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第032回『雑多』の感想!

 今回は詩です。

詩ってなかなか、

良いものですね。

「詩ですわ」

「詩ですね」



作者:莉猫。

雑多

https://ncode.syosetu.com/n4680ei/



「スライム、

 今回は、

 いろんな詩があるけれど、

 どの詩が一番印象に残った?」


「えっ?

 どれでしょうね?

 では、地球記念日で!」


「わりに適当に選んだ感じね、

 でもそんな感じでも良いとも、 

 思うの」


 きっかけはどうあれ、

詩に触れる時間や機会って、

結構、限られてて、

日常、詩を作ることも少ないから、

ふと、詩ってどんなものだったのか?

忘れてしまうことが多いわ。


「地球記念日は、

 過ぎ去った地球の年月に、

 想いを馳せながらも、

 ちょっとくだけた最後に、

 ほんのり共感できる、

 面白い詩ね」


「ですね、

 ではサルシャ姫は、

 どれが印象に残りましたか?」


「うーん、

 『わたしが一番綺麗に見えるとき』

 かしらね?

 何気に」


「スライムには分からない感覚ですけど、

 楽しかったんですか?」


 スライムはいつも潤っているから、

なかなかに、体験することも少ないでしょうけど。


「スライムも、お風呂には入りますけどね、ぷるぷる」


 人間なら、

感覚的に分かることだもの、

とはいえ魔族的には、

共感してもいいものかしらね?


「種族が違ったら、

 感じることも考えることも、

 詩も何もかもがらりと変わるかしら?」


「どうでしょう?

 サルシャ姫が人間っぽいのは、

 分かりますが」


「そう?」


「でなきゃ人間の詩は分かりませんよ、

 ふつう」


 詩も歌も、

人間に向けて作られたわけで無いにせよ、

自然に傾向は似てくる。

 恋の詩、自然の詩、四季の詩、

文明の詩、思い出の詩、喪失の詩、

どの詩も人間独特の想いがにじみ出てくるとしたら、

魔族はどのように受け取るのが良いの?


「魔王なら姫様ならという、

 役割から離れて、

 人間のように振る舞えば良いのでは?」


「人間のようにね、

 とても難しいことだわ」


 魔族独特の文化形態を伴ったものなら、

当然、理解しがたいことにも出くわす、

それを逐一、噛み砕くために、

用意された情報を整理して、

どれをも評することが出来るように、

理解を示せるように尽くすけれども、

人間に近づくのは容易ではないわ。


「小説なら割と入り込めるのに、

 詩とくると身構えてしまうのは何故かしら?」


「より日常がにじみ出てくるから?

 ですかね?」


「そうね、

 生な感じがするわ、

 得体の知れない生き物を、

 抱きかかえてる感じね」


「ぷるぷる」


「ちょうどスライムを、

 抱きかかえてると、

 調子も伝わりやすいかしら?」


 つかみどころが無くて、

割とドロリとすぐ形を変える、

色んな色を持っているけれど、

ことごとく青く、澄んでいる。

そしてちょっと酸っぱいニオイがする。


「自分で言うのも何ですけど、

 そんなに掴みどころが無いものですか?」


「そうね、

 詩とスライムは似てるわ、

 これは魔族的な共感で、

 とても魔族詩的だと思うのだけど、

 どうかしら?」


「どうなんでしょう?」


 魔族に詩の文化を求めるよりも、

死の文化を求める方が気楽なのは分かりやすい、

詩にも破滅的な言葉があると反応を示すし、

皆、割に破壊に餓えているから、

自然、自然と凶暴になるわけなのだけど。


「詩って鎮静化するものが多いのよね、

 静けさとか儚さとか、甘酸っぱさ?

 そういうものに魅力を見出せる、

 魔族は結構に稀だと思うわ」


「稀なスライムですよ!ぷるぷる!」


 日常的に凶暴な連中を相手どって、

物事を考えていると、こうして、

詩に触れあっていること自体、

稀なことで、繊細な描写に、

はっとすることが多いのだけど。

 でも割と、馴染みやすい感覚はあって。


「特に、悪意や憎悪、

 そういった感覚は、

 割と掴みやすくて、

 キャッチーなのが魅力ね」


「そうですか?

 日常の風景とかも魅力では?」


「でも、そんな日常で、

 抱えることがある人間の苦悩って、

 結構、闇が深いと想えるのよね」


 綺麗なものを見ててキレイと、

言えるのは素直さからだとしても。

 どこか曇ってしまった感情から、

吐き出される詩は、心に迫るものがあって、

読んでいて満たされる部分があるの。


「スライムには分からないかもしれないけどね」


「それは差別なのでは?」








 感想は多々湧き出してきますが、

とにかく誰かの日常でふつふつと湧き出してくる、

詩に触れるのは良い機会でした。


 文字数は、 53,093文字 ですが、

想いを馳せる時間が結構あって、

想像以上の体験だったのは確かです。


 時間、あっという間。

 共感の仕方ですが、

魔族なら、スライムで例えると、

どんな出来事も、うまく躱せると思うのです。

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