第043回『転生したらショゴスの中では超イケメン!!~メスショゴスがてけりり、てけりり言いながら集まってきて俺のSAN値が危ない件~』の感想!
クトゥルフ知らないんだよなあ……
「今回はショゴスですわ」
「ショゴス? スライムではなく? ショゴスとは?」
作者:Gyo¥0-
転生したらショゴスの中では超イケメン!!~メスショゴスがてけりり、てけりり言いながら集まってきて俺のSAN値が危ない件~
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「ショゴスときいて何を連想するかしら?」
「連想も何も知らないと分かりませんね」
「そう、このネタは通じる人が結構限られると思うの」
まずショゴスというもの自体は、
誰かが小説で書いた生物の名前だということは、
なんとなく分かるのだけど、その生命自体の特徴は、
スライムと何となく似ていて、しかし、
その実態は大きくかけ離れた生物だってことは、
確かなのだけれど。
「特筆すべきはその鳴き声、テケリ・リ、テケリ・リ!」
「うわ、明らかにスライムの鳴き声ではないですね!」
「で、スライムはなんて鳴くのかしら?」
「ぷるぷる、ですよ」
「ぷるぷる、ね、とにかくこの物語は、
よくあるなろう小説のテンプレに沿って、
主人公が不慮の死を迎えて、
転生することによって始まるのだけど」
転生する際の神様が一癖も二癖もある、
ちょっと変わり者の神様だったらしく、
主人公をイケメンのショゴスにします。
「で、と、よく分からない生命体で、
沢山、瞳があることが判明しているショゴスの、
どこをどうやったらイケメンになるかしらね?」
「スライムのイケメンを想像したら分かりやすいのでは?」
「スライムに個体差を求めるのは無理ゲーね」
「ぷるぷる! 色とか艶とか色々あるんですよ!」
「とにかく、あとはショゴスライフあるのみなのよ」
ショゴスの日常を描いたというのは、
どうやら小説至上稀に見るものみたいだし、
そもそも雌ショゴスと雄ショゴスで、
イケメンショゴスが誕生するっていうのが驚きね、
非日常から出てきたような生命の塊が、
唐突に親しみを持てる存在になるわ。
「で、と、スライムを観察することで、
いくらかショゴスの生態のヒントに、
なることもあるかもしれないから、
あとは延々、スライムに普段の生活を、
送ってもらうわ」
「えー!!! 無茶振り! まあいいや!」
スライムは粘体生物、これはショゴスも、
同じくなようだけど、若干ショゴスのほうが、
瞳などもぞろぞろあって肉感ともなっている、
というより黒光りする玉虫色、ようするに、
昆虫で言う所のカナブンなんかによく似た、
虹彩を放っているわけで、身が有りそう、
そうね、スライム、貴方に光る魔鉱石を、
中心部に入れるから、それで今夜一日、
虫を大量に体に取り込んできなさい。
「ぷるぷる、急な依頼に戸惑いますが、
それ!」
スライムは寄ってくる虫を体内に取り込んで、
酸性の液で溶かします、その様子を見ると、
スライムの体内に透けた昆虫が徐々に、
溶かされていってる様が明らかになりますから、
もしショゴスが何ものかを捕食することがあったら、
スライムの体内で溶けている昆虫や甲虫のことを、
思い出したら、何となく、雰囲気が出そう。
丁度、玉虫色のキラキラ甲虫を一杯取り込んで、
スライムの体内、乱反射しているものね。
「あ、小鳥だ、ぱくっ」
スライムは鳥も捕食しますわ、
鳥は何度もスライムの中で暴れるけれど、
徐々に体力を失って、グズグズのスープに、
なってしまうから、恐ろしいところね、
かといって白骨化した鳥のサンプルを、
手に入れる時なんかは、非常に役に立つの!
「僕みたいに高度なスライムだと、
酸の濃さを調整することも出来るんだ!
それ溶解液ドバッ!」
丁度、スライムが好物であるゴキブリに向かって、
酸性の液を吐きかけましたわ、当然、ゴキブリは、
全身やけどを負ったのと同じような挙動をします、
丁度、台所のシンクに現れたゴキブリに、
手近にあったお湯を掛けた時を想像してみて、
ゴキブリはひっくり返って足をバタバタさせた後、
カラッと揚がってしまったみたいに、
全部の足を上にして萎縮した形になるから。
「でもゴキブリってお湯を掛けただけでは、
赤くなったりしないんですよねえ、ムシャムシャ」
正直、食性が何でもありのスライムを、
見ていると、ショゴスというのが捕食する動物は、
よほど大物であったりするのかしらね?
まさか人間をいきなり食べたりはしないと思うけれど。
さすがにね、知性のある生命体らしいから。
「あ、ネズミだ、パクっ」
スライムはそこいらの肉食動物の比にならないほど、
軽快に生物を捕食しては、体内の酸でぐじゅぐじゅに、
してしまいますわ、 でも骨は特に必要な栄養では、
無いみたいだから、骨格標本を作る時なんかは、
スライムを使ってあらゆる動物の死体を、
溶かしたりすると細かいところまでよく分かるの、
またスライムが知性を持っていたら、
溶かす部位とそうでない部位を調節できるから、
残したい器官や、臓器なんかも保持できるわね、
もっともショゴスがそういうことに興味を持っているかは、
未知数だから分からないのですけど。
「触手があって粘性の謎の塊だというと、
どこか親近感が湧きますね、ぷるぷる」
「そうね、でも膝に乗せれるほどの、
サイズじゃなさそうだからちょっと残念、
良かったら一体飼ってみてその生態を、
調べてみたくなることうけあいなのに」
「でも、どこか神格視もされてるみたいですし、
そう簡単に持ち運べるものではないのでは?」
「きく話によると、召喚とかも出来るみたいね、
もしショゴスを召喚できたら、
相当な魔力の持ち主として褒め称えられるんじゃ、
ないかしら?」
そもそもそれでSAN値という奴が持つのかという話ですが、
いやはや、知らないことを考えるのは苦労します。
ショゴスと言われて形状が思い浮かばないと、
余計にその狂気度が増しそうで、
ただテケリ・リ、テケリ・リと呟くだけの、
機械になってしまいそうです。
文字数は、4,173文字 と非常に読みやすく、
この手のネタを知らなくても、
なんとなくその雰囲気を感じ取れる、
本編になっていました。
テケリ・リ、てけりり!




