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裁きの時 序章

「賢者セリシオ。顔を上げるがよい」


 俺達は謁見の間にいる。


 膝をついているのはセリシオ一人。


 俺達はアルトスも含め、横で成り行きを見守っていた。


 セリシオは顔を真っ青にしてゆっくりと顔を上げる。


 初めは王宮に行くことを拒んでいたセリシオだったが、アティが『来ないのなら指名手配する』と言われ、震えあがったコイツは泣く泣く付いてきたのだ。


「さて、一応申し開きを聞こうか。何故レオダスを死んだことにして追放した? 仲間にまで嘘をついて」


 震える唇でセリシオは答えた。


「レ、レオダスが足でまといだからです。この男は我々パーティーに居続けるには力不足でした。ですので、追放を」


「死んだことにしたのは?」


「ゆ、勇者様と聖女クレアを納得させる為です。この二人はレオダスを信頼していたので」


 トントントン、と。


 王様は玉座の取っ手を指で叩いた。


「信頼か。上手いことを言う。では仲間を騙す行為は信頼を裏切ることに他ならないのではないか?」


「ち、違います。全ては勇者パーティーを想ってのこと」


「結果、冒険はまるで進んでいないらしいな」


「ぐ、う」


 セリシオはアトス達をチラリと見た。


『何を馬鹿正直に話しているんだ』ってところか。


「そ、それは数が足りなかったのです。代わりに入れたステラは使い物になりませんでしたし」


「アトスとクレアの意見は違うようだが?」


「それは、あの二人は周りが見えていなくて・・・」


「俺から言わせれば、見えていないのはお前だセリシオ」


「ぐぅ、ま、待って下さい。私と同じ意見の人間はおります」


 キッとセリシオはアルトスを睨んだ。


 アルトスはビクリと震える。


「アルトス! 何か言いなさい。あなたもレオダス、ステラ追放に賛成していたでしょう!!」


「っう。いや、俺は・・・」


「ほぉ。そうなのか戦士アルトス?」


 王様に問われ、アルトスはしどろもどろになりながら乾いた口を開く。


「レ、レオダスが足手まといだってのは、マジです。役にたってませんでしたし、このステラもレオダスの代わりが務まらねーばかりか、俺にわけわからんイチャモンをつけやがったし」


 こいつ本当に口悪いなー。


 王様に話す言葉遣いじゃないだろう。


 こいつだけは後から俺がスカウトした奴だからな。


 育ちが悪いんだ。


「ステラは的確にお前達の短所を指摘したと言うが、お前も聞く耳を持たなかったのか?」


「ち、違っ! ステラてめー、何を言いやがった!!」


「や、言ったのはアトスとクレアですので」


 ステラは我関せずとそっぽを向いた。


 それが尚更アルトスを苛立たせる。


「ふざけんな! てめえがもっと使えりゃあよぉ。出鱈目言いやがって!!」


 おいおい、王様の御前だぞ?


「おい、控えないか」


 見かねたのか、兵士の一人がアルトスの肩を掴んだ。


 しかし、


「う、うるせえ!!」


「うっ」


 頭に血が上っていたアルトスは兵士を突き飛ばしてしまった。


 あ。


「貴様!」


 すぐに数人の兵士達がアルトスを取り囲む。


「ち、違うんだ。ううっ」


 自分のやらかした行動を理解したアルトスは、意味なくきょろきょろ見回した。


「セ、セリシオ! なんとか言ってくれよ!」


「っ・・・」


 暴走した所に振られ、セリシオは無視を決め込み、アルトスを見ようとしない。


 それを理解したアルトスは目をむき出しにする。


「て、てめえセリシオ! これじゃあ俺は完全にとばっちりじゃねーか!!」


 騎士団長は嘆息して兵に命じる。


「頭を冷やさせろ。牢に入れておけ」


 アルトスはギョッとした。


「なっ。ろ、牢! 違う。俺は悪くねぇ。全部セリシオがやったことだ。止めろ、放せ、放せよぉ! ちくしょーーーーー!!」


 兵士数人に連れられて、アルトスは退場した。


 あいつとは意見の食い違いはあったが、頭悪いだけで決して悪ってわけじゃないんだけどな。


 まあ、いつも馬鹿だから前にドンドン出て行ってフォローが大変だったが。


「やれやれ」


 王様はかぶりを振った。


「こんなつもりで水を向けたわけではなかったのだがな。さて、セリシオ」


「は、ははあ!」


「続きを聞こうか?」

前座が終わり、いよいよセリシオ!


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