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第一話―見違えたように見せたい

湊は最初は照れてなのか話しかけづらいのかはわからないがしばらくだんまりだった。璃愛乃は意を決して自分から話しかけた。「あの、加藤さん?」湊の肩がビクッと動く。「あ、ごめん」「いや、黙ってた俺が悪いですごめんなさい」「あ、いえいえ。えっと、よろしくお願いします」「あーこちらこそ、よろしく、お願いしま⋯す」湊がちょっとたどたどしい言葉遣いだ。緊張しているのだろう。


何を隠そう実際にお互いしゃべったことはないのだ。しかし彼とは中学校は同じで、名前を知っているだけだったのが最初に湊がとあるイベントの実行委員を務めたときに前でしゃべり、そのときに璃愛乃は一目惚れにも等しい感じで好きになったのだ。


「えっと、その、お題が変化、なので⋯」「あ、敬語じゃなくていいよ」「あマジすか?じゃタメ口で。だからお題が変化だから、どういうイメージなのかってことなんだけどー⋯塚元さんはどんな感じなイメージ?」「えっとうちはー⋯なんだろう、そのー、今の自分とは違う自分になる感じかなぁ」「なるほど」


「加藤さんは知らないと思うけど⋯私は不細工だって呼ばれてて」「あー聞いたことある。塚元さんだったんだ」「この花荻祭で⋯そう呼んだ人たちに見違えたように見せたい」「見違えたように見せたい、か⋯」「そう」湊はその決意が強いことを感じた。

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