている。
「新しいお父さんは、今東京にいるから」
今更ながら、うちの家は千葉にあります。
聖都千葉に
「すぐにお母さんも行って、そのまま新婚旅行に行って来るから。紹介はそのあとね」
「はぁ~、すぐに行くのかよ。認める認めないとかは言わないけどさ、普通紹介はが先だろ」
母さんのことだ変な人は選ばないだろ。
てか、母さんの新しい夫とか正直に言えばどうでもいい。ただ常識的に考えて・・・
「井上さんにも言われたよ。でも家の子供のことだから大丈夫ですって言ってきた」
やっぱりあんたが元凶がよ。
「それで私たちがいない間、頼みたいことがあるのよ」
おい、この状態で頼みごとかよ。肝が座ってるとしか言いようがない。
いや、ただのばかか。
「なんだ?事と次第によっては、怒るぞ」
いい加減にもうめんどくさすぎる。
「井上さん連れ子いるから、新しい妹をよろしくね。望夢」
「了解しました。今すぐ妹ちゃんを連れてきて、そして二年間ぐらい旅行に行ってきてどうぞ」
それなら話は別だ、速くしろ母さん。
ナイスだよ井上さん‼
「そう、じゃぁお言葉に甘えて。あとその子なんだけど、湖月ちゃんって言うんだけど。けっこうおとなしい子でいい子だから、遊ばせてあげてね」
おぉ焔華とは真逆のタイプだな。楽しみだ!
「焔華も妹になるんだから、優しくしてあげなさいよ。って言ってもひとつ下だからあんまり変わらないか。仲良くしなよ」
「もちろんだよ、なんたってお姉ちゃんだからね」
そう言うと、焔華は自信ありげに胸を張った。
無い胸を。
「むぅ、今失礼なこと考えたでしょ」
「いやいや、そんなこと無いよ。お姉ちゃんになるとなんか変わるのかなぁって思っただけ」
嘘ではない、それにお前に胸があったら、かなり俺は泣くぞ。
「そっそれならいいけど」
急に声にちからが無くなった。
どうしたどうした、照れたか。可愛いなぁこのやろう。 いかん、自分を見失った。
「じゃあ、明日の午前中には連れてくるから。二人ともいるでしょ?」
土日の七割は、うちにいるからな。でも焔華は部活が・・・
「新しい家族が来るんだよ、部活なんて二の次二の次だよ」
いつも行っているが、別に思い入れがあるわけでも本気でもないらしい。
まぁ俺の妹だからな、それもそうか。
「それじゃあ、また明日ねぇ」
そんな適当な捨て台詞を吐いて、災いのもとは去って行った
少しの時間が空いたあと、俺たちは顔を見合わせた。
「「ヤバい、マジでどうしよう!」」
心からの切実な願いであった。
新しい妹と聞いて、テンションが上がったのは事実だ。しかし急に妹って言われてもどうすればいいのかさっぱりだ。
「おい焔華、これはどうするべきなんだ?妹のお前ならわかるだろ?」
いちるの望みをかけた願いだったんだが。
「知らないよそんなの、本当にどうしょ」
あぁまずそうだな、あれだな。
「取り敢えず、掃除するか」
「賛成だね」
掃除は一応しているが、学生が二人でこの家だ、限界があるのだ。
細かいところはどうしてもおろそかになってしまう。
「ぱぱっと掃除して、明日の作戦でも考えよう」
そうして普段目につかない様なところまで、掃除を開始した。
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昨日はお疲れ様でした。俺たち‼
結局寝たのは、一時を過ぎた頃だった。なお作戦を実行するために二人とも6時半には起きている。
母さんを信じるとすれば、着くのは9時ごろだそうだ。
少し離れたところのホテルにいるらしい。
少なくともあと二時間はあるな、俺たちは作戦のため≪キッチン≫におります。
「焔華、お兄ちゃんそろそろやること無いから、二度寝してくるわ」
なんか行ける気がして、堂々さぼり宣言してみました。
「はいはい、この作戦考えたのお兄ちゃんだから、ご褒美に洗濯干してくれたら二度寝してもいいよ」
いけました。わが家の洗濯は二人ぶんだからあまり多くない。
これなら一時間くらいは寝れるだろ。
せっせと洗濯物を干していく。
暇だから、すっかり忘れていた気がする、焔華の容姿について描写しておこう。
身長は、この歳の平均位だろうか。140センチ弱位だ。生意気そうな少しつり目な大きな目、そしてどうしてそうなったのかがわからない、艶やかな金髪。
うしろ姿では、日本人には見えないだろう。そんな髪をポニーテールにまとめている。
しかし、焔華はコロコロ髪型を変えるので、ポニテでキャラずけするには、幾分か不足である。
ダダンダンダダン、ダダンダンダダン
突如わが家に、某ロボット映画の登場曲が鳴り響いた。
一階でなっているであろう、それを確認するために階段をかけ下りた。ダダンダンダダンってね・・・
なんかごめんなさい
「あっお兄ちゃん、電波お兄ちゃんが出てよ、いま手が離せないから」
そういって洗い物中だろうか、泡だらけの手を挙げた。
「大丈夫だよ、私彼氏なんかいないから」
おぅ、そうか。さりゃ良かったよ。
「てかそれ、着信音だったのかよ」
「いま学校でそれ流行ってるんだよねぇ」
流行ってんのかよ、俺はお前の学校に行ってみたくなってきたよ。
それはともかく、電話は母さんからみたいだ
「なにぃ?寝坊の連絡には少し早すぎないか」
それに、家の母さん寝坊とかはしないタイプのはずだ。忘れ物はするけど。
「いや、そろそろ着くよぉって連絡だよ」
「はぁ、早すぎるわ」
そうわ言っても、来てしまったもんは仕方がない。
「焔華ぁ、用意終わってるかぁ?」
これが終わってさえいれば、問題はない。
俺らの睡眠時間以外はな。
「じゃあ、もうつくからよろしくぅ」
なんて自分勝手な親なんだ・・・
ピンポーン♪
「早すぎるわぁ」
今日何度目になるかもすでにわからない叫び声を挙げた。
「焔華、悪いんだけどお兄ちゃん、気苦労がひどいから出てくれ」
ヤバいなこれ、ノイローゼになりそうだわ。
はぁ~いと言って玄関に向かった焔華の声が、ワントーン低いのは、睡眠時間のせいだけではないだろう。
「こんにちわ、1日ぶりだねぇ子供たち。ただいま、連れてきたよ」
「おぉ、でその子はどこ?」
連れてくるから、と言っていた子が見当たらないのだ。
「ほら、湖月ちゃんおいで。お兄ちゃんたちだよ」
母さんの後ろに隠れていたらしい。よほど人見知りなんだな。
そう言われて出てきた子は、焔華より少し小さい、銀髪の女の子だった。
「はじめまして、湖月はこづきって言います。よろしくです。お兄ちゃん」
だれだ、この銀髪美幼女わぁぁぁ!
読んでいただきありがとうございます。