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デート②

イブside



「お、、美味しいわ!!」


そう言って、目の前のパフェ?に目を輝かせるシアがとても可愛かった。


良かった。先程の怒りも静まったようだ。


先程の事を思い出しては怒りを覚えつつも、嬉しく思ってしまい何も言えない。


俺とシアは神であるから五感が鋭く、シアが雌豚と言っていた人間の会話は勿論聞こえていた。


正直殺してしまいたいとは思ったが、デート中に血生臭いのは…と自身を制し、怒りを誤魔化していた。


が、その結果シアの可愛い姿が見られて良かったという気持ちがあり、あの人間には多少なり感謝している。


だからといって、シアの悪口を言ったことは許せないが…。


俺はズズッと珈琲を飲んだ後に外を見た。


『(そろそろいい時間だな…)』


『マリア。』


「なにかしら?」


『どこか行きたい所はあるか?』


「そうねぇ…んー、相談したい事ならあるのだけど、もしかしたら言った方が早いのかしら…。」


悩み始めたシア。ふむ、反応を見る限り此処で話すかどうか悩んでいるらしい。


俺は指でパチンと鳴らす。


防音の魔法で、この程度であれば詠唱も必要ない。まぁ、人間もなのかは知らないが。


『相談ていうのは?』


これで話しやすいだろうと聞いてみると、やはりそうだったのかすんなりと話し始めた。


「勇者選別の事で少しね、私まだ勇者を選んでいないのよ。」


『ほう?珍しいな。』


神話にあった通り、この世界には魔王と勇者という存在がいる。


まぁ、俺達が作り出した訳だがこれにもまた理由がある。


今は触れないでおくが、人間が云う神話は実話かというと微妙な部分が多い。


その中でも、俺達神の名前と使徒の存在、魔王や勇者の存在だけは合っている。


「いつもは大体勇者はこの子にしようって決めているんだけど、今回はそれが難しくて…。」


『ふむ、それはどちらの意味でだ?弱者(不適合者)ばかりで勇者を選べないのか、逆に強者(適合者)ばかりで選べないのか。』


「嬉しい事に後者よ。今までは数人がずば抜けた実力を持っていたからその子達を勇者にして、周りも納得していたの。

けれど、今回は強者(適合者)ばかりでどの子を選んでも争いになりそうなの。」


『なるほどな。実力が均等なのか。』


「ええ。その子達の実力はほぼ同格で選ぶには実力以外の…そうね、性格とか器とかで選ぶしかないと思うの。」


『いっそ、全員勇者に選んで、魔王もその分増やすか?』


「ふふ、そんな事したら世界が揺れるわね。」


『良い案かと思ったんだが。』


「確かにその方が楽だけれど、人間が可哀想だわ。」


『多少の犠牲でシアの悩みが解消するなら安いもんだと思ったが…シアがそういうなら違う方法を探したほうが良さそうだな。』


「ふふ。ありがとうイブ。」


確かに、魔王を増やせば世界が危ないな。国一つ無くなる事になるだろう。


その後に、勇者が動き出したところで魔王は待ってはくれない。対策やらなんやらしている間に悲惨な結末に…なんてことにもなりかねない。


それでは本末転倒もいいところだ。


俺達が魔王と勇者を作った意味がない。


まぁ、そんなもの俺達が多少調整すれば国がなくなるようなことにはならないだろうが、そこまでするのは手間だ。


やはり違う方法を考えねばいけない。


『規定数勇者を選ぶしかなさそうだな。』


「ええ。その為にも、その子達の人となりを知る為に接触するしかないわよね。」


『そうだな。…使徒にやらせるのはどうだ?』


「それもいいけれど…でも、勇者を選ぶのは私の仕事だから、私がしなければいけないと思うの。けど、もし人手が欲しくなったら頼むことになると思うわ。」


『そうか。』


「………あっ」


『?どうした?』


「ねぇイブ!一緒に学校へ侵入しましょう!?」


『……………。』


珈琲の取手を掴んでいた俺の手はいつの間にかシアに握られている。


チラッと顔を覗き見れば、僅かだが頬が赤みがかっており、興奮している事が分かる。


そして、シアの瞳はキラキラと輝いていた。


ジーッ


瞳はキラキラと輝いている。


ジーッ


瞳は変わらずキラキラと輝いている。


更に見る。


キラッキラッ


『……………はぁ』


「やったぁ!!」


まだ何も言っていないのに何故か喜んでいる。


『まったく…シアは恐ろしいな。』


初めは面倒だと思った。そもそも俺は馴れ合い…というか、人と関わるのが好きではない。使徒は別だが。


だが、シアを見ていたら良いかもと思わせられた。なんだったんだあれは。魔法か?魔法なのか?いや、魔法ではない。俺にはそういった精神的な魔法は効かない。だが、あれはなんだ?俺チョロ過ぎないか?いや、でも仕方がないだろう。あんな目で、顔で、手を握られながらお願いされてしまえば断れる筈がない。寧ろ断れる奴がいるなら是非とも会いたい。……断るだと?シアのお願いを?そんな奴いるならぶっ潰すぞ。いやいや、そうではないだろう。動揺し過ぎだ。落ち着こう。


「ありがとうイブ。嬉しいわ。」


フワッと花が咲いたように笑うシアを見て、もう何でもいいかと思ってしまう。


こんなに喜んでもらえるなら学校でもなんでも行ってやろう。


『そうか。それなら良かった。』


「学校に侵入するって言ったけど、どうせなら生徒として学校に通えばいいと思っているの。どう?」


『ああ。良いんじゃないか?教師だと距離を縮めるにも限界があるからな。』


「なら決まりね!楽しみだわ。」


シアは余程嬉しいのか満面の笑顔を浮かべていた。


可愛い。




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