13.よし、決めた!
こうして私たちは一日を終え、お楽しみの睡眠の時間がやってきた。
私はウキウキしながら、鏡の前で歯磨きをしている。
「ぼごご……! ぼごご……!(寝れる! 寝れる!)」
もう一挙一動、全ての行動が楽しくて仕方がなかった。
この歯磨きも寝るための前座、そう思うだけで幸せすぎる。
今日こそしっかり寝るんだ。
私は今日こそ熟睡する!
歯磨きを終えて、私は自分のベッドに向かう。
ふと、寝間着姿で腕立て伏せをしているシンシアと目が合う。
「おやすみナナちゃん! ワタシのことは気にしないで!」
その姿を見て、思わず苦笑してしまう私。
今日傷だらけで帰ってきて、もう心身ともにボロボロのはずなのによくやるな。
私とは違って何倍も勤勉で尊敬してしまう。
ともあれ、私は遠慮なく先に寝かせて貰おう。
ベッドの端に座り、くつくつと笑いながらポケットに手を突っ込む。
……ふふふ。実は秘密兵器があるんだな。
ポケットからとある物を取り出す。
そう——それは耳栓だ!
実はこの家の中を見て回っていると、裁縫セットのような物の中に綿があった。
それを簡単にいじって、そして完成したのがこれである。
ふふふ……これさえあれば音は何も聞こえないはず。
シンシアの毎朝のトレーニングの音も、これでシャットアウトできるはずなのだ!
「くくく……笑いが止まらないぜ……」
なんて言いながら、私はベッドの中に入る。
ゆっくりと枕に頭を埋めて……んん?
私は起き上がり、パンパンと枕を叩く。
「なんかこれ……普段使っていた物より硬い……それに高さもある……」
私は不安になりながらも、もう一度枕に頭を埋める。
うん、やっぱり硬いし高い。
……気になる。
でもまあ……慣れたら気にならなくなるか。
「今は寝られることを喜ぶべきか……!」
そう、それが一番大事なのである。
なんたって今は夜の十一時。
前世ではこんな時間にはベッドに入ることはできなかったのだ。
なんて喜ばしいんだ。うん、これだけで私は満足である。
私はそう納得し、目を瞑った。
おやすみ世界!
◆
翌朝。私はすがすがしい朝とともにめをさました。
首の違和感を覚えて。
「なんか痛い……これ、やっぱり無理かも」
確かに寝られた。
だが……これでは体の調子はよくならない。
よし、決めた。
「ないなら作れば良いじゃないか! そう、私に完璧にあった最高の枕を!」
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