三十八話
会議室の扉で固まっていたガダルだったが、冒険者ギルドのギルド長であるマリアナが現れたことでどうにか動けるようになり、今は俺達の対面の席に座っている。
マリアナは俺達が早く来ることを予想して、説明のために他の冒険者達が来る前に来てくれたらしい。
初めは、この時間にガダルが居ることに驚いていたが、俺達とガダルは既に見知っているどころかちょっとした揉め事も起こしている。初めて会うわけでもないのなら、このままガダルもいた方が手っ取り早いという結論に至ったようで、彼を再起動させて会議室内に入らせていた。
「ま、なぜガダルが固まってたのかは分からないけど、数日前にあなた達が騒ぎを起こしていた事は聞いているわ。
ガダル、今回の依頼にはユウマ達も参加するからそのつもりでいてちょうだい。間違ってもまた喧嘩しようなんて考えないようにね」
「いや、俺はもうこの仕事は……」
「あなたはAランクなんだから分かっているでしょうけど、一度受けたギルドからの依頼を相応の理由もなく破棄するのはあまり得策ではないわよ?」
「それは……」
「彼らは何もしていない相手に噛みつくような人達じゃ無いから安心しなさい」
口調のせいかわからないが、マリアナに説得されているガダルという風景が母親と子供みたいだな。子供にしちゃがたいが良すぎるけど。
「まぁ、ユウマもちとやり過ぎておったしな。同じ依頼を受けるもの同士、先日の件は水に流そうでは無いか」
「水に……」
「そういうのってこっちから言うものでも無いだろ。ガダルからすれば俺らは加害者なんだから。彼が可哀想じゃないか」
「かわいそ……」
「しかしな、このままの状態で迷宮に行くわけにもいかんじゃろ。ユウマが責任をとって一発殴られておくか?」
「いやだよ。このあいだの件はあっちにも非があるだろ。それに、身体的なダメージは与えてないぞ」
「……いや、もういい。最初は俺がお前らの担当受付に絡んでたのがきっかけだったしな。いや、喧嘩を売ってきたのはそっちだったとは思うが、確かに俺も悪かった。水に流すってのがどういう意味かわからんが、お互いに忘れちまおうってことだろ?」
「まぁ、水に流すようになかったことにしようって意味だから間違ってないな」
「それでいい。確かに、ギルドからの直接依頼を断るってのはあまりいいことじゃねぇし、俺もEランクに負けたなんてことは忘れてぇと思ってたところだったからな」
ガダルは心底疲れましたって顔でエルの提案を受け入れ、前回の件は無かったことになった。俺達が喧嘩したって噂は既にだいぶ広まっているようだが、俺とガダルが仲良くしてる場面を見ればそのうち収まるだろうから、彼にとっても悪い話じゃ無い筈だ。
「それじゃ、この話はここでお終いってことで。今日の迷宮偵察について確認するわよ」
マリアナが話を適当にまとめ、俺達が彼女へと視線を移したところで、話の本題へと入ろうとする。
「と、その前に、ユウマ達の後ろに立っているのは誰?」
彼女が指差した先にいるのはジェレーナだ。初代魔王様と並んで座るなんてとかなんとか言って椅子に座らず、今はエルの後ろに立っている。
格好は普通の斥候で、顔の下半分を布で覆っている。斥候はパーティーの探索役を担うことが多いので罠等の毒性のある煙対策としてマスクをしている者が多く、前世だと不審者丸出しのこんな格好でも違和感を感じる者は少ないだろう。
「名前はジェレーナで、今回の依頼に同行する。冒険者登録はしてないし、するつもりもないと思う」
「そう。ダークエルフなんて珍しい種族に会ったわ。こっちじゃ私みたいなエルフだって珍しいのに」
あまり詳しく聞いてくるつもりは無いみたいだ。
まぁ、エルが魔王だったってことと、ダークエルフが魔族側だってことを併せて考えればある程度の想像はつくか。
エルフとダークエルフって種族的には同じってイメージだけど、あまり会わないってことは仲が悪いとかかな?
(前にも言ったが、ダークエルフは魔族側の種族で、エルフは魔族側ではない。人族の側とも言えんから中立といったところじゃな。所属が違うと住んどる地域も全く違うからの、そうそう会わんのじゃろ)
なるほどな。それに加えて、どちらも人間の国に出てくることが少ないから更に驚きってとこか。
(なんか、ダークエルフがそんなに珍しいってなると目立ちそうだな)
(かも知れんな)
前世でファンタジー好きな医者の先生から聞いた話でも、『いい女連れてんじゃねぇか』とか、『異種族なんて汚らわしい』とか、色々なお決まりパターンがあるみたいだからな。実際、現実でもそんな話がないわけでもないし。
面倒事は嫌なんだけどな。
その後は滞りなく今日の迷宮についての話しを進めてゆき、そろそろ他の冒険者達が来る頃というところで一旦休憩することになった。
あとは他の奴らが来たら、動きの確認やらなんやら細かいところを詰めるだけだ。
「ま、こんなところね。何か聞きたいこととかある?」
「俺達は特に問題はない」
「俺も問題はねぇな」
「そう、それなら一先ず終わりね。
ガダル、ユウマ達は訳あってEランクで登録しているけど実力あるわ。まぁそれは自身がよく分かってるでしょうけど。
今回の件で彼らに依頼しているのは保険よ。だから、とにかく安全第一で動いてちょうだいね。経験を積ませるつもりが若手を失った、なんてことになってしまっては意味がないもの」
「他の奴らにはどう説明するんだ? 俺は実際に喧嘩して強ぇのは知ってるが、他の奴らは知らねぇだろ。ミノタウロスん時は隠れてりゃいいかも知れねぇけど、なんかあった時に俺じゃ対応できねぇかも知れねぇぞ」
「その為の保険よ。ユウマ達なら仮にドラゴンが出てきたとしてと対応できるわ……多分」
「ドラゴンって……しかも多分かよ」
ドラゴンか、ファンタジーだな。見てみたい気もするな。あの迷宮にはいないだろうけど。
(ドラゴンという奴らは基本的に保有魔力が高いうえに、魔力感知能力も高いからの。もしあそこにおればユウマの索敵魔法に反応しとるじゃろ。あるとすれば主じゃな)
(じゃあ、戦うことはなさそうだな)
(そうなるな)
迷宮の主は倒しちゃいけないらしいからな。何かあったらまずいから、見に行くだけって訳にもいかないだろう。
「今回は偵察なのだからそんなに無理をすることはないわ。いざとなったら逃げてくればいいのよ。その状況ならユウマ達がいれば十分だと思うわ」
「まぁ、ギルド長がそこまで言うんなら大丈夫なんだろうけどよ」
「危なそうな時は妾達が守ってやる。安心して良いぞ」
「あまり安請け合いしないで欲しいんだが」
「他の冒険者を守りながらドラゴンと戦うとなれば苦労するじゃろうが、逃げるだけなら特に問題はなかろう。ユウマだけならただのドラゴン程度に負けることはないじゃろうしの」
「ドラゴン程度か……最弱のグレードラゴンでも討伐ランクA なんだがな。お前らはなんなんだ? 本当に人間か?」
「そのことを公開するつもりはないわ。ガダルもあまり詮索しないでちょうだい。ジェレーナについては私もわからないしね」
ガダルの人間かという言葉に少しだけ反応していたジェレーナを尻目に、マリアナが釘をさすようにガダルへと告げる。
ヤシオユウマという存在は、知らぬ間に国家機密レベルの爆弾みたいな扱いになってるらしいからな。知らない方がいいことってのは結構あるもんだ。
それに、俺以外は所謂『人族』ではないのも事実だし。そんなこと知ってもいい事はないだろう。
そんな話をしているうちに一緒に迷宮偵察に行く他の冒険者達が集まり始めた。
会議室に集まった冒険者は当初の予定通りBランクのパーティーが二組と、Cランクのパーティーが一組。Cランクのパーティーは見覚えがある。
「やあ、バライス山で会って以来だな。改めて自己紹介しておこう。俺はスクライム。Cランクパーティー茜色の渓谷のリーダーをやってる。メンバーは戦士のローベル、斥候のマロイド、魔術師のカリナだ。今日はよろしくな」
「ああ、よろしく。俺はユウマでこっちはエル、んで、彼女はジェレーナだ。ジェレーナも斥候だな」
見た目は。
詳しく聞いてないけど格好からして斥候ってことでいいだろう。ジェレーナも文句は言ってこないし。
「パーティー登録はしてないからパーティー名とかはないな。最近冒険者登録したばかりなんだ」
「前回にしてもそうだけど、今回だって登録したばかりのEランクが呼ばれる内容じゃないんだけどな。ギルドから相当期待されてるんだな」
「どうなんだろうな。便利に使われてるような気がしてならないんだけど」
「ギルドが便利使いできる冒険者ってだけでも普通じゃないんだけどな」
スクライムと談笑していると、他のパーティーが声を掛けに来る。
「よお、お前達が今回参加するEランク冒険者って奴らか。俺はBランクパーティー獣の咆哮のリーダーをやっているバイトだ。今回は俺達が守ってやるからな、しっかり経験を積めよ」
そう言って俺の肩をバシバシと叩いてきた正社員になれなそうな名前の彼は、身長二メートル程もある大男で、見た目は冒険者というより騎士だ。重そうな甲冑をガシャガシャと鳴らし、背には大剣を背負っている。
冒険者は色々な場所に行く職業なので、出来るだけ軽装をしているのが普通であり、彼の格好はなかなか珍しい。
「俺はユウマで、隣からエルとジェレーナだ。よろしく」
「おう、よろしくな」
軽い挨拶を済ませ、バイトはパーティーメンバーの元へと戻っていった。彼のパーティー獣の咆哮は見た感じ戦士二人に斥候と弓使いが一人ずつ、あとは魔法使いって感じの男性が一人いるけど、多分魔術師だろう。
もう一組のBランクパーティーはガダルのところに行っている。
今回の依頼が貼り出されていた時にガダルがいるならって言ってた連中の一部だろう。ガダルと一緒に迷宮へ行けることがかなり嬉しそうだ。親鳥に群がる雛鳥のようにガダルに話しかけている。
彼らの見た目は……なんていうか、全員盗賊みたいだな。装備からして武闘家二人に戦士二人。回復役がいないみたいだが大丈夫なのだろうか。戦士の片方が一応盾を持ってはいるが、あまり防御力の低そうな丸盾で全体的に攻撃特化。それでもBランクパーティーなのだから実力はあるはずだ。
彼らにも一応軽い挨拶をしておいたが、あまりいい反応ではなかった。ガダルと喧嘩して俺が勝ったという噂が気に食わないんだろう。
ガダルがちょっと焦った感じだったが、俺は気にせずに彼らから離れた。一緒に依頼を受けて問題が起こったら、この中で最もランクが高いガダルが困るんだし、何かあったら彼が止めてくれる。多分。
その後は迷宮内で各自どのように動くかを話し合って会議は終了。昼食をとってから迷宮へと向かうことになった。
俺達はゴブリンやコボルトがメインで出てくる六階層までは先頭で進む。その後は様子を見ながら後ろに下がり、ミノタウロスが確認された十階層に着いたら、茜色の渓谷の人達と固まって最後尾から二番目の位置に居るようにしておけばいいらしい。
ミノタウロスが出る階層の前で帰した方がいいという意見も出たが、マリアナに却下された。建前上は『低ランクにもミノタウロスを見せておきたい。そのためにAランクのガダルを雇っている』と言っていたが、まぁ、俺達がいるから大丈夫ってことだろう。
結局、俺達低ランクを守りながら進んで行ってミノタウロスが出たら隠れて見学することになり、俺達が後ろから二番目という形でまとまった。
「それにしても、今回は簡単な仕事じゃな」
「あー……」
「なんじゃ? 簡単じゃろ、十階層までは大した魔物も出んし、いざとなれば戻ってきても良いというのじゃからな」
「いや、そうじゃなくてな。前世の話でそういう言葉はフラグって呼ばれてるらしいんだよ。
詳しくは知らんけど、何らかの行動を取るときに楽観視するような話をすると良くない事が起きるとか」
「それはそれで面白そうではないか。簡単すぎてもつまらんじゃろ」
「まぁ、最近はフラグを覆すフラグブレイカーとかっていうのもあってかなりゴチャゴチャしてるとも言ってたけど」
俺達はギルドに併設された食堂で昼食を食べている。
迷宮に入るのは、前世は勿論だがこっちに来てから考えても初めてだから楽しみだな。
「出てくる魔物はそう変わらんがな。
階層毎に出てくる魔物がある程度決まっておるのがなかなか不思議じゃが、そんなこと言ってもお主はピンと来まい」
「あまり夢を壊さないで欲しいんだけど」
「迷宮に入ってからがっかりするよりは良かろう。恐らく、今回の迷宮は最初に見たあの洞窟のような見た目が続くだけじゃぞ。
今回の迷宮の規模では望めんが、迷宮内に森があるという迷宮もあるらしい。そのうち迷宮都市にでも行ってみるか?」
「そうだな、迷宮都市だけでなくいろんな場所に観光しに行くか。せっかく召喚されたのにこっちの世界を全然見られないうちに封印されちゃったからな」
まだ見ぬ異世界に心躍らせながら食事を終え、集合場所の南門へと向かう。
俺達が門の前に着いた頃にちょうど他の冒険者達も集まってきていた。
全員が揃ったところでガダルが声をあげる。
「揃ったな。さっきも話したが今回は俺が指揮をとるが、何かあった時はある程度各自で判断しろよ。経験を積ませんのが目的だって話だからな。何でもかんでも俺とBランクの奴らで済ませちまったら意味がなぇ」
Cランクパーティーの茜色の渓谷を見ながらそう言い、次にBランクパーティーに向かって言葉を続ける。
「分かっちゃいると思うがBランクの奴らも油断はすんじゃねぇぞ。ミノタウロスは一体でBランク、つまりBランクパーティー相当だからな。二体以上同時に出て来たりしたら結構危ねぇ。このメンバーじゃ三体が限度だろうよ。四体以上揃ってたら撤退する。
じゃあ行くか」
皆が頷いたのを確認し、最後に俺達へと軽く視線を移した後にガダルが出立を告げる。
しばらく歩いて、数日ぶりの迷宮へと到着する。
元は暗がりの洞窟と呼ばれコボルトの住処になっていた洞窟の入り口には、二人の兵士と一人の魔術師が立っていた。兵士は冒険者ギルドあたりが手配した見張りで、魔術師の方は封印の間に居たのと同様に結界管理のためと言ったところか。
ガダルがギルドからの依頼書を提示し、兵士の一人と魔術師と共に洞窟の中へと進む。
洞窟の中は初めに来た時と違い、所々にランタンのような物が設置されて索敵魔法を使わなくても問題なく進める程度には明るさが保たれていた。これも魔道具なのだろうか。普通に火を使っているものだったりしたら酸欠とか怖いんだけど。
そんな俺の心配をよそに一行は奥へ奥へと進み、やがてちょっとした大部屋へとたどり着いた。以前俺達がコボルトと戦闘した場所だ。
「迷宮の入り口はこの先です。現在は念のため入り口に封印をしています。入る時は彼が封印を解きますので言ってください」
兵士の言葉に茜色の渓谷のメンバー達から気を張ったような雰囲気が伝わってくる。Cランクで魔物討伐経験は少なく無いとは言っても、討伐ランクが自分達より格上であるミノタウロスがいると聞いている場所に入ることに緊張しているのだろう。
「よし、予定通り最初はお前らCランクとEランクが先頭だ。撃ち漏らしは俺らが処理するから気にしねぇでいい」
「わかりました。ユウマ、よろしくな」
「とりあえずゴブリンしか出てこない二層目までは俺達が先を進んで、コボルトが出始める三層目からは様子を見ながらスクライム達も前に出るってことだったな」
「ああ、三層でも問題なさそうなら俺達は出ない。六層以降はスモールゴーレムが出るらしいから俺達も前に出るけどな」
スモールゴーレムは名前の通り小さいゴレームだ。小さいと言っても普通のゴーレムと比べてというだけで、大きさは大人の男性くらい。大体、一メートル半から二メートルと言ったところだ。
前世で聞いた話だと、ゴーレムには弱点の文字があってそこを狙えば倒せるらしいのだが、この世界ではそんな文字が彫られてはおらず、弱点は胸の位置にある動力源。そこを壊すと停止する。
討伐ランクはD-で、Dランク冒険者がソロで倒せる程度。Cランクパーティーの彼らなら問題なく倒すことができるだろう。
「問題ねぇなら行くぞ」
ガダルの言葉に頷き、封印を解除してもらう魔術師と共に迷宮へと進む。
コボルト達が武器倉庫として使っていた場所に封印が施されている。ここがこの迷宮の入り口だ。封印を解き中に入ると、迷宮の中は最初に見た通り洞窟になっている。こちらも上の通路と同様明かりが設置されていた。
そのまま下へと向かって行けばそこが俺達が洞窟の床が崩れた時に落ちた通路で、この先には小部屋がある。
魔物が復活するのにどのくらいかかるのかはわからないが、もし復活していればこの先には何体かのゴブリンが居る筈だ。
「まずは戦力の確認だな。ジェレーナは斥候ってことでいいんだよな?」
「構いません」
「じゃあ先頭を進んでくれ」
「魔法は使ってはいかんぞ。妾達はEランクの冒険者なのじゃからあまり目立つことは控えんとな」
「わかりました」
小声でジェレーナとの打ち合わせを済ませて先へ進む。
小部屋のゴブリン達は既に復活していたが、俺やエルが数体のゴブリンごときに負けるようなことがあるはずもなく、ジェレーナも魔王直属の親衛隊副隊長と言うだけあってゴブリン程度に引けを取りはしない。実力がばれないようにするのがなかなか難しかったが、なんとかEランクっぽい動きができたと思う。
その後も特に問題はなく俺達は先へと進む。六階層以降で出てきたスモールゴーレムは硬い体のせいで剣があまり通じず、実力を隠したままの戦闘は苦労したが、その頃にはスクライム達が戦闘に参加していたし、いざとなれば後ろにいるBランクパーティーが出てきてくれるので特に危なげなく進むことができた。
そのまま順調に進み、現在は問題の十階層へと進む道の前にいる。
「この先はミノタウロスが出てくるっつぅ場所だ。予定通りCランクの奴らとEランクの奴らは俺とBランクパーティー片方の間に入れ。
俺もだが、Bランクは低ランクの奴らをしっかり守ってやれ。先頭は経験のためにBランクパーティーに交代でやらせるが、最大限気を付けろ。ここに来る前にも言ったが、ミノタウロスが数体出てきたらかなり危ねぇ。俺が守ってやれるとは限らねぇからな」
ガダルの言葉に頷く面々。特にガダルを慕っているらしい盗賊のような見た目の冒険者達はやる気満々に瞳を燃やしている。憧れの先輩の前でいい所を見せてやろうとでも考えてるんだろう。
そうして並びを変更し、先頭に盗賊Bランクパーティー(仮)、二番目にガダル、三番目に俺達、そして茜色の渓谷と続いて最後尾を獣の咆哮という順で十階層へと歩を進める。
こっからが本番だ。
討伐ランクBのミノタウロスというのがどんなもんなのか楽しみだな。




