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19.オーガとの接敵

「うう……じめっとしてる上に暑い……」


 私は服をぱたぱたとしながら、大きく息を吐く。


 短い人生ではあったが、前世でも洞窟なんて入ったことなかったから想定していなかった。


 とはいえこの湿度の高さは対策のしようがないと思うので、仕方ないことではあるけれど。


「洞窟はこんな感じだからね〜。まあ長時間いるわけでもないから、少しだけ我慢しよ!」


「うう〜……」


 シンシアに励まされながら歩く私。


 不快ではあるが、まあ長時間労働をするよりかははるかにマシである。


 頑張るぞ〜……。


「でも中は魔物がいないね。オーガの巣だなんて言うから、もっと魔物がうじゃうじゃいるのかと思ってたけれど」


 シンシアが不思議そうにそんなことを言う。


「多分あれじゃないかな。オーガ自体が強すぎるから、他の魔物は怖くて巣に寄りつかない的なやつじゃない?」


 私も過去に本で読んだ程度の知識ではあるが、たとえば熊の巣とかも他の動物は寄りつかないとかもあるくらいだし。


 シンシアは私の言葉を聞いて、感心したように頷く。


「なるほど! ナナちゃん賢いね!」


「えっへん」


 誇らしげに腕を組んでドヤ顔を決める。


 幼女になってからずっと、何かしら褒められることが多いから地味に嬉しい。


 これが幼女の力。特権。ふふふ。


 なんてことをしていると、突然シンシアが私の前に腕を出して止めてくる。


 シンシアの顔を見ると、険しい表情で洞窟の奥を見据えていた。


「近いよ、ナナちゃん」


 私も理解し、奥を見据えながら身構える。


 ——グオオオオオオ!


 咆哮。


 それと同時に、オーガが明らかな敵意を向けて走ってくる。


 ヤバイ——そう思ったと同時に、シンシアが私を抱えて回避行動を取る。


「ごめんね急に抱えて!」


「大丈夫、ありがとう!」


 シンシアが私を地面に下ろし、腰に下げている剣を引き抜く。


「このピリついた感じ……やっぱり格上は違うな……!」


 緊張と不安の混じった表情をしているシンシア。


 私は深呼吸をした後、シンシアに言う。


「私も戦うから、一緒に感覚を掴もう」


「もちろん!」


 お互いに横目で視線を合わせ、こくりと頷く。


 ほぼそれと同時にシンシアがオーガの方へと接近し、一閃を放つ。


 ——ガキン!


 オーガが剣を太い腕で受け止めて、鈍い音が響く。


「かった……!」


 刹那、オーガが空いている腕をシンシアの腹めがけて放ってきた。


 だがシンシアも分かっていたようで、咄嗟にバックステップをして回避する。


「ナナちゃん! 多分効いてない!」


 シンシアの叫びに私は頷く。


「大丈夫。普通に勝てるとは思ってない」


 そう言いながら、私は一歩前に出る。


「作戦ならあるよ」


更新しました!昨日は多忙を極めすぎて投稿できなかった……申し訳ないです。ストックを貯めておくことの大切さを学んだのですが、しかし私はストックを作れない愚かな人間なので、これからもギリギリを攻めていきたいと思います。

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