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レアスライム編1

ほっとしたら、少し腹がへってきた。喉も渇いてきたかな。魔王にも生理現象ってあるんだな。


当然だろうが番犬にも生理現象があるだろう。早く飲み水だけでも手に入れないといかんけど、まさか水道なんてのはないだろうなぁ。よし、まずは川を探すか。


「番犬、行くぞ」


「ワン!」


俺は、今からどこで何をしたらいいのか。


そういえば統べる者の説明でこうあったな。


「魔王は配下の数と能力によってのみレベルアップが可能」


魔神もたしか似たような事を言っていたっけ。


よし、当面は配下を増やすのを目標にすっぞ。


んで、配下には数に限りがあるみたいだ。ステータスで配下1/15ってなってるから、枠は全部で15なんだろう。配下を決めるのは、慎重にやらんとあかんな。


そのうち1つはこの犬に使ったんだが、あーあやっぱりこれってやっちまったんかなぁ。とちってしまったか?


ため息ついて番犬を見たら、嬉しそうに尻尾を振りやがる。


「わん!」


はぁ。さて、番犬のステータスオープン。


カーバンクル LV 5/10

名前 番犬(カバ太郎?トンヌラ?ゴン太?セロテープ?ゴルバチョフ?プロテイン?)

HP 32/32

MP 2/6

攻撃力 20

防御力 23

素早さ 25

魔法力 7

抵抗力 6

スキル

「火属性魔法LV1」「逃げ足」


比較対象がほとんどないからまちがってるかもだが、多分こりゃダメな子だ。勇者の卵以下の弱さだもんな。


ちなみに勇者の卵の説明はこうだった。


『初期クラス。まだまだ弱いが、素質は十分。一気に達人級の強者まで駆け上がれ』


まだまだ弱いと言う勇者の卵レベル1以下だから、まあザコキャラなんだろうな。それにレベルのマックスまでもあとわずかしかないから、伸びしろも少ないときました。はい残念また来週。


危ないところを助けてもらっておいて何だけどさ、正直なところ他のモンスターにチェンジできないかなと考えちまうよ。


しかも名前のとこはなんだよ。トンヌラとかゴン太とか、ダメ犬のくせに名前で遊んでんじゃねえよ。って俺が遊んだんだけどな。それでもなんかイラッとするわ。チッ。


まあほっときゃそのうちバカ太郎とか消えて、元通りに番犬だけになるんじゃねえの。


あれ、はじめは番犬じゃなくてバカ太郎って名付けてたんだったか。いやバカじゃなくてカバ?まあどっちでもいいや。


しかし、俺が勝手に刻印を刻んで配下にしたんだから簡単に見捨てたらいかんわな。最後まで面倒見ない人間にペットを飼う資格はないからさ。あきらめて最後まで面倒見るよ。


それに、いずれ進化とかもあるかもしれん。勇者の卵でも、初期クラスって説明にあるしな。進化してくれたらめちゃくちゃパワーアップしたり、強力なスキルを覚えるかもしれんし。


今後に期待しよう。


よし、番犬について検討するのはこれくらいにしとこう。

で、やる事を1つずつこなしていくか。


俺は叫ぶ。


「魔神さまー。聞こえますかー」


森に俺の声が響いた。鳥がバサバサと逃げ出す音が聞こえる。番犬が首を傾げる。


「おーい、魔神さまー」


やっぱり何も起きない。


よっしゃ、次はこれやってみるかな。やるか?やるよ。


「魔人のアホー。ボケー。出てこんかー」


魔神相手にディスってみたぜ。これでいきなりゲームオーバーとかリミット増加とか悪いことがおきたらどうしよう。やばいゾクゾクする。癖になりそうだヒヒヒ。


しかし、一向に何も起きない。


自分のステータスをチェックしてみるか。変化なしだろうなぁ。


魔王 LV 1/5

名前 柴山大吾(加藤ハジメ?)

配下 1/15

リミット 411日

HP 200/200(100+100)

MP 500/500

攻撃力 140(90+50)

防御力 140(90+50)

素早さ 140(90+50)

魔法力 140(90+50)

抵抗力 140(90+50)

装備

魔神のローブ

魔神の指輪

スキル

「統べる者」「魔神言語」「人言語」「魔物言語」「全属性魔法使用可(光属性を除く)」「MP自動回復(大)」「MP使用量緩和(大)」「無詠唱」「火属性魔法LV1」「水属性魔法LV1」「土属性魔法LV1」「風属性魔法LV1」「闇属性魔法LV1」

特殊スキル

「鑑定(大)×86」「口寄せ×2」


うん、やっぱり変化なしだ。


予想通りだけど、完全に無視されてるな。さすがにこんな下らんひっかけにつられて、姿を現したりはしないわな。魔神は今、俺の浅知恵に呆れてるかもしれない。


あーあ、魔神にせよ女神にせよ何かしら関わりを持てねえかな。聞きたい事は山ほどあるのにな。


俺は足を止めて考える。


まてよ。この(加藤ハジメ?)はしまったな。これは後で悪い方に転がりかねないぞ。


笹山良子はかわいそうに、つらい体験を積み重ねて人間不信になっている。そこに俺が初対面でいきなり嘘こいて偽の名を名乗ったんだ。これがバレたらさ、嘘つき扱いされて絶対に信用してもらえんぞ。


例え上ツラでごまかそうとして口で俺は加藤ハジメで〜すとか言うにしても、勇者が鑑定を使えるようになってて俺のステータスを鑑定したら一発アウトだしな。


はあ、どうすっかな。


「ワンワンワンワン!」


いっそ、俺もバカ太郎が番犬に取って代わったみたいに、自分の名前を加藤ハジメに変えちまうか?何度も何度も俺は加藤ハジメですって言い続けたら、ステータスの表記も変わるだろ。多分そう言う仕様だろうな。


「ワンワンワンワン!」


うん、検討の余地はあるな。しかし、腹割って接しないと相手も腹を割ってくれんからな。それに、人間後ろめたいと自信が無くなるもんだ。自信が無い人間に、人様を説得するなんて絶対にムリだろ。


「ワンワンワンワン!」


なら正直に言うか?嘘ついてましたって。ごめんなさいって。意外と気にしないかもしれんな。だがドツボは絶対に許されないんだよ。だってさあ、世界の終わりなんだぜ。ひとつ間違ったら地球の終りなんだぜ。ああめっちゃ悩むな。ふう。まあ、名前に関しては要検討事項ということにすっか。じっくり考えるか。そのうち良いアイデアが出るだろ。


「ワンワンワンワン!」


「さっきからうるさいっ、駄犬っ!」


「ワンワンワンワン!」


「なんだよ駄犬、どうしたよ駄犬、何もねえだろ駄犬」


「ワンワンワンワン!」


「いや、何かあるか?」


駄犬の吠える先を見ると何かある。て言うか、駄犬の駄は馬偏に犬なんだな。で吠えるの吠も犬口偏に犬だ。まあそれは今はどうでもいいか。


で、これはなに?粘体?なんかゼリーみたいなのが周りの風景と同じ色に擬態してもぞもぞ移動している。


「キモッ」


俺は身の危険を感じてとりあえず鑑定を念じてしまった。いかん、鑑定は節約しないといかんのに。あまりのキモさについ使ってしまった。


レアスライム LV 5/99

名前 ジョセフィン

HP 160/160

MP 1/1

攻撃力 40

防御力 45

素早さ 12

魔法力 1

抵抗力 2

スキル

「物理攻撃完全無効」「念話」「擬態」「硬化」


なんだこれ。色々と突っ込むところがあるぞ。

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