「普通」の終わる日:前
小説は初めて書きます。至らぬ点などあったら申し訳ないです。
ーーー20XX年 7月30日 15:30
「うわっ…まぶっ…!?」
なんの心の準備もなしに男に開けられたドアの向こうには、普通の光景が映し出されていた。
小鳥がさえずり、車はある程度規則正しく駐車され、人が倒れているわけでもなく、この目に見える多くの人が重そうな鞄を抱えてこっちに向かってくる。なぜか赤の模様が入った服を着ている人が多い。
何もおかしくない。強いて言えば、少し鉄の匂いがする。
「なーんてな。ここはまだ、そんなバッタバッタ人が倒れてるわけじゃないから安心しな。」
「ここはまだ…この近くに被害はあるんですか?」
「そうだな…お前、家はどこにあるんだ?」
「えっと…こっから東に歩いてだいたい30分くらいで…あ、スーパーがあるところです。」
「あそこな、あの近くには一人で行かないほうがいいぞ。」
「え、なんでですか?」
「なんでも何も…お前はゾンビ映画のエキストラにでもなりたいのか?」
「あいや…そういうわけじゃ」
どうやらこことは違って遠くは悲惨な状況のようだ。
「こんなところにいちゃ情報調達も何も始まらないだろ、さっさと行くぞ」
「行くって言われても、どこに?」
「スーパーに買い物」
「買い物って…危ないって言ってたじゃないですか」
「それは一人で行った場合の話だ。今は俺がいる、よって生存確率は100%だ。」
「はあ…」
「とりあえず道のり忘れたからお前についてくぞ」
「えぇ…」
真面目なのか脳筋なのか…守ってくれるのは頼もしいんだが、どこか不安を感じざるを得なかった。
ーーー20XX年 7月30日 15:45
「…人、全く見かけませんね」
「そりゃこんな状況だからな」
スーパーへ向かって歩いてだいたい15分、まだそれといった特徴のある異変はこの目では見ていない。
しかし、歩いていて人を全く見かけない。もうこの近くの住民は全員避難したのだろうか。その時の街は、まるで突然この世界から人類が消えたかのように、あまりに静かで、不気味で、怖かった。
「そういえば、あなたの名前って…?」
「ん、ああ…適当に呼んでくれ」
「え、だから名前を…」
「あー…」
男は急にシャッターが閉められたラーメン屋の看板を見て、再度俺の方へ振り向きこう言った。
「塩野」
「はい?」
「塩野 羅面だ」
「え、いやそれってただの塩ラー」
「なんか言ったか?」
「…いえ」
名前すら教えてくれないとは。俺への信頼なさすぎだろ。
とはいえ、この男…羅面は悪い奴ではなさそうだ。いやまあ、出会って1時間経たない奴を信頼しているって訳では無いし、何を考えているのかわからないんだがな…
ともかく、俺たちはスーパーへ足を運びながら淡々と、他愛もない世間話を始めた。
ーーー20XX年 7月30日 16:00
「…すよね、政府は早く減税してほしいものです…あ、もうすぐ着くはずです」
「そうか」
「…うっ」
濃い鉄の匂いと腐った生ゴミのような匂いが嗅覚をおかしくする。
「なんなんですかこの匂い…え」
「それ」を見た。無意識に歩みを止めた。
窓の割れた車の鳴り止まない警報。電柱にぶつかりエンジンから煙が出ているバイク。すぐそばには絵の具のように鮮やかな大量の血液とともに手足がない人…人だったモノが転がっている。中には首と胴体が切断されていたり、頭から眼球が消失していたり…それはもう多種多様な死に方をしたモノがスーパーの前に在った。あの時、ニュースで見たものと全く同じ見た目をした《裂け目》と共に。
「…!!!!」
グロいのは多少行けるとは言ったが、これほどのものとは思わなかった。
「おえええぇ…」
「…大丈夫か?」
「ごれを見てどごをどう大丈夫だど思うんでずっ…う"っ、おえええぇぇ…」
ゴトッ
突然なにかを落としたような物音がスーパーの方から聞こえた。
「おえっ……人…?」
「…いや、あれは…」
「人の皮を被った化け物だ。」
暇で書いた小説なので続きはあるかもしれませんし、ないかもしれません。
あるとしてもそれは1世紀後かもしれません。
とりあえず暇なときだけ書いて出します。
誤字めっちゃあると思います。
というか周りの人みんな高クオリティすぎて怖いです。