21.まだまだ倒すぞ!
★あとがきに大切なお願いがあります★
洞窟からの帰路についた私たち。
隣で歩くシンシアは心底嬉しそうな表情を浮かべていた。
「ワタシ……倒せた……格上のオーガを!」
その発言を聞いて、私は後方腕組み彼氏面をする。
もちろんシンシアならできると思っておりました。
なんたって、たった一人で村を守り抜いてきた人間なのである。
基礎なんてものはとっくに身についているし、一人で全てを対応してきた分経験もたっぷりある。
めちゃくちゃ偉そうにも程があるけれど、私はとっても信用しておりました。
ふとシンシアがこっちを見てきて、笑顔を見せる。
「これもナナちゃんのおかげだよ! 本当にありがとう!」
「え……あ、そう? えへへ」
まさか自分に感謝をされるだなんて思わなくて、少し呆気に取られてしまう。
なんたって、今回私がしたことはシンシアの素質頼りの運任せ指示厨をしていただけである。
普通に嫌がられそうなことしかしてないので、まあこれもシンシアの優しさなんだなと思う。
「でも、本当にシンシアが強いんだよ。これからも、魔物討伐頑張ろう」
「もちろんだよ! よーし、頑張ろう!」
シンシアがそう言って、手のひらを向けてくる。
私はこくりと頷いた後、ハイタッチを交わした。
「まあでも、私のワガママに付き合ってもらっているようなものだけどね」
そう、これは私が最高の枕を作るためにやり始めたことである。
シンシアには無理を言って付き合ってもらっているとも言えるわけで、若干の申し訳なさを感じていた。
「気にしないで! これに関しては、利害も一致してるしね!」
そう言って、シンシアがウィンクしてくる。
確かに、そうか。
やれやれ。私は本当にシンシアに甘やかされてばかりだな。
でもいっか。
私、幼女だし!
「よーし! 次は何行こっか!」
「ふふん。すごい魔物の巣を見つけてるんだよね」
なんて言いながら、私たちは歩き始めた。




