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賢者サイド 狂った歯車

 賢者サイド


「なんでこんなことになっちまったんだろうなぁ」


 アルトスはぼんやりと呟いた。


 私は何も思考出来ずにそれを聞き流す。


「何他人事みたいに聞いてやがる。てめえのせいだっつってんだよセリシオ!」


「・・・あまりがなり立てないで下さい。ここを何処だと思ってるんですか?」


「解ってるわ! 牢屋だ牢屋!!」


 ダン、と。


 アルトスは牢の壁を殴りつけます。


 そんなことをやってもどうにもならないというのに。


「そもそも俺だってレオダスが生きてるなんて知らなかったんだ。なんでてめえと同じ牢屋に入れられないといけねーんだよ!」


「五月蠅いですね。あなたのは自業自得でしょう」


 私のせいにしないでほしいものです。


 それにこいつと私は同じではない。


 こいつは単に騒いだから。


 私は地位も財産も没収され、殺害の疑惑までかけられてここにいる。


 勇者パーティーの貢献を考慮に入れてくれるという話ですが、それもどうなるか。


 これから私はどうなってしまうのでしょう。


 ここを出られたとして、一体この先どう生きていけば。


「うるせぇだぁ! てめえ、いい加減にしろよ!!」


 アルトスは怒りに任せ、私を持ち上げた。


「ぐ、うぅ」


「てめえは! レオダスと同じくらい、いや、それ以上にムカつくぜえ!」


 ボカっと、アルトスは私の顔を殴った。


「ぐ、が、はぁ。な、殴りましたね。この私の美しい顔を!!」


「だったらなんだってんだ、ああ!?」


 許さん。


 この男も、レオダスも、勇者も、ステラも、王女も、あの国王も!


 そうだ。

 この私に逆らった者は生きる価値などない。


 滅ぼす。

 全てを滅ぼしてくれる。


 ははっ!

 何を考えていたのです。


 壊せばいい。


 私に歯向かう者。

 意に反する者全て。


「アルトス。ここから出ますよ」


「え、ま、マジかよ? 出れんのか?」


「ええ、転送の魔法を使います」


「おお、すげえ。そんなこと出来んのかよ!」


 猿が。


 先程まで私に怒りをぶつけていたのにこの態度。


 万死に値する。


「私を誰だと思っているんですか? 大賢者セリシオですよ」


 私は自分の歯で指先を切り、血で魔法陣を描きます。


 はは、騎士団長も勇者パーティーと思って甘く見ましたね。

 見張りの一人も置かないとは。


 その中心に、アルトスを立たせました。


「お、おい。俺はどうすればいい?」


 動揺しているアルトスが私に尋ねます。


 私は笑う。


「ええ、そのままでいなさい。すぐに送ってあげますよ」


「つーかよ。一体どこへ送ってくれるんだ?」


「決まっていますよ」


 私を殴ったのですから、行きつく先は、


「地獄です!」


「が、あああああああああああ!!」


 魔法陣から溢れた凶悪な魔力が、足元からアルトスを蝕む。


 そして、その生命力を、喰らう!


「て、てめ、セリシオ。なんだこれは、何を、したぁ!!」


「これを転送の魔法陣といいましたね。あれは嘘です」


「う、そ。だと?」


「これは悪魔の召喚魔法。禁忌故、今まで使いませんでしたが、もう知ったことではありません。あなたには召喚の贄になってもらいます」


「生贄、だとぉ」


 黒い魔力がアルトスの身体を完全に包んだ。


 くくく、悪魔が召喚されますよ。


「いつか殺してやろうと思っていましたからね。ようやく叶いましたよ!」


「ぜりじお、ぜりじ、ぉぉ~、仲間の、おれを」


 仲間? はて?


 道具を仲間扱いしたことなどないのですが。


 ふふ、さようならアルトス。


 最後は私の為に死ねましたね。


 黒い魔力はアルトスを喰らい、そのまま魔法陣に飲み込まれていった。


 次の瞬間。


 別の何かが、魔法陣から出現する。


 それは悪魔。


 人類に最悪をもたらす最凶の悪魔です。


「ははは、復讐だ。楽しい復讐の始まりですよ!!」


 私の高笑いが牢の中で響いた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 魔法得意な賢者をそのまま制限無しに牢屋に入れるとか無理が無いか? しかも同じ牢屋に共犯者まで入れてるし、それも二人とも拘束無しでw こんだけ無理矢理しないと展開してけないなら筆者の力…
[気になる点] 魔法やスキルを封じないで牢に入れるとか、振りですか。 [一言] 魔法やスキルのある世界で、その対策もなしに拘束して、簡単に覆せるようだと、法治的な社会は成り立たたず、世紀末的なヒャッハ…
[一言] でもさ、この悪魔、勝てると思う? なんかさ、絶対に無理だと思うんだよね。 屑?どうせ直ぐに悪魔に殺されるんじゃない? 悪魔に「お前の力を奪ってやる」とかなんとかで。
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