危険な夏
小説は初めて書きます。至らぬ点などあったら申し訳ないです。
ーーー20XX年 7月31日 12:00
「うぅ…お兄ちゃん…あついよ…」
クソ暑い。こんな真夏に電気が使えなくなって扇風機すら動かせないのは一種の拷問としか言いようがない。唯一涼める道具である水うちわも、使えば使うほど腕が棒のように固くなり、最終的に動かせなくなる。
「もうちょっと我慢しろ」
「ずっと前から我慢してる!!!」
俺は手元にあったペットボトルに入った水を、妹の頭目掛けて無言で掛けた。
「うわっ!!急になにすんの!?」
「暑いんだろ?それで少しは涼めるだろ」
「だからといって無言で掛けるのはおかしくない!?」
「とりあえず黙れ」
「はあぁぁぁ!!??」
「あんた達少しぐらい仲良くしなさい!!!!!」
…とは言ったものの、このままじゃ冗談抜きで命が危ないかもしれない。
電気は使えなくなり、昨日行ったスーパーもあの有様。《裂け目》が現れてからまだ1日しか経っていないといえど、こんな状況で病院が機能してるわけない。熱中症はもちろん、軽い風邪でも危険だ。
だから、生存率を高める必要がある。
他の生存者に任せっきりにするんじゃない。今、俺が少しづつでも都市としての機能を回復させるしかない。
「でもどこから手を付ければいいんだ…」
「? 何の話?」
「なんでも」
とりあえず今は、このクソみたいな暑さをどうにかしなければ。
「…んあああ暑くてなんも考えれねぇ!!屋上行ってくる!!!」
「私も!!」
屋上へのドアを開ける。
生ぬるい風が俺等を包む。
「あっつ!?部屋の中よりかはマシだが、ぶっちゃけほとんど変わらん…」
「まだあついよおお」
「…あれ、ここソーラーパネルついてるじゃん」
「ほんとだー、あれ?じゃあなんで電気使えないの?」
「この避難所の管理人に聞くしかないな」
妹を屋上に置いて、俺は管理人の部屋を訪れた。
管理人だからといって他の部屋と特別変わっているわけではなく、質素な感じで、ドアに張り紙がただ一つ、『管理人の部屋 御用のある方はドアの前で大きな声で呼んでください』。
「すみませーん!!」
ガチャ
顔がしわしわの男が出てきた。おそらく50代後半くらいだろう。
「ん?…あぁ君は…猫林くん!昨日は食料ありがとうね!」
「いえいえそんなお気になさらず!…ところで、ちょっと気になることがあってですね、聞いてもいいですかね?」
「なんでも聞きますよ」
「…ということがあって今に至るんですけど、なんで電気が使えないんですか?」
「…緊急時に備えるために電気を貯めていてね、ごめんね」
緊急時??今がその緊急時では???
「発電所からの電気さえ来ればみんな使えるんだけどなぁ…申し訳ないね」
「…そっか、発電所から電気が来ればいいんですね」
「ん?あっ君、ちょっ、待…」
俺は早足で自分の部屋に戻った。
発電所さえ動けば、なんでもできる…訳では無いが、ある程度のことはできる。なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだ。
「母さん!もう一回外出ていい?」
ものすごい勢いで母の手が俺の顔に向かってくる。しかし今度はそう簡単には当たらないぜ。俺は頭を咄嗟に後ろへやる。
「いいじゃん別に!!」
「良くないわよ!?あんた本当に馬鹿なの!?」
「馬鹿馬鹿うるさいなぁ!!昨日は生きて帰ってきたから今回も大丈夫だって!」
「今回も??昨日はたまたま帰ってこれただけなの!!分かる!?」
また長引きそうだ。と思った矢先、見覚えのある体つきの男がまたこちらに割り込んできた。
「こんにちは~♪昨日ぶりですね~♪」
「あ、あなた…!!」
「昨日と同じような話っぽいので、ずばっと言います!!今回も守ってあげますよ♪もちろん見返り無しで!」
「またそんなこと言って!!あなた何が目的なの!?」
「いや~なんもないですよ?最近ちょ~っと運動不足かなぁって感じたのでぇ、運動がてら守ってあげてるだけです♡」
「っ…はぁ…」
母は諦めたのか、何も言わずベッドに横になった。
「ありがとうございます♪」
「…じゃ、支度するか」
そういえば、管理人と話していた時、もう一つ疑問が生まれた。
管理人が部屋のドアを開けた瞬間、自分の部屋よりも、避難所の廊下よりも、日の差す屋上よりも、冷たい空気を感じた。
管理人はドアを大きくは開けず、自身が廊下に出た瞬間に閉めたので部屋の中の状況はよく見えなかったが、『ウィーン』と、機械音のような音が聞こえたような気がする。
まあ、ただの勘違いか。
暇で書いた小説なので続きはあるかもしれませんし、ないかもしれません。
あるとしてもそれは1世紀後かもしれません。
とりあえず暇なときだけ書いて出します。
誤字めっちゃあると思います。
というか周りの人みんな高クオリティすぎて怖いです。