移転にゃ危険も付き物
小説は初めて書きます。至らぬ点などあったら申し訳ないです。
ーーー20XX年 7月31日 15:15
「…っぱりですか!俺もあの配信者好きなんですよ!あ、着きました」
「…ここがあんたらが言ってた避難所?壁にひびも入って…随分ボロボロじゃない」
「俺達がここを出る前は壁にひびなどは入っていませんでした…そうですよね、羅面」
「お前の言った通り、出る前はひびは入っていなかったな。」
「ってことは…」
「はい、さっきの爆発か地震の影響かと…おそらく後者のほうです、見た感じ爆発跡などはなさそうなので」
避難所が崩れていないだけ幸運だと思ったほうが良いだろう。
「問題は、この避難所がいつ崩壊してもおかしくないという点です。ここで話してちゃなんですし、中に入りましょうか」
「えっ、いつ崩れてもおかしくない建物に入るっての?」
「家族の安否を確認したいので…なら、キシャはここで待ってていいですよ」
「…いえいいわ、入りましょう」
「そうですか」
俺の家族がいる部屋に足を運ぶ。
「ただいまー」
「お兄ちゃん!!大丈夫だった??」
「大丈夫だ、ってか今もしかして心配してくれたのか?」
「う、うっしゃい!……!!」
「噛んじゃうくらい照れてんのかぁ~??」
「…ーーーっ///」
こっちに来て俺の体をぽてぽてと叩く。かわいい。
「…そういえば、母さんは?」
「ママ?ママはねー…そこで寝てる」
と言いベッドに指を指す。
「心配してたんだけどね、考えれば考えるほど気持ち悪くなるって言って寝た」
「そうなんか…今は起こさないほうが良いか」
「そうだね…あれ、お兄ちゃんどこ行くの?」
「管理人さんのところに用事があってな、すぐ戻って来る」
「あーそうなの?いってらー」
部屋を出る。
「あんたの家族…仲いいのね」
「仲いい…かはよくわからないですけど、それなりに楽しく過ごしてますよ。なんでですか?」
「…あたしね、家族の仲は良くない方だったの。
あたしのことを可愛がってはくれたんだけど、夜にお父さんとお母さんが喧嘩してる声が毎日聞こえてさ…寝るに寝れなかったわ。
小学4年の時に事故でお父さんが死んだの。そりゃ死んだ時はすごく悲しかったし、お父さんには申し訳ないけど、やっと静かに過ごせるって思っちゃった。
でも違った。そこからは前とは比べ物にならない、地獄みたいな日々だったわ。
なにかあればすぐにあたしを殴ったりね…家に帰るのが嫌で仕方なかった」
「それは…お気の毒に」
「別に同情は求めてないわ。ただね…時々あんたたちみたいな家族見ると憧れるのよ。
『あたしもこんな家族に生まれたかったな』…って」
「そんなことがあったのか、人は見た目で判断しちゃいけないな」
「羅面あんたねぇ」
「…」
クソッ、かけるべき言葉が見当たらない。
成績優秀、容姿端麗、一見万能な人にも、この世に生まれて生きる限り過去はある。
アホそうなこいつだって過去はあるんだ。
だが…そんな壮絶な過去だとは思わなかった。
「…暗くしてごめんね?それで、何だっけ?」
「あっ…ここの管理人と話をしてきます」
「わかった、着いてくわ!」
「すみませーん!!いますかー!!」
ガチャ
「…ああ君かい!今度はどうしたのかね?」
「今日、地震がありましたよね。地震の影響はこの避難所にもあるはずです」
「そうですね、そこら中にひびが入っちゃって怖いですよ」
「なので、避難所を別のところに移しましょう。ここがすぐに崩れることはないと思いますけど、いつ崩れるか、いつさっきのような地震が起きるかわかりません。もし崩れたとしたら…」
「たしかにそうですね」
「…!!じゃあ…!!」
「移しません」
「…え?」
「移しません。今の状況で別の避難所に移動をしようとすると、凶暴な人に襲われてしまうでしょう。第一、どこに移すのかは決まっているのですか?」
「それは…」
「…鳳凰さんの気持ちもわかります、しかし、万が一死亡者が出てしまったら私が責任を負うことになるんです。」
「っ…」
「この話はなしにしましょう。代わりになにか、楽しい話でも…」
「俺はホウオウの意見に賛成だ。」
「あたしも!!」
…!!
「確かに、このボロい建物はいつ崩れてもおかしくない。しかし、こんな薄暗いところでずっと過ごしているより、外に出て現実を見たほうが身のためになるんじゃないか?」
「ええ、ですから…」
「ここに残りたい人だけ残れば良いんじゃないの?」
「責任は…」
「責任は俺が取る」
「羅面…!?それは流石に…」
「こんなとこで動かず一生を過ごすより、さっさと動いて嫌われる方が俺は好きだな」
「チッ…勝手にしろ」
「ふっ、チキンめ…おいホウオウ。動かなきゃ何も始まらないぞ?」
「…はい!すぐに動きましょう!」
ガチャ
「あの小僧共は一体何なんだ!?ワシの方が年上のはずなのにあんな生意気な態度取りおって!!!」
「…まぁいい、ワシはここで涼むことにする、責任はあの小僧共が取ってくれるらしいからな、その度胸だけは褒めようか」
「にしても…この避難所でワシだけが扇風機を使えるという背徳感!!!いやぁ~こりゃあなかなかにいいものだな!!!」
暇で書いた小説なので続きはあるかもしれませんし、ないかもしれません。
あるとしてもそれは1世紀後かもしれません。
とりあえず暇なときだけ書いて出します。
誤字めっちゃあると思います。
というか周りの人みんな高クオリティすぎて怖いです。