12.今日から私も頑張ります
あとがきに大切なお願いがあります
十分褒められて満足した私は、一度家に戻ることにした。
と言っても、ほとんどの理由はルイル様に「小さいんじゃからお家でお留守番しておれ」と言われたからであるが。
ぼうっとしながら帰路に着いていたわけなんだけれど、しかしシンシアのことが気がかりだった。
彼女は村を一人で守るくらいには強い。
けれど、私が転生してきた日には敗北を覚悟しながら自ら一人で戦おうとしていたのは事実である。
彼女は村のためなら自己犠牲を厭わない。
だからこそ村人たちは安心して暮らせているのは確かなんだけれど。
「むむむ……大丈夫かな……」
うーんと頭を悩ませていた時のことだった。
「あ! ナナちゃんじゃん! 外出てたの?」
ふと背後から声がして、振り返るとボロボロになったシンシアの姿があった。
腕や足からは血が滲んでおり、装備も汚れが酷い。
そんな状況なのに、シンシアはニコニコとしていた。
「シ、シンシア!」
私は慌てて走って行き、シンシアの傷を見る。
大きな怪我はしていないようではあるが、実際問題痛そうなのは間違いない。
私は魔導書を読んで覚えた回復魔法を発動し、シンシアの傷を癒やしてみる。
「おおっ! 回復魔法を覚えたんだね、頼りになるな!」
全く……この人は本当に強いな。
なんていうか、私よりもずっとすごい人だ。
私は一通り傷を癒やしたあと、シンシアを見る。
「シンシア、あまり無理はしないでね」
「大丈夫大丈夫! これくらいどうってことはないよ!」
平気そうに笑うシンシアを見て、私はこくりと頷く。
そして、ルイル様と話したことを伝えることにした。
「私も村の見回りするよ。シンシアにも休んで貰いたいから毎日交代で」
言うと、シンシアは目を見開く。
驚いた表情を浮かべた後、嬉しそうに笑った。
「ナナちゃんには緊急時に手伝って貰おうと思ってたんだけど……本当にいいの?」
そりゃ私は働かずにぐっすり寝ていたいのは事実だ。
でも、そればかりだと住まわせて貰っているんだから申し訳ない。
これくらいなら全然どうってことはないしね。
私が頷くと、シンシアがぎゅっと私を抱きしめる。
「ありがとうナナちゃん! 全く、ワタシはナナちゃんに助けられてばかりだな」
なんて言っているが、どちらかと言えば私の方が助けられてばかりである。
やれやれ。シンシアはもしかしなくても、ニートを生み出すのに向いているな。
よし、睡眠時間を十分確保できる範囲で頑張っちゃいますか。
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