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プロローグ1

ここはどこだ?


気付いたらあたりが真っ暗闇だ。


俺はさっきまで交差点で信号待ちをしていたよな。それで、何が起きたんだったか?


そうだ、誰かに話しかけられて振り返ろうとした。


そこで大きなクラクションが鳴り響きトラックが迫ってきて……。


ああそうか、俺はトラックにひき殺されたんだ。


で、ここはあの世だ。


『あの世ではない』


おっなんだ?


暗闇のなか声が響き渡る。低く威厳のある声だ。


誰かいるのかと声を出そうとするが、声が出ない。


『声を出さずともお前の考えは伝わる。だが私の話を聞くことに集中しろ。なにしろ時間が限られているのだ』


わ、分かりました。


『事故で死んだお前ともう一人をこれから異世界に送る。お前は魔王をやれ。もう一人には勇者をやらせる。

『魔王は、配下を増やす程に強くなる。勇者との戦いに備え配下を増やすのだ。

『お前が千日間死ななかったら、お前の勝ちだ。お前が千日以内に死ねば、勇者の勝ちだ。勝負が終われば、女神が二人とも元の世界に戻してやる事になっている。その際この世界での記憶は無くす。

『そして、勝者には私が代償なしでひとつの願いを何でもかなえてやる事になっている』


これはいわゆるラノベの転生物みたいなノリなのでしょうか。


『そう考えて良い。さあ時間だ。求めろ』


求めろって?


『求めるのだ』


ええと、俺は求めている。欲しい欲しい。


あれ?何かが体の中に入って来たような。


『ふむ、ランダムワープ、鑑定、口寄せか』


分かった。今のはスマホゲームのガチャをみたいなものをやったんじゃないッスか?


『そうだ。さて女神の方はどうなったか……ふむ、まずいな』


何ですか。


『よいか、結論から言う。開始してすぐに勇者が飛んでくるだろう。そうしたらとにかくランダムワープで逃げろ。ペナルティーは気にするな。転生したてのお前では勝てない状態になりそうだ。

『勇者は何度死んでも生き返ることが出来るが、お前は一回死ねばそれで終わりだ。それを肝に銘じろ。気を緩めず、ただひたすらに勇者から逃げまわるのだぞ。

『勇者が手に入れたのは、魔王追跡と聖剣一時使用と、邪眼




次の瞬間、俺は平原に立っていた。あまりに唐突だった。


向こうに森と山が見える。


そして、雲ひとつない青空。


生ぬるい風がふいている。


唐突な景色の変化に、俺はしばらく呆然としていた。


やがて我に帰り、自分が黒いローブを着ているのに気が付いた。


陽光で熱がこもってきたので裾をパタパタとして、熱気を外に逃がした。


右手の中指に指輪がはまっているのに気が付いた。やたらに黒い装飾なしの指輪だ。外そうとしてみたが、指の一部になっているかのように外れない。


俺は考える。暗闇の中に行くまで仕事中でスーツ姿だったはずだ。それが気付けばこんな格好だ。


果たしてこれは夢なのだろうか。それとも本当に転生したのだろうか。


転生物のラノベは何度か読んだことがある。なのでとりあえずラノベの基本を実行してみる。


「ステータスオープン」


なんか恥ずかしいので小声でつぶやく。すると、頭の中に情報が入ってきた。


魔王 LV 1/5

名前 柴山大吾

配下 0/15

リミット 1000日

HP 200/200(100+100)

MP 500/500

攻撃力 140(90+50)

防御力 140(90+50)

素早さ 140(90+50)

魔法力 140(90+50)

抵抗力 140(90+50)

装備

魔神のローブ

魔神の指輪

スキル

「統べる者」「魔神言語」「人言語」「魔物言語」「全属性魔法使用可(光属性を除く)」「MP自動回復(大)」「MP使用量緩和(大)」「無詠唱」「火属性魔法LV1」「水属性魔法LV1」「土属性魔法LV1」「風属性魔法LV1」「闇属性魔法LV1」

特殊スキル

「鑑定(大)×100」「ランダムワープ×1」「口寄せ×3」


うん。転生ものだ。


とりあえず「ははは」と笑ってみた。笑って何が起きるわけでもないんだがな。


どうしよう、俺?

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