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ルリエの少女

作者: 水饅頭

おことわり


ジャンルを『童話』としていますが、漢字、表現技法など童話として不親切な表現が含まれる可能性があります。

 むかしむかし、雪のとけない山のふもとの村に少女がいました。


 ある夏の日、少女が村への帰り道の途中で旅人に出会いました。


 少女が旅人に「どこから来たの?」と聞くと旅人は「すごく遠いところから」と答えました。


 旅人は少女に文字を教えてとおねがいしました。でも少女も文字がよめません。


 そこで少女と旅人は村で一番かしこいおじいさんの所へ字を教えてもらうことにしました。


 ところがおじいさんは「雪のとけない山の七つの花を持って来たら教えよう」と言っていじわるします。


 雪のとけない山には花は六つしかないのに七つ持ってこなければならないからです。


 でも他にどうしようもないので、少女と旅人はおじいさんの言った通りに雪のとけない山に七つの花を探しに行きました。


 山にのぼろうとすると、森の中からおばあさんが出てきて「山にのぼるのはよしな」と言います。


 旅人がおじいさんの言った事をていねいに話すとおばあさんはしばらく考えてから「どうしても行くのなら、霜のじいやにはやさしくしておやり」と言って森の中に戻って行きました。


 それから少女と旅人は山で六つの花を集めましたが、七つめの花がどれだけさがしても見つかりません。


 そうしているうちに山に吹く風は強く強く冷たく冷たくなっていきます。少女と旅人はすっかり凍えてしまいます。


 突然、その風が弱まります。旅人は気になって辺りを見回すと、風に向かって冷たい風を吹き付ける大きなひげのおじいさんがいました。


 大きなひげのおじいさんが少女と旅人に「暖かくなったか?」と聞きます。


 でも、おじいさんが吹いている風も冷たい風ですから暖かくなるはずはありません。


 少女が答えられずに困っていると旅人は「暖かくしてくれてありがとう」と答えました。


 すると大きなひげのおじいさんは大きな毛布を少女と旅人に与えてから「探しているものは何かね」と聞きました。


 旅人が山の入口でおばあさんに話したとおりに、大きなひげのおじいさんにもていねいに話をしました。


 話を聞いた大きなひげのおじいさんは持っている杖をひとつきして雪をとかして、ふたつきして四枚の丸い葉っぱを生やし、みつきして杖を見た事のない花に変えて言いました。


「この花がわしの『ありがとう』じゃ。必要になったらいつでも取りに来るといい。ありがとう」


 言い終わるとさっきまでの寒さと雪が大きなひげのおじいさんと一緒にいなくなりました。


 少女と旅人はあたたかく、おだやかな空の下で大きなひげのおじいさんの作ってくれた花をつんで村のおじいさんの所へ行きました。


 おじいさんは約束通り、文字を教えてくれました。そして少女と旅人二つずつ教えてくれました。


 旅人には、「七つめの花はどんな傷や呪いも治せる」ことと「七つめの花を使うときはためらわずに助けるために」という事を教えてくれました。


 少女には、「集めた七つの花を日の沈まない日の終わりに枕元に置いて眠ると将来、幸せにしてくれる人に夢で会える」ことと「七つめの花の葉を二つに分けて、心を作りその人に渡すと幸せになれる」という『七つの花の夢』の事を教えてくれました。


 それからしばらくして、王女様が真っ暗な夢を見る呪いにかかりました。


 すると夏なのに日が昇らない日が続くようになりました。


 困った王様は日が昇らないようにしている呪いをとくことを旅人に命令しました。


 旅人はこの七つめの花を使って王女様の呪いをといてあげました。


 喜んだ王様は王女様をお妃にと旅人に言いますが旅人は代わりに少しのお金だけをもらって村に戻りました。


 さて、少女の『七つの花の夢』はどうなったのかというと、日の沈まない日の終わった夜に七つの花を枕元に並べて眠るとおじいさんの言った通り、少女は夢を見ました。


 まっしろな光の中で一つだけ、まんなかにはっきりと見えた人は……あの旅人だったのです。


 少女は勇気をふりしぼって、旅人に花の葉から心をつくり旅人に渡しました。


 そして二人は少女のいたルリエの村で幸せに暮らしました。

最近では珍しく前後書きで補足させていただいています水饅頭です。


今までは戦国転移モノ(SF風味)を描かせていただいていましたがファンタジー異世界転移も描きたいなと思い、その準備段階という訳ではありませんが新作の方で登場させる予定のお話を試しにアウトプットしてみました。


前書きにも記した通りですが、水饅頭は童話などは描いた経験が一切ありません。そのため童話としておかしな部分、定義にそぐわない部分などあるかと思います。そのような不適切な点が御座いましたらご教示頂けると幸いです。


また、作品背景が最も近いものとして童話かなと思い設定させて頂きましたが、民話(風)と言った方が正しいかもしれません。ただ、水饅頭としては小説における挿絵や人物相関図のように物語を楽しんでいただきやすくするための資料の一つとして公開しよう、という考えです。二次作品とは異なるものですが付随する作品という事ですのであしからず。


また重ね重ねになりますが空き城大名以降の連載中作品の放棄をする訳ではない事をこの場でも宣言させて頂きます。


以上です。長い後書きとなってしまい申し訳ありませんでした。これからもどうぞよろしくお願いします<(_ _)>


2018/06/29追記:ファンタジー異世界転移モノ、執筆開始しました!本編『放課後ロングトリップ』をどうぞよろしくお願いします。URL https://ncode.syosetu.com/n7050ev/

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