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奈津子看護師のトラウマ
奈津子看護師のトラウマは、パクチーのニオイに起因していた。その香りを嗅ぐと、彼女は過去の辛い出来事を思い出してしまうのだ。
数年前、奈津子看護師はある海外の医療ボランティアに参加していた。その地ではパクチーが非常によく使われており、料理からは常にその強烈な香りが漂っていた。ある日、彼女が担当していた患者の一人が重篤な状態に陥り、懸命に治療を試みたものの助けることができなかった。そのときの強い悲しみと無力感が、パクチーの香りと結びついてしまったのだ。
以来、奈津子看護師はパクチーの香りを嗅ぐと、その時の心情が鮮明に蘇り、胸が締め付けられるような感覚に襲われる。彼女はそのトラウマを克服するため、自己研鑽を続けていたが、未だ完全には乗り越えることができていなかった。
淳は偶然にもこの事実を知ることになり、彼女の心の傷に寄り添うことを決意する。彼は奈津子看護師に対して、理解と共感を示しながら、少しずつ彼女の負担を軽減しようと努めるのだった。




