表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/23

レアスライム編2

では順番に行きますね!ダイゴ行きます!


レアスライムって何だ?やっぱりレアなのか?


レベルのマックスが99ってもしかしてすごくないか?俺はマックス5だぜ。何気に駄犬のマックス10よりも低いんだぜ。


名前がジョセフィンって誰がつけたんだ?親スライムか?スライムに親なんているのか?


物理攻撃完全無効ってすごくないか。ただの無効じゃなくて、完全無効だぜ。やっぱり魔法以外でダメージ不可なのか?


念話って念じたら会話できるのか?


擬態ってのは、外見が変わるのか?うん、これはいま周囲に擬態してるから分かるわ。そういうことだろ。


最後に、硬化ってやっぱり硬くなるの?これはそのまんまだろうけど、との程度かたくなるんだろな。


なんだこれ。数値的には低かったりかなりデコボコだけど、スキルが極端にすごすぎるだろ。オイオイ、これレア過ぎだって。レアだよレア。レアスライムのカンバンに偽りなしだよ。お母さんこれ買って買って!


「ワンワンワンワン!」


「黙れ駄犬っ!レアスライム様に吠えてんじゃねえよっ。このトンヌラごときがっ!このゴン太っ!セロテープっ!ゴルバチョフっ!プロテインっ!」


「ク、クゥーン……」


「ハアハアいらんカロリー使わせるんじゃねえよ。今ので1キロ痩せたぞ。ったく、さぁてと」


見ると、レアスライム様が動きを止めていらっしゃる。止まったら周りの風景とほとんど完全に同化されてらっしゃって目を凝らさないと存在を見破れないでいらっしゃる。さすがレアなだけあるな。いい仕事していらっしゃるでござっしゃるな。エヘヘ。


ではファーストコンタクトいっときますか。なんかドキドキする。異文化コミュニケーションだぜ。


「コンニチハ、ボクシバヤマダイゴ。ワルイマオウジャナイヨ」


さあ、レアスライムよ、答えてくれ。


『なに、魔王だと』


頭の中に思念が入り込んできた。これ魔神の時と同じだ。スキルの念話だな。


いいねえ。なんか言葉と言うか思念に重みがあるよ。


『むむむ魔王殿、ご挨拶もせずに通り過ぎようとして失礼しました。火属性魔法が使えるカーバンクル殿がいたもので、つい。謝罪します。この通り』


レアスライムは擬態を解いた。周囲に同化していた体が七色に色が変化する子供の頭程の塊になった。綺麗だ。そしてグネグネする。このグネグネは謝ってるのか?


「ワンワンワンワン!」


「黙れ駄犬!」


「クゥン」


『そのカーバンクル殿は魔王様のお仲間ですかな』


「仲間じゃなくて、ペット」


『むむむ、ペットとな』


レアスライムはグニャグニャとうごめいた。


『魔王殿、会ったばかりで厚かましいのですが、お願いがあります』


「え?なに?」


『この先に、人間の一団がおります。私と共にそこに行っては貰えないでしょうか』


「えっ?どういう事?」


『仲間と、会いたいのです』


「仲間ってレアスライム?」


『いえ、人狼です』


「人狼って、人の狼?」


『むむむ。はじめからご説明致しますかな』


そしてレアスライムは語りだした。


『私はスライムの一族として生まれ育ったのですが、とある事情により集落を離れる事となったのです』


へえ、スライムって集落に住んでるんだ。で、とある事情ってなんだろうな。


『そして旅を続けた私は、ある日一人の人狼の娘と出会い意気投合し、共に旅を続ける仲間となりました。しかしある日、私がいない間に彼女は消えてしまった。必死に探すと彼女は人間の集団と共にいました』


「人間にさらわれた、って事か?」


『分かりません。遠目で見ると後ろ手にひもをくくられてはいますが、食事などの時にはひもは外されています。また酷い目にあわされている様子もない。自ら進んでつかまったのかもしれない。だまされているのかもしれない。あるいは弱みを握られて逃げるのを諦めているのかもしれない。結局のところ私には分かりません』


て言うか、この世界のモンスターの立ち位置ってどうなんだろう。人間といがみ合っているのか?どちらかが優位に立っているのか?質問したい事は山ほどあるが、話の内容が深刻だから邪魔したらあかん。黙って話を聴く。


『人間は3人です。3人共に手練なのですが、そのうちの1人が明らかに只者ではありません。一度隠れてこっそりと近づこうとして、すぐに気づかれました。なので、これまで遠くから様子を伺いつつ追いかけるしかありませんでした』


マジで?このスライムの擬態は正直すごいぞ。それでも気づくんか。すげえな。


『更には今日からは突然、かなり離れていても気づかれるようにまでなってしまいました。能力に劣る人間とは思えません。またその者は魔法を使えるようなので、魔法を苦手とする私には手が出ません。魔法さえなければ、なんとかなるのですが』


ステータスを見たところ、極端に魔法系が駄目だもんな。物理耐性に特化してる。


「成程な。仲間に会って話がしたいんだな」


『はい。そして事情が事情なら、助けたいのです』


乗りかかった船か。助けるべきかな。


念話で会話ができるってのが助かるんだよ。駄犬は「ワン」ばっかりだからこの世界の事を何も聞けん。役に立たないんだよな。その点このレアスライム様は念話可能だ。色々教えて頂けるぞ。


更に俺の配下になってもらったら、スキルが極端にすごすぎだから、エラいことになるぞな。物理攻撃完全無効のスキルを共有したら、絶対に俺TUEEEEEEってなるよな。


「なあ、駄犬はどう思う?」


「ワン?」


「俺はこいつを手伝ってやりたいんだがな」


「ワン!」


よし賛成だな。性格が良いのがこいつのいい所だ。


「オッケー、俺が手伝ってやるよ」


『有難うございます、魔王殿、カーバンクル殿。そうだ、私の名前はジョセフィンと申します。おふた方のお名前は?』


「俺は柴山大吾。で、この犬が……」


さすがに駄犬はないわな。


「カバ太郎だ。じゃあ行こうか」


『はい、この先の池のほとりで、人間達は野営をしております』


「池があるって事は、川もあるよな。カバ太郎、水が飲めるな」


「ワン!」


そしてスライムの案内で少し歩くと川があった。助走をつけて跳んだら跳び越えられる位の狭い川だ。


俺は水をすくって口に運び喉を潤す。冷たくて美味しい。こりゃ生き返るわ。カバ太郎もしっぽを振って水を飲んでら。


さて、下流にある池に人間達がいると言う事なんだが、どう行動すっかな。


ここは一発、PDCAサイクルいっとくか。部長にいつも口酸っぱく言われてるヤツだ。


Pはプラン、計画。

Dはドゥー、行動。

Cはチェック、評価。

Aはアクト、改善。


つまり計画立てて実行して、良いとこ悪いとこ見直して改善。んで、計画に戻ると。これをグルグル繰り返したらどんどん仕事の質が上がるんだな。


そして、プランの前に大切なのはRのリサーチ、調査だ。


きちんとリサーチしたら、よりきちんとした計画が立てられるからな。


他にも報告連絡相談の報連相で「ホウレンソウ」、分からん事はすぐに聞く瞬聴くで「シュンギク」とかな。色々教わったもんだ。


よし部長、営業部未来のエース柴山大吾はリサーチからいきます!あと給料上げてくださーい。


「じゃあ、まずは俺がひとりで偵察に行ってくる。戻ってきてから皆で計画を立てるぞ。ジョセフィンとカバ太郎はここで待機しておいてくれ」


「ワン」


『お気を付けて』


よっしゃ、まずはウィンドドライブを自分に掛ける。どやさ。


ステータスを見ると素早さが、おおっあがっとる。140(90+50)だったのが158(90+18+50)になってる。


多分90が元々の俺の数値で、50が魔神のローブか魔神の指輪かどっちかのボーナスなんだと思う。で、ウィンドドライブの効果が18。すごい性能だな。二割増しだ。


いざ人間から逃げ出すハメになったら、ウィンドドライブは大きなアドバンテージになるかもだ。性能良すぎだろウィンドドライブ。


いや、魔王の魔法に対する性能が良すぎるんだろうな。カバ太郎が勇者に放ったファイヤーボールはピンポン玉サイズだったが、俺が使ったら 人の頭くらいのサイズだったもんな。


ちなみにカバ太郎のスキルである逃げ足だが、これは逃走時のみ素早さが1増えるみたいだ。やっぱ使えんヤツだな、こいつは。いや、ザコレベルなら、1がおっきいんか。


さて、ウィンドドライブを使っておいてなんなんだが、忍び足で川沿いを歩く。偵察するやつが調子のって目立ったらいかんからな。


そして池にたどり着いた。


向こう側に、人間が4人いる。


声は意味が聞き取れなくて、何となく表情が分かるくらいの距離だ。


今は休憩らしく、全員でパンと干し肉みたいなのを食べてるな。鎧とか剣とかは脱いで一箇所にまとめている。


女が2人で男が2人。


男2人はこりゃ弱い。


いやさ、ファンタジー世界らしく金髪の青い目なもんで内心ビビったんだよ。俺英語全然しゃべれないし。聞き流すだけで英語を話せるようになる例のやつも買ったけど一週間でめんどくさくなってやらなくなったし。


なんか金髪コンプレックスがあるんだよな。


でも冷静に見てたらこいつら弱いんだ。なんか分かる。達人は相手の強さが見たら何となく分かるって漫画かなんかであったが、それなんか。


2人で冗談でも言いあってんのか笑っとるけど、なんかそれが情けなくなってくる。だからお前らはダメなんだよみたいな気持ちになる。いや、別に冗談くらい言って笑ってももいいんだけど。


んで女2人。対照的にこの子達はやりそうだ。


1人は金髪グラマーで、1人は黒髪の少女。2人とも可愛いな。金髪美女も強そうだが黒髪の方はさらに強そうだ。


さて、どちらがジョセフィンの仲間なんだ。人狼って多分狼に変化するんだよな。普段は人間なんだろう。外見じゃ分からんな。


さて、鑑定するか。


どちらにしようかな、天の神様の言う通り、ぷっぷっぷ、柿のたねっと。まずは黒髪から鑑定に決定。


なんか可愛い女の子を鑑定するって罪悪感があるなあゲへへ。はいドーン!


勇者の斥候 LV 1/99

名前 デイジー(アザレア?ジャスミン?クレマチス?ムスリカ?アイリス?マーガレット?ガーベラ?アネモネ?ビオラ?ストレチア?マロニエ?)

HP 192/192

MP 20/20

攻撃力 105

防御力 101

素早さ 172

魔法力 21

抵抗力 31

装備

ダガーナイフ

スキル

「目覚めし者」「復活」「死亡時ワープ」「精霊の加護」「第六感」「クリティカル率アップ(小)」「気配察知(小)」「隠密(小)」「暗視(小)」「逃げ足」「炎属性魔法LV1」


なんでやねーん。勇者のお仲間かーい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ