公園
そういえば、昔すんでいた家の近く、公園があったんだ。
ただ小学校の先生からいつも午後4時44分を過ぎてからその公園には入るなっていう話だったんだ。
なんでか、ってのは先生に聞いても絶対に教えてくれなかったんだ。
でも、そういわれたら見に行きたくなるのが子供のサガってものさ。
友人と数人でその時間をはさんで公園に行ってみたんだ。
4時44分、今まで明るかった公園の空が急に黒くなって、あっという間に夜がやってきたんだ。
公園自身はほかにも何も変わっている様子がないのに、ただただ夜がきたんだ。
すると、公園に生えている普通の木々の影が俺らの方に伸びてきてな。
何か声が聞こえだしたんだ。
おいでとか、つれていこうとか。
そんな感じの内容だったと思うな。
俺はこのころになって怖くなってダッと逃げ出したんだ。
ほかの友人らも同じさ、もう無我夢中さ。
公園の敷地から一歩足を踏み出すと、明らかな舌打ちの声と同時に時間が元に戻ったんだ。
時間は4時45分。
本当に経った1分の出来事か、今も疑問に思うほどの体験だったな。