プロローグ―始まり
小説案、学園ものばっかり考えてる気がする⋯。
ここは県立環荻高等学校。県内でも沢山の中学生が目指す高校だ。
1年E組34番、塚元 璃愛乃。吊り目に眼鏡、きちんとはセットされていない髪。そして人付き合いの不器用さ。その容姿と性格からオシャレに敏感だったり友だち重視なこの高校では基本的にみんなから不細工だと呼ばれている。
そのため、『本当の』友だちが少ない。数えるほどしかいない。「みんな表面上は仲良くしてるんだけど心の底では嫌ってるのがわかる⋯。なんでみんなバレてないって思うんだろう。私頭だけはいいんだよ、わかっちゃうんだよ⋯。これじゃ誰が本当に仲良くしてくれているのかわからないな⋯」璃愛乃は休み時間の喧騒の中、自分の席で独りでつぶやいた。
そんな環荻高校にも文化祭がある。花荻祭だ。例年10月中旬頃に実施される。環荻高校の花という意味もあるし、荻の花が咲く季節という意味合いもある。
一年生総勢250名。一年生の出し物は、お題に合わせてクラス関係なく抽選でペアになった男女混合の二人一組でコスプレみたいなことをしてどれが個性的でそれでいて芸術的かを投票で競う大会だ。勿論予め投票する組を決めてはならない。
今年のお題は「変化」。変身に近い意味合いだが、先生方は敢えてこの言葉を選んだらしい。
そんな璃愛乃のペアになったのは、
璃愛乃の気になる人、1年A組8番、加藤 湊。男子バスケ部の一年生の中でも頭一つ抜きん出た技術を持ち、みんなからも人気がある。璃愛乃のクラスメイトも「あいつにだけは勝てん」と言っていたほどだ。
なので璃愛乃は自分とは対照的で、遠い人だと思っていた。それが抽選で一緒になってしまったものだから、とても驚いた。




