第020回『ガラスドームの標本たち』の感想!
描写が綺麗で、
印象に残る、
どこか謎の多い作品です。
「なんだかふわふわした気分になったわ」
「これもハッピーになる粉の効力でしょうか?」
作者:黒イ卵
ガラスドームの標本たち
https://ncode.syosetu.com/n1698fa/
「この作品は、
主人公たちが、
巨大なガラスドームの中に閉じ込められて、
魔女ステラミラの標本として、
生きるという、
なんだか不思議なお話しよ」
「すごく淡々としてるんですが、
かなり混乱しますよね」
「そうね、
読んでいて続きが気になるというより、
数多くの疑問符が湧いてくるといった、
感じで、読み進めるのにこの、
疑問符を解いてくれる存在もなくて、
謎が飽和状態のガラスドームなのよ」
ガラスドームのイメージは、
中に玩具のスノードームかしら?
雪を扮した粉が中に入ってる、
密閉されたガラス製のドームで、
ひっくり返して元になおすと、
ガラス球の中に、
雪が降ってる様が楽しめるの。
「主人公は職場から3キロの区切られた世界に、
閉じ込められてしまっている、
というより、標本をしまっておくための、
複製世界に囚われてるといったほうが、
いいのかしらね?」
「ぷるぷる、なかなか怖い設定ですよね」
「当然、魔女ステラミラは、
外から彼女からして小さな、
ガラスドームの中をみつめてくるわ、
そして対象に標本名をつけて、
契約を行うの」
「ここで、標本として過ごせば、
願い事がかなう、っていうのは、
どこか転生ものに似てる気がしますね」
「どんな着想から、
この物語が生まれたのかは謎だけど、
とにかく日常の生活の描写がなされて、
そして今よりもちょっと未来の話が、
されてる様子はまだまだ謎があって、
多く残された疑問符に答えが、
出るのか非常に気になる所よ」
でも想像してみて?
自分が観察対象として選ばれて、
区切られた空間はガラスドーム、
外から眺める巨大な眼は、
謎の魔道士のもので、
とにかく青く印象深い、
「それでいて主人公は鉱石マニアだから、
魔道士ステラミラの魔法道具の、
鉱石にも興味が向かうんですよね」
「ええ、
だけど考察する要素が多すぎて、
はやくも読んでてパンク状態よ、
もう少し情報がスッキリされてると、
読みやすいのだけど、
読んでいて混乱しちゃって」
「でも使い魔の猫シャキーラの、
ハッピーな粉のせいで、
みんな幸福感につつまれちゃう」
「そうね、
契約時には精神状態が、
末期のような落涙溢れ、
鼻水も流していた主人公が、
今はただ日常を咀嚼し、
魔女の瞳に心を奪われてるだなんて、
どこから読んでも、
つかみどころが無くて、
ふわふわしてしまうわ」
「物語が普通の筋をしてないから、
ですかね?」
「そうね、見どころや、
これがしたい! っていう、
目的がまだ見えてこない感じで、
主人公世界のことと、
ステラミラの秘めてる謎の事が、
並行して進んでいくから、
どうしてもペースが二分三分されて、
地道に読み進めていくしかないのが、
いじらしいわ」
「今後、もうちょっと情報が、
整理されていって、
ストンと落ちてくれると、
嬉しい限りなんですが」
「それは今後の課題ね、
この作品で、
本当に見せたいものが、
なんなのか、
そこまでたどり着かなければ、
まだまだ読んだって、
言えない気分だわ」
「ぷるぷるぷる」
感想はこの位ですが、
謎が多く、不完全な世界の中で、
過ごす主人公達は標本、
どんな未来が待ってるかは、
ちょっと悲惨な予感も含みつつ。
文字数は 38,151文字 程の頃で、
まだ読んでても軽いほうに部類されますが、
謎の量に関しては、
ちょっと分厚い本を読んでいる気分でした。
ガラスドームと言われると、
輝いて綺麗な気がしますね。




