裂け目:後
小説は初めて書きます。至らぬ点などあったら申し訳ないです。
ーーー20XX年 7月30日 13:00
「…うん、いいね。あんたたち支度できた?」
「ん、俺はいつでもいける」
「んー…ねえ、やっぱバックパックに推しグッz」
「だめに決まってんだろ」
「えーケチ」
「ケチとかの問題じゃねぇよ、水とか食料とか入れろよ」
「…はーい」
生きるために様々なものを詰め込んだ鞄を背負い、両手にも抱え、外に出る。
ガチャ
空中に存在している未知の《それ》を近くで見る。襲い来る恐怖で足の力が抜けそうになる。
「うっわぁ…近くで見るとえっぐいなこれ…でも見た目えぐいだけで脅威といった脅威はないっぽいな」
「たしかに!ねーねー、もっと近く寄って写真撮っていい?」
「アホか。行くぞ」
「えーー!!」
俺が《裂け目》とは真反対の方向に一歩踏み出した、その瞬間、
ブウウゥウゥウウウン!!!
「うっ…!!」
また轟音が鳴り響く。しかし、さっきの轟音と比べて控えめだった。
「あんたたち大丈…!!」
「何をそんなに驚い…はっ!!」
《裂け目》に一番近い妹が地面に倒れ伏している。そして、《裂け目》の周りに紫色の煙のようなものが佇んでいる。
「大丈夫か!!今助け…カハッ!?」
妹に近づいた瞬間、頭に猛烈な鋭い痛みが走る。
痛い。すごく痛い。前に一歩進むだけでやっとのことだった。
このまま死んでしまいそうなぐらい痛かった。
…だが、俺が死ぬ前にまだ将来がある妹を死なせてはならない。
「く…そっ…ったれ…がああああッッッッ!!!」
息を大きく吸う。
荷物を後方に投げ飛ばし、倒れ伏した妹へ向かって走る。
「ぁぁあああ"あ"あ"あ"っ"!!!」
近づくほど痛みがさらに激しくなる。
意識が消えてしまわないよう必死の思いで持ち堪え、妹を背負い、急いで母の元へ向かう。
「あんた大丈夫!?」
「俺より…こっちの心配をしたほうがいいんじゃ、ないか…?」
意識がない妹を地面に置く。
「まじ…で…太りすぎだろ…こいつ…」
「ねえ!!聞こえてる!?ねえ!!ねえ!!!!!」
「……んぁ…」
よかった。いくら眠りが深いからといっても永眠はしていないみたいだ。
「あんた気絶してたのよ!?ほんとふざけないでちょうだい!!!」
「……?」
「…はは、生きててよかったよほんと…あれ、力が抜け…」
バタッ
「ちょっ、今度は何!?ねえ…!…起き…てっ…ば…!……ね……!………!!…………………」
ーーー20XX年 7月30日 15:00
『…………が……人……狂…………今す……………避難…………』
『……今すぐ…………避難をして…………遠くへ……逃げて……!!……』
『裂け目のそばに行かないでください!!今すぐ裂け目のない場所へ避難を!!』
「……るさいなぁ…少し音下げろよ…」
「……まって……あれ…ここどこだ…」
(確か俺は…妹を助けて…その後…)
「あ…気ぃ失ってたのか…」
とりあえず体を起こし、周りを確認する。
「お兄ちゃんまだ起きないかな……あ。」
「…ん」
「起きた!!!ママーーーーーー!!!」
「うっさ…少し黙っとけ」
「えーだって!!」
「…そういやお前、体大丈夫なのか」
「んー?うーん…今は大丈夫、ちょっと頭痛いだけ」
「そうか…」
足音が近づいてくる。
「あんた!!!!!!大丈夫なの!?!?!?!?!?!?」
「まーたうるさいやつが一人…」
「うるさいって言うんじゃないよ!!!!!!心配したのよ!?!?!?」
「分かったから声抑えろ…それより、今はどんな状況なんだよ」
「どんな状況…いろんな人が攻撃的になってる、特に裂け目の近くにいた人が多いらしいわ。」
「攻撃的…??そんなB級ゾンビ映画みたいな話あるわけ」
「私がこの状況でふざけると思う?」
「っ……他には?」
「各地から裂け目を避けて避難してる人が多くいる…ってだけね」
「…ふーん」
「なに他人事みたいな顔で聞いてんの」
裂け目…思ってたより相当やばいな。
「…ん?俺が妹を助けた時、俺と妹どっちも裂け目の近くにいたよな…
それでいて異常は何もないってどういうことだよ、もしかしてデマ情報つかまされたんじゃないのか?」
「まだ《裂け目》がどういうものか分かってないのよ、もしかしたら時間が経ったら…」
「ママ!!怖いこと言わないでよ!!」
「ありえなくはないわよ?」
「ん…そーだけどさぁ…」
シュッ…
部屋の電気が消える。同時につけっぱなしにしていたテレビの電源も落ちる。
「今度はなんだよ」
「ねー!ネット繋がらないんだけど!!」
…ついに情報共有もできなくなった…?
どうする…俺達は…この世界でどう生きる…?
暇で書いた小説なので続きはあるかもしれませんし、ないかもしれません。
あるとしてもそれは1世紀後かもしれません。
とりあえず暇なときだけ書いて出します。
誤字めっちゃあると思います。
というか周りの人みんな高クオリティすぎて怖いです。