「普通」の終わる日:後
小説は初めて書きます。至らぬ点などあったら申し訳ないです。
ーーー20XX年 7月30日 16:00
「ば…化け物…?そんなわけ、四肢もちゃんとあるじゃないですか。助けに行かないと…」
「よく前を見ろ。あれを見ても尚本当に助けに行きたいと思うのか?」
「え…いやいやそんな」
赤黒い液体を垂らしながら大きく開かれた口。口の中は新品の包丁のように鋭利な牙が何本も生えていた。目は黒く変色しており、肌は真っ青だった。人とは思えない容姿をしていた。
「うっ…」
それを見て、また吐きそうになる。胃袋の中にはもう何も残ってないってのに。
ミ"ン"ッ!!
突然地面に転がっていた蝉が鳴く。
「!?…せ、蝉かよ…驚かせんな」
「おい。それどころじゃないみたいだぞ」
「え?」
人のような生物が俺達の方を向いている。蝉の鳴き声でこちらに気づいたようだ。
そして、
タッタッタッタッ!!!
「速…!?」
いつの間にか羅面のすぐ前に《それ》が居た。
「羅面さ…」
グヂュン
バタッ
「…突きいっぽ~ん…♡」
一瞬思考が停止した。何が起きたんだ。
ふと気づいた時には《それ》は地面に倒れていた。
「羅面さん…?大丈夫なんですか…?」
「ん…俺は大丈夫だが、君は怪我はしていないのか」
「ええまあ…」
「そうか。じゃあさっさと行くぞ」
「あっえっ…ちょっと待っ…」
まるで何事もなかったかのように羅面はスーパーに向かって進む。俺は何が起きているか理解できないまま着いていく。
「…」
倒れている《それ》を見る。《それ》の喉には大きい穴が空いている。穴から赤黒い液体が大量に漏れている。
…素手で喉に穴を開けた…?にわかには信じがたいぞ…?
「…羅面さん…さっき何をしたんですか」
「ああ…あいつの喉にちょっとだけイタズラをな…」
「ちょっとだけ???」
…羅面には逆らわないようにしよう。そう心に決めた。
ーーー20XX年 7月30日 16:15
着いた。
「それで、スーパーで何を?」
「食料調達。腐ったり、他の生存者に取られる前にな。情報を調達するついでに食料も調達できる。一石二鳥ってやつだ」
「はあ」
動かなくなった自動ドアをこじ開け、中に入る。
中の空気は外とは違い、意外と澄んでいた。
「んじゃ、さっさと始めるぞ」と羅面は言い、俺に大量のレジ袋を渡してきた。
「いつの間にそんな…」
「もう4時だからな、早めに帰らないと悪い人に連れて行かれるぞ」
俺達はレジ袋を持ち、それぞれ別の方向へ分散した。
ーーー20XX年 7月30日 16:30
「おにぎり…ツナ缶…カップ麺…てか重いな…」
様々な食品をレジ袋に、これでもかというほど詰め込んだ。
両手には3袋ほど、食品一つ一つが軽いとはいえ、流石に少しキツい。
「まあ一種のトレーニングにはなるか」と考え、俺は出口へ向かおうとした。
ガタッ
「…?そこに誰かいるんですk…」
腰が抜けた。さっき見た化け物と同じ見た目をした生物がそこに居た。俺に気づいていないようだ。
「…!!!!」
俺の悲鳴は、恐怖でただの呼吸に変わっていた。
逃げないと死ぬ。考えなくても本能がそう言っていた。
しかし足に力が入らない。動くのは腕だけ。
必死に《それ》から逃げようと、生まれたての子鹿のように震える腕をなんとか制御する。
何かが腕にぶつかる。
死体…と床に落ちた刺股。《それ》に抵抗しようとしたのだろうか。
何を思ったのか、俺は刺股を持ち、静かに《それ》に近づいた。
そして俺は《それ》の頭を狙って、
バンッ!!!!
と、思い切り刺股で殴りかかった。何度も。何度も。何度も。何度も。
今思えば、この時の俺はアドレナリンが出まくっていたのだろう。静かに逃げても気付かれないはずなのに。
…
……
………
《それ》は動かなくなった。
「…怖かったぁ…(泣)」
これまでの疲労が一気に出てきて、俺は床に倒れる。
「…はぁ」
確信した。俺はもう、これまでのような普通の生活はできないのだろう、と。
今日が、俺達の「普通」が終わる日なのだろう、と。
暇で書いた小説なので続きはあるかもしれませんし、ないかもしれません。
あるとしてもそれは1世紀後かもしれません。
とりあえず暇なときだけ書いて出します。
誤字めっちゃあると思います。
というか周りの人みんな高クオリティすぎて怖いです。