表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

気付いてないのは誰ばかり?

作者: ハル

いまだ、と意を決して上目遣いをした日には、

「あ? なんでいきなり睨むんだよ」

と怒られた。

ここぞとばかりに、

「昨日肉じゃがを作ったんだけどね」

と家庭的なところをアピールをした日には、

「いつも弁当が、白ご飯にふりかけのやつがよく言うよ」

と一蹴された。

シャーペンをハート柄に変えた日には、

「そういえばお前って、どことなく人体模型に似ているもんなー」

と呟かれた。

朝早く起きて髪を巻いた日には、

「今日寝ぐせすげーな。お前って実は毎朝苦労してんだな」

と同情された。

「ここわからないから、教えてくれない?」

と数学の問題を聞いた日には、

「わかんねえ。俺でわかんねえってことは、お前がわかるはずないよな」

と馬鹿にされた。

美紀と一緒に、一度は履いてみようとルーズソックスを履いた日には、

「お前が履くと包帯巻いてるみたいだな」

と憐れまれた。

何軒もまわって手に入れた流行の鞄を提げていった日には、

「それ、お前が持っているとでかいチョコレートに見えるな」

と感動された。

ほんの少しだけ香水をふっていった日には、

「来る途中に花壇にでも突っ込んだのか?」

と心配された。

ラッキーカラーの黄色いマニキュアを塗っていった日には、

「お前、みかんの食べすぎじゃねえ?」

と呆れられた。

制服のスカートを短くした日には、

「暑いの? ……大丈夫。お前はぽっちゃりであって太くはないから」

と慰められた。

改札で引っかかっているのを見られた日には、

「お前、どうせ定期と間違えて板チョコでもいれたんだろ?」

と笑われた。

授業中に居眠りしていた日には、

「よだれ垂れてたし。お前って夢まで食い物なんだな」

と感心された。

この男ほど鈍感なやつを見たことがないと、恨みがましく見つめた今日には、

「お前ほどじゃない」

とため息をつかれた。

1000文字小説です。

感想を頂けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして、通りすがりの者です。この小説の伝えたい、表現したいというメッセージは何なのでしょう?どういう目線で描かれたのか、興味を持ちました。よければ、でお答え下さい。
[一言] 感想ありがとうございます! 1000文字でこんなに気になる様な話になるんですね…何か凄いです!
2011/09/12 16:09 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ