四十話
「坊主、名前はユウマといったか?」
見張りのために入り口に来てすぐ、バイトから声を掛けられた。見張りの最中の暇つぶしだろう。
「ああ、そうだけど」
「そうか、英雄の名を付けてもらえるとは両親に期待されていたのだな」
「そうかな」
もう両親が他界してから随分とたつが、流石に英雄の名を付けたつもりは無かったと思うな。
「なんだ、違うのか? となると、両親が英雄教徒なのか?」
「いや、それはないだろう。英雄教では子供に英雄の名を付けることを禁じているはずだ」
「そうだったな。なら英雄ファンか。勇者ヤシオを尊敬する奴は多いからな。この辺りじゃ特に」
バイトは一人で勝手に納得したようだ。
そんなことより、バイトとカイロの二人がおかしな名前を出してなかったか?
「英雄教っていうのは勇者ヤシオに対する宗教か?」
「なんだ? 英雄教を知らないのか? この街にいて英雄教を知らないなんて珍しいな」
「ここに来たのは結構最近だからな」
封印が解けてから考えればこの街に来てから一ヶ月もたっていない。
「それにしても英雄の名を付けられているのに英雄教を知らないなんてことがあるのか?」
「バイト、あまり詮索するな。英雄の名を付けられた子供は色々苦労するらしいからな、そういったものを避ける者が多いと聞いたことがある」
俺の名前は国にとっての爆弾どころか、一般でも地雷扱いされているという衝撃の事実が発覚してしまった。
泣きたい。
まぁ、この勘違いは都合がいいけど。詮索されたら面倒なのは確かだし。
「そうか、英雄の名を持つというのも大変なんだな」
「ただ、この街にいて英雄教を知らないと不便なのも確かだからな。いくらか話してやった方がいいかも知れん」
「そうだな。情報ってのは持っといて損は無いもんだ」
バイトから聞いた限りでは、英雄教は勇者ヤシオ、つまり俺を祀ってる宗教ってことで間違いないとのことだった。
勇者ヤシオは神に遣わされた神の子であり、救いの象徴だとか、守ってくれる存在だとか言われているんだとか。
あとは、英雄教の中にはちょっと過激な考え方をする者がいるらしく、過激派曰く『勇者が遣わされたのは神の意志なのだから、その勇者に救われた我々人間は神に選ばれた存在』らしい。その主張から過激派には他種族排斥主義者が多く、500年前の大戦で敵だった魔族と魔族側についていたダークエルフやドワーフなどは勿論のこと、中立の立場を表明しているエルフや獣人をも毛嫌いしているようだ。
「そんな奴らがいるんじゃギルド長は大変そうだな」
「過激派の奴らはそこまで多くないからそうでもないんじゃないか?」
「いや、就任当初は色々妨害を受けたって話を聞いたことがある」
「就任の時って……何年前の話だ? 俺が冒険者始めた頃からギルド長だったぞあの人」
「バイト、ギルド長の前でその話するなよ?」
英雄教の話だったはずがいつの間にかマリアナの年齢偽証疑惑にシフトしてしまったので話から離脱する。女性の年齢の話ってのは避けるのが定石。触らぬ神になんとやらだ。
それにしても英雄教とその過激派ねぇ、宗教ってのにはいいイメージがないんだよなぁ。人の名前を使って自分勝手な主義主張をばら撒かないでもらいたいもんだ。
というか、俺がいつ神の使いになったんだよ。どちらかというと精霊の使いだろ。チャーセに選ばれてこの世界に来たんだから。スキルにも精霊の加護とかあるし。……いや、そんなことはどうでもいいか。スキルで行ったら神々との交信もあるしな。
それよりも、そんな奴らがいるんじゃますます正体がバレないようにしないといけないな。バレたら確実に面倒事に巻き込まれる。関わらないようにしないと。
(英雄様は大変じゃの)
(笑うなよ、もし何かあったらお前だって巻き込まれるんだからな)
(その時は厄介者をまとめて消し去ってやろうじゃないか)
(馬鹿言え。そんなことしたらもっと面倒なことになるだろ)
脳筋魔王様はあまりあてにできないからな。やっぱり面倒事になりそうな事は避けておいて損はないだろう。
(失礼な奴じゃな。これでも以前は知将と言われたおったのじゃぞ?)
(はいはい、何でもかんでも力で解決する考えを直してから言ってね)
その後はジェレーナとも多少話をしながら見張りを続け、特に問題も起こらずに俺達の番は終わった。エルの探索魔法で確認した限りでは、魔物達はこの部屋を避けて動いていて、なかなか不思議な感覚だったが、まぁ此処は安全だと考えていいだろう。
見張りを終えて次の担当の者達と交代し、俺達は眠りについた。
翌朝、偵察に来ているメンバーが起きて部屋の入り口に集合する。
「今回は偵察が任務だ。既に探索済みの十階層までで終わるわけにはいかねぇが、無理をすることもねぇ。いくつか降りて大体の状況が確認できたら戻る」
集合してすぐにガダルからそんな提案があった。この下が何階層あるかわからないし、数階降りてミノタウロスがどの程度いるのか確認できたら戻るんだそうだ。
盗賊パーティーの奴らからはもう少し下まで行きたいという意見が出たが、低ランクを連れたまま潜りつつけるのは厳しいし、より下に潜りたければ迷宮が公開された後に潜ればいいと言われて渋々納得していた。獣の咆哮のメンバーはやはり低ランクを気にしてか文句は出ず、むしろ賛成している。
「編成は昨日と同じだ。Bランクが交代で前に出ろ。十二階層あたりで編成を変えて俺が前に出る。自分で言うのもなんだが、上のランクの動きを見んのも少しは勉強になんだろ」
俺の探索魔法によれば十三階層からスモールゴーレムがゴーレムに変わるみたいだから、それが正解だな。
ゴーレムの強さ的にはBランクパーティーでも対処できるだろうけど、スモールと同じように壁に擬態しての不意打ちがあったりしたら対処できないかも知れない。
「ミノタウロスが階層主だったんならそんなに危険はねぇんだが、まだそうと決まったわけじゃねぇ。ミノタウロス以上のやつが出て来るかも知れねぇからな、てめぇらも気を抜くんじゃねぇぞ」
ガダルの言葉に他の者達の顔が引き締まり、そのまま今日の探索が開始する。
そうして気合いを入れ直して探索を始めたものの、しばらく進んでも昨日以来ミノタウロスが出て来ていない。今もBランクのパーティー達が戦っているのはスモールゴーレムだ。ミノタウロスが出て来る気配もない。
(なんか変じゃないか? この下を確認したからミノタウロスが階層主じゃないことはわかってるのに、この階層でミノタウロスが全く出て来ないなんて)
(そうじゃな、妾の探索魔法にもかからんし……これはちとまずいかも知れんな)
(どういうことだ?)
暇を持て余してエルとの脳内会話を始めていたのだが、エルにはこの状況に心当たりがあるらしい。
(もしかするとこの先に強敵がおるかも知れん)
(強敵?)
(うむ、妾としては望むところなんじゃが、こやつらにはちとキツいかも知れんな)
そう言ってエルが視線を移したのは、今もスモールゴーレムと戦っているBランクパーティーの面々と、経験を積もうと彼らと一緒に戦っているCランクの茜色の渓谷の面々。
茜色の渓谷はわかるけどBランクの奴らもなのか?
(そうと決まったわけではないが、妾の想像通りだとしたらあやつらも危ないの)
(それってBプラス以上の魔物が出るってことだろ?)
(そうじゃな)
魔物の討伐ランクでBプラスと言えばBランクパーティーが数組いて対応できる程度の強さだ。確かに、そのランクの魔物が出て来たら茜色の渓谷だけでなくBランクパーティーの面々も危ないけど……。
(つってもな、この下には魔物の大きな変化はなかったし……本当に階層主がいるってのか?)
(いや、そうではない。かなり珍しいことなのじゃが、500年前にも確認されておった現象でな、魔物が魔核を……ん? おお、妾の予想が当たったようじゃぞ。ゴーレム供とは違った動きをしとる魔物がおる)
話をしているうちに探索魔法に反応があったらしい。
ただ、ゴーレムと違う動きって言われてもな。
(ミノタウロスじゃないのか?)
(妾の探索魔法じゃ詳しくは分からんからその可能性も無いではないんじゃが、ここまでミノタウロスが全く出てこん状況では妾の想像通りの魔物じゃと思うぞ)
(その想像ってのは何なんだよ)
(それは見ればわかる。それよりもガダルに警告しておいた方が良いと思うぞ)
さっきは説明してくれる感じだったのにそんな言われ方したら気になるだろ。まぁ、エルの予想通りの強さの魔物がいるのだとしたらガダルに警告しておいた方がいいのは確かだけどさ。
しかし、どう説明したものか。ガダルには魔法のことは伝えてないし。
……適当でいいか。
「ガダル、ちょっといいか?」
「なんだ? いくらお前らでも低ランクを前には出せねぇぞ? 他の奴らに説明できねぇからな」
どういう返答だそれは。
「誰も前に出たいなんて言ってないだろ」
「お前らがずっと暇そうにしてるからそうじゃねぇかと思っただけだ。そうじゃねぇならあからさまに気を抜くんじゃねぇよ」
そんなに気を抜いてるように見えてたのか。もしかしてガダルが事ある毎に『気を抜くな』って言ってたのは俺たちに向けてのことだったんだろうか?
まぁいいや。
「そんなことはどうでもいいんだけどな、どうやらこの先にBプラス以上の魔物がいるみたいだから注意した方がいいって言っとこうと思ってな」
「どういうことだ? なんだってそんなことが分かんだよ」
「説明するのが面倒だから簡単に言うと、俺達は探索とかそういうことが得意なんだよ」
「適当すぎねぇか? まぁ、ジェレーナとかいう奴はダークエルフみてぇだからなんか魔法でも使ったんだろうが」
意外にもジェレーナの存在が説得材料になった。
そういや、エルフと同じくダークエルフも長寿な種族だからな。魔法が使える者がまだ結構いて、それがそこそこ知られてるってことだろう。現にジェレーナは探索魔法を使ってたわけだし。
「ま、そんなとこだ。絶対じゃないけど、警戒しておいた方がいいと思う」
「その魔物とやる時はお前らもやんのか? Bプラス以上っつうことはAを超えるってこともあんだろ?」
「エルはやりたがると思うけどな。他の奴らに見られないようにできるかだな」
「Aマイナスまでならなんとかなるとは思うけどよ、そうなると俺だけじゃあいつらを守れねぇぞ」
「守るのはこっちでやるよ。というか、Aマイナス以上だったら逃げた方がいいんじゃないか?」
「逃げられりゃそうするけどよ、逃げられない可能性もあんだろ。確認をしねぇわけにもいかねぇしな」
案外律儀な奴だな。
Aランク冒険者で適当すぎたらそれはそれで驚きだけど。
「いざとなったら俺らも参加するし、じゃなくても守るだけなら問題はないから気にしなくていい」
「わかった」
正直、エルがどんな魔物が出ると思ってるのか話してくれないから脅威度もわからないんだよね。
いっそのこと全員眠らせてから防壁でもかけて俺達だけで処理しに行っちゃおうか。みんなが起きたあとの説明が難しいけど、罠にかかったとか適当に言って。
ん? これは意外と名案じゃないか?
適当な小部屋に誘導して、部屋の中に入ったところで眠らせてしまえば罠にかかったってのにも説得力が出るし。
安全地帯はそうないけど、防壁魔法を使ったうえでジェレーナにでも見張らせておけば危険もなさそうだ。エルに頼んで探索魔法で使えそうな部屋を探してみてもらうか。
俺はガダルとの話を切り上げ、エル達のもとへと戻ってすぐに思いついた案を話してみた。
すると、都合良く近くに使えそうな小部屋があるらしい。
「ま、せっかくの大物みたいだし、何もしないってのは勿体ないよな」
「封印から出てきてからというもの、大した相手もおらず体が鈍ってしまうところじゃったからの。体をほぐすにはちょうど良かろう。
ジェレーナは他の者達の子守を頼むぞ」
「わかりました。お任せください」
体をほぐすのに丁度いいくらいの魔物なのか。
魔王が体をほぐすのに丁度いいくらいってのが、実際にどの程度なのかいまいちピンと来ないけど。いい加減、何がいるのか教えてくれないかな。
他の冒険者達をエルが見つけた小部屋に誘導するのはさほど難しくなかった。小部屋の方向を魔物への道順と偽ってこっそりガダルに伝えるだけで良かったからだ。今回の参加者の中で最高ランクかつ指揮取りをしている彼が方向を示してくれれば、自ずとそちらへと足が向く。
道順をこっそり伝えた後はただただ他の者達に付いて行き、目的の場所に着いたところで全員に睡眠魔法を使って眠らせて、彼らの周りに防壁魔法をかける。
「よし、じゃあ魔物退治に行くか」
「此奴らに幻惑魔法をかけておいたらどうじゃ。罠で眠らされておったというよりも、それらしい内容を見せておいた方が納得させやすいのではないか?」
「確かにそうだな。このまま進んで、魔物と対峙した後におびき寄せながら戻ってきて、ここで倒したみたいな流れでも見せるか。探索魔法を使って、この先にいるっていう魔物の正体を確認した方がちゃんとした内容を見せられるけど、それじゃつまらないんだろ?」
「わかっとるではないか。正体がわからん方が冒険らしくて良かろう?」
エルの意見もわからないでもない。
いや、むしろすごくわかる。今回はエルの探索魔法で件の魔物以外の部分については安全が確認できてるしな。
ここまで手応えの無い戦闘が多かったこともあって暇だったから、冒険気分を味わいたいという気持ちは俺にもある。エルは消化不良気味だっただろうし。
「ならやっぱり魔物を探しに行く内容だな。魔物の正体を見た後にそれらしい内容にすればいいし」
「さっさとかけてしまえ。魔物を探しに行かんといかんからな!」
テンション高いな。そんなにその魔物と戦いたいのか?
「戦闘したいというのは確かじゃが、それ以上に見てみたい。予想通りだとしたら本当に珍しいことなんじゃ」
500年前の魔族軍は迷宮を探したりもしてたらしいのにここまで言うってことは相当なことなんだな。
そこまで言われたら俺も早く見てみたくなってきたな。
「なら魔王様のお言葉通りさっさと魔法かけて行くか」
——〈幻惑〉
俺は睡眠魔法で眠らせた冒険者達に幻惑魔法をかけ直し、エルと共に小部屋を出てから部屋全体に防壁魔法を張る。これでこの部屋に魔物が入ってくることはないだろう。
「ジェレーナ、ここは頼んだぞ。スモールゴーレム程度ならば出てきても大丈夫じゃろ」
「仮にミノタウロスが来たとしても問題ありません」
「よし! じゃあ行くとするのじゃ!」
なんか、さらっと言ってたけど、ミノタウロスが来ても問題ないってAランク相当の実力があるってことじゃないか?
魔王の親衛隊ともなるとそんなもんなんかな。五番隊の隊長さんとは大違いだ。
まぁ、いいか。もし彼女が裏切っても魔力量的に防壁魔法は壊せないだろ。
念のために土の牢獄で囲って二重封印を掛けておいたし。普段俺が使うときは切ってるお知らせ機能を今回は起動済みで。
このお知らせ機能ってのは、俺が封印の地で見落としたせいで冒険者ギルドやらに封印を解いたのがバレたやつだ。これがあれば、土の牢獄が壊されたりした時点で封印が解かれたことが伝わる。
ジェレーナと別れ、俺はエルの案内で迷宮を進んでいく。目的の魔物は十一階層へと降りる道の前にいるらしい。
「次の階層前にいるって階層主っぽいな」
「もし階層主じゃったとすれば面倒なことになるぞ。妾の考えておる状況の方がましじゃ。この迷宮を利用しようとしている者達にとってはの」
「よくわからないな。それも見れば意味がわかるのか?」
「そうとも言えんが……まぁ、倒してみればわかるといったところかの」
「ますますわからん」
どうしても魔物の正体を教える気がないらしいエルと話しながらも先へと進む。
道中ではスモールゴーレムに襲われたが、他の冒険者達がいなくなって手加減をする必要がなくなり、更に魔法が解禁された俺達がスモールゴーレム程度に苦戦することはない。
エルがお得意の黒炎を槍状に変化させて動力源を貫き、俺も岩石弾という石を弾丸のように打ち出す魔法や、雷槍というエルの黒炎槍の雷バージョンみたいな魔法なんかを試しながらゴーレムを倒していく。
「お主には不得意属性というものがないのじゃな」
「不得意属性?」
「普通は魔法を使うにも得意な属性、不得意な属性というものがあるものじゃ。妾の得意属性は見ての通り火属性系じゃな。
不得意魔法では強力な魔法が使えんことが多い。つまり不得意属性の対魔法に対する対抗魔法が使えんことになる。得意属性はその者の長所となり、不得意属性は弱点となるわけじゃな。
場合によっては不得意属性は一切使えんという者もおるぞ」
『妾も不得意属性は無いがな!』と付け加えたエルの自慢だか教鞭だかわからない話を聞きながらもゴーレムを一掃し、目的地へと歩を進める。
ちなみに、対抗魔法というのは読んで字の如く相手の魔法に対抗するために使う魔法で、要は『火の魔法を使われたから水の魔法で対抗して消してやる』ということだ。しかし、相手の魔法に対して自分の魔法が弱過ぎればいくら反属性でも競り負けてしまう。火炎放射器に玩具の水鉄砲では対抗し得ないように。
不得意魔法の対になる魔法を使われると対抗するための魔法が碌に使えず、不利になってしまうということだ。
ただし、逆もまた然りで、水の魔法を使われても、それに競り勝てる程の威力を持った火の魔法であれば押し勝つことができる。故に、得意属性を極めるというのも悪いことではない。反属性すら押し返せる程の威力の魔法が使えればいいのだ。
得手不得手が影響するのは、魔力の低い者同士か、小さな差が大きな結果に繋がるような強者同士で争った場合に限ってくるらしい。
「お主の場合は殆どの魔法に対抗魔法が使えて、威力でも上回れるの」
「その辺は神様の魔法知識に感謝だな。多分俺に不得意属性とかいうのがないのはあれのおかげだろ」
「かも知れんな。
……お、目的の魔物はこの先じゃぞ」
エルの言葉で先を見てみると、どうやら部屋になった場所があるらしい。
俺達より前に入った人達が設置した光源が無くなってからここまでの道中はずっと暗く、他の冒険者達がいる時はギルドで支給されたランタンのような物を持っていたし、今も光玉の魔法で照らしながら進んでいた。
しかし、これまで見てきた場所でもなぜか部屋のような広さのある場所だけ天井が光源となっていて、ランタンも光玉魔法も使わなくていいくらいに照らされていた。
この先からもそれらしい光が漏れているので、多分部屋のような場所があるのだろうということがわかる。
「やっと正体がわかるのか」
「早速行くとするかの」
そう言って早足で進むエルを追って魔物がいるらしい部屋へと進むと……。
そこには全身が鋼のような筋肉に覆われた黒いミノタウロスが待ち構えていた。




