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夏生詩集

メッセージを海へ投げて

作者: 夏生

ガラス瓶の中に言葉をつめこんで

海へ思い切り放り投んだ


ゴミとして回収されるか

危険物扱いされるか

環境保護団体から苦情がくるか


誰か返事をくれる、かもしれない

淡い期待が胸をよこぎる


途方もない時間

遥かな距離


誰でも入っていける

手頃な世界と真逆のやり方で


海の上を言葉と言葉が漂って

気紛れな波にのまれ

くじらの飛沫を浴びて

幾千幾万の魚の群れの上を

通って

巨大タンカーに潰されそうに

なりながら

奇跡を何度か味わって


誰かの手に私の言葉が届く


「今は夜です

真っ暗です

海へ飛び込むかわりに

言葉を先に放り投げました」


返事がくるとしたら

励ましか労りか

叱咤か、それとも暗号か


返事がくるまで生きていよう

と、思った


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