始まるカウントダウン
ラピッドファングで生存しているプレイヤーの皆さま、この度、ラピッドファングに参加するプレイヤーの数が4分の1である27名を切ったことをご報告いたします。
ここからさらなる火蓋が落とされることをスタッフ一同楽しみにしております。
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渡し人からこのようなメッセージが届いたのは、田代と遠藤が死んで2週間後のことだった。
田代達の敗北を聞いた俺は、鳥海と大垣さんにパーティからの脱退を一方的に宣言した。群れで戦っていては、強い個人には勝てない、負けても助けが来てくれるという安心感はどこかで油断を生んでしまう、と思ったからだ。
大垣はすぐに納得してくれたが、鳥海はなかなか譲らなかった。当然だ、そもそもパーティを組もうと言い出したのは俺からなのだから。
俺は「最後の3人に残るために、ここはあえて個人行動をとろうと考えた」という嘘をついて、無理やり納得させた。
その代わりに「絶対、生き残ってくださいね」という鳥海の涙声を聞くはめになったが、それもまた良いだろう。
そう思いながら、俺は目の前にいる虹色のトカゲ人間に向き合っていた。
「人狼と言ったか……さすがは世界の3大怪物の一つに数えられているだけのことがある。しかし、我は神だ! この豪雨を受けて死ぬが良い!」
アボリジニに伝わる、雨を降らすトカゲの姿をした神様、雷鳴蜥蜴。それがこいつの名乗りだった。
「なら、降らしてみろよ」
俺は深夜強襲を使って、すぐさま背後に回る。雷鳴蜥蜴は振り返ることなく、手を上げた。
「神罰濁流!!」
頭上に大量の水が現れる。しかしその水はすぐに消え去った。
「な、何っ!?」
雷鳴蜥蜴が愕然とした様子で上を見上げる。俺はしっかりとその首を掴んで言った。
「結合能力『急激過熱』だ。あんな能力でファイナリストに残ってるなんて、さすが神様、強運ですね?」
「ふ、ふざけるな、我にはまだ結合能力が……!」
「発動させると思うか?」
俺はそのまま雷鳴蜥蜴の首をへし折った。こうして神を名乗っていた雷鳴蜥蜴は一瞬で命を落とした。
「神気取りで格好つけてるからこうなるんだよ」
俺は急激過熱を使って雷鳴蜥蜴の肉を焼いた。さすがに生で爬虫類の肉を食う気にはなれなかったからだ。
「出来ることなら、油で揚げてフリッターにしたいけどな。どっかのレストランみたいに」
いつも食べてるときには「今度からは調味料とか持って行こう」と思うのだが、持ってきた時に限って全く出会わなかったりするので、結局忘れてしまうのだ。
でも、そんなことはどうでもいい。これは夢なのだから。自分が魔物に変身して、同じ目にあっている人を殺して食べる悪夢なのだから。夢はいつかは醒める。107体分の因子を体の中に取り込んだ瞬間に。




