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デート➀

シアside



「イブ!お待たせ!」


私は少し遠くにいる彼の元へ降り立った。


『シア、おはよう。今日も綺麗だ。』


そういってフワッと笑う彼の笑顔をみて、私の心臓が早鐘を打つのを感じた。


「イブは今日も格好いいわ。」


動揺を悟られないように注意しながら、イブの容姿を褒めた。


『それは良かった。シアに似合う男に見えるよう頑張った甲斐があったな。』


そう言って手を口元に持っていき、きれいに笑う彼に愛おしさが膨れ上がった。


もう、こんな彼が邪神だなんて誰が信じるのかしら。


私達は彼を知っているから分かるけど、人間には分からないわよね。


もう美しすぎるイケメンな男にしか見えないわ。というより、雰囲気?が現実離れしているから神と言われても納得してしまいそう。


とはいえ、邪神と言われて納得できるかといえばまた別問題ね。


『さて、行こうか、…マリア。』


「ええ。リハク。」


私達は人間の姿に変装していて、事実名前も変えて完璧な人間を演じている。


やるならば徹底的に!よ。


イブは、リヒト・クライガル


私はマリア・サラスティーゼ


二人共平民という設定だけれど、必要があれば貴族という設定でもいいとは思っていた。


この名前はイブの側近セバスチャンが考えてくれたもので結構気に入っていた。


セバスチャンは人間界によく行っているため、人間界事情には私達の中で一番知っている。


そんな彼が考えてくれた名前なら間違いもないとこの名前に落ち着いた。


ここから先はただの人間のリハクとマリアになる。


『転移―ゲート―』


彼は私の肩を抱き、人間界に行く為の魔法を使った。


さり気なく肩を抱いてくるあたり垂らしの素質ありよね。


シュンと周りが光り、気づいたときには人間界にいた。


昨日使徒達が読んでいた本に、神は人間界に干渉しないとあったが、あれば間違いでもなければ正しくもない。


確かに力は膨大で、力の制御を誤ればこの世界はたちまち崩壊へと向かうだろう。


けれど、逆に言えば制御を誤らなければいくら世界に干渉しようとこちらの自由なのだ。


なので、神々の領域と言われているkarulaから出て人間界にデートしに来ようと問題ない。


『無事来れたようだな。…行くか。』


付いた場所は一軒建ての家の中。


リハクが使っているという設定の家だ。


殆ど使わない家だけれど、こういった時怪しまれないように移動する時には便利だとそのままにしていたもの。


「ええ。行きましょう、リハク。」


私は彼の手を取り、外に出た。


活気あふれる人間界。


行き交う人々は色んな表情をしていて、行動もバラバラだった。


家から出て少しすると、視線が気になってきた。


それはイブも感じているが、興味なしといった感じだった。


おかしいわね、前回は不機嫌だったのに。


以前よりも余裕があるというか、落ち着いているというか、冷めているというか。


もっとこう…嫉妬してくれるかと思っていたのだけど。


「ねぇ、あそこにいる男性格好良くない?」


「え?本当だ!格好いいし、すっごい美形!」


「一度でも良いからあんな男性にエスコートされてみたいなぁ!」


…………なんですって??


私はいつの間にかイブと繋いでいた手に力が入っていたらしく、イブが振り返って私を見た。


『どうかしたか?』


「いいえ、なんでもないわ?行きましょ。」


私は雌豚に見えるようイブと腕を組んで歩く。


どうよ、見なさい!イブは私のなんだから!


「ねぇ、見た今の?」


「見た見た、あの勝ち誇ったような顔!」


「顔は良くても中身最悪そうww」


「身体密着させて…そうでもしないと気が引けないのよ。」


な、な、な、!!!


なんなのよこの雌豚共!!


僻みでしょ!?羨ましいんでしょ!?


けど、イブは渡さないわよ、あんたらみたいな雌豚共には夢見ることさえ烏滸がましいんだから!


「精々僻んでいるといいわ雌豚め。」


『……………ふっ』


頭の中で悶々と考えていたら、隣から控えめながらも笑い声が聞こえてきた。


「…リハク?」


『ふっ……ははっ』


抑えようと必死なのだろうが、肩は小刻みにプルプルと揺れているし、声も漏れ出ている。


『まったく…』


イブが私を見たと思ったら、ぎゅっと私を抱き締めてきた。


「ななっなっ!!何を!?」


リハクは私の耳元で囁いた。


『安心しろ。俺はお前の事しか眼中に無い。』


「え…っ!?」


何を今更!だとか、急に何!?とか色々と思うところはある。


けれど、このタイミングでこんな直球に優しい声で囁かれては何も言えない。


『嫉妬…してくれたんだろう?』


「え?な、なん…」


『精々僻んでいるといいわ雌豚め。』


「ぅえ!?」


そ、それはさっき私が思っていた事、なんで、待って、私もしかして口に出して……!?!?


『はははっ…』


スッとイブの顔が離れ、元の位置に戻った。


「あ、の…これは…、その。」


ま、まずい。聞かれてしまった。


実は女神とは言え、私は清い女でもなければ性格が滅茶苦茶良い!なんてことは無い。


口も悪ければ、態度も悪くなる時だって普通にある。今回のように。


けれど、それを知られてしまった。


彼に。


『マリアは偶に口悪いよな。意外と。』


けれど、彼は面白いというように口元に手を持っていき優しく笑った。


あれ?口悪いってバレてる??


どうしよう、恥ずかしい。


勝手に嫉妬して、勝手に自爆しただけ。


ううう。前回のデートの時、彼も私と似たように思ってたのかしら。


いいえ、彼は自爆なんてしていないし、私のほうが色々とやらかしているわね。


「……こんな私でも好きでいてくれる?」


『何を言う。そんな所が可愛いんだろう?特に俺の事になると口悪くなる所とか可愛い以外なんて言えばいいのか思い当たらないな。』


「そ、そんな事までバレて……!?」


『いつもは冷静なのに、俺が絡むと口悪くなるだろう?それに、今日だって実は俺が嫉妬に狂うのを待っていたな?』


…………全て、バレてる。


「うぅ…。」


バレてるけど、嬉しい事もある。


口が悪くても彼は許してくれるし、嫉妬した彼を見たいと思っていたことを知っていても許容してくれている。


全て知った上で私に付き合ってくれている。


胸が温かくなるのがわかった。


じんわりと温かくて、こう、ぶわっと彼への想いが溢れて爆発しそうだった。


そう、私は彼が嫉妬してくれる事が嬉しかった。愛されていると実感できるし、そんな彼を見られるのは人間界に来たときだけ。


けど、何も嫉妬していたのが彼だけかと言えば嘘になる。寧ろ私も相当嫉妬していた。


前回のデートでは、イブが周りの蝿?に睨みを効かせることに夢中で気づいていなかったらしいが、チラチラと見てくる雌豚によーく見えるようイブに擦り寄ったり、繋ぎ合う手をわざと前に揺らしてみたり、腕に抱きついたりしていた。


しかし、今回のデートで私が嫉妬していたのがバレてしまった。


不覚…。


『取り敢えずどこか行こう。近くに…か、ふえ?というのがあるらしい。きっとマリアも気に入る。』


フワッと笑う彼に愛おしさが更に溢れた。


今日の為にセバスチャンから事前に聞いておいたのだろう、かふえ?に連れて行ってくれるらしい。


前回は演奏を聞いたり、動物達に餌をあげるスポット?に連れて行ってくれた。


彼は何故か動物から懐かれず、ションボリしていた事を思い出して笑ってしまった。


只の体質か、邪神という存在故かは定かではないが多分後の方が正解だと思う。


でないと、こんなに優しく笑う彼が懐かれない理由がないし、分からない。


着いたかふえ?はオシャレで、女性客が多かった。


『ここはデザートが絶品なんだとか。マリアも好きだろ?』


「ええ。けどいいの?リハクは甘いもの苦手でしょう?」


『ここの珈琲が美味しいとも聞いた。何も気にする事はない。』


「なら行きましょう!あのデザートが美味しそうだわ!」


『ふっ…そうだな。』


相変わらず美し過ぎる笑顔を浮かべて私の後を追ってくるイブ。


その笑顔に周りの雌豚共がチラチラうざいけれど何故か先程よりはムカつかなかった。





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