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国端新島事変兵器年鑑・航空機編

皆様、新年明けましておめでとうございます。


作風と執筆媒体の都合上、サラリと流した架空兵器の補足説明となります。

改編後は架空兵器と用語を中心とした解説となりますが、基本的に作者はカタログスペックより、開発背景やバトルプルーフに拘るタイプ故に矛盾や辻褄が合わない部分が多々ありますがご了承ください。


主な参考文献は別冊宝島と航空機新聞となっておりマス(汗)。


【CH-47JB チヌーク】


タンデムローターの大型輸送ヘリ。外部燃料タンクを大型化して後続距離を伸ばしたJA型に、給油プロープと大出力エンジンを搭載した出力向上モデル。


朝鮮動乱以降、搭載する車両が重装甲化する傾向になり、現行の輸送ヘリでは力不足とされ、2014年防衛省で新機種の採用が検討される。


しかし本命とされたV-22オスプレイのライセンス生産の認可に米国議会が難色を示したため、調達予想価格が高騰、選定を断念。最終的に運用ノウハウの面から同シリーズの最新モデル、MH47-E型をベースにJA型の能力向上に着手。完成した機体をCH47-JB型として採用する。


シリーズ初の引き込み脚と、ジェットタービンの採用により最高速度が攻撃ヘリ並みの300キロとなった。



【O-4前線航空統制機】


九州動乱で、山中に逃げ込んだゲリラの掃討には航空戦力との密接な連携と支援が必要不可欠だが、現状での指揮系統では限界があるとの教訓より防衛省はFAC(前線航空統制官)の養成を開始。入間基地に第101空中統制飛行隊準備隊を発足させた。


2017年、正式に発足した第101空中統制飛行隊は、開隊と同時にインドネシアPKFで実戦投入され、各国の地上部隊との連携に活躍する。しかし当時使用していた国産レシプロ機のMU-2改造機(予算の都合上、新型機を受領できなかった)が、ゲリラ側が中国製携帯式対空ミサイルを装備し始めたため損失機が続出。運用中止に追い込まれてしまう。


この教訓から防衛省はT-4中等練習機をベースに後継機の開発を開始。2019年、O-4空中統制機として採用される。オーソドックスに前席がパイロット、後席が空中統制官となる。固定武装はなく、IRジャマーディスペンサーが追加されECMポッドを翼下のパイロンに装備。70ミリロケット弾を装備することもあるが、あくまで目標マーキング用の発煙弾である。


国端新島事変で満を期してデビューとなったが、本格的な防空網と敵戦闘機の前には無力で、結局投入できたのは制空権が確保された停戦発効の数時間前であった。因みに、O-4の後継機はF-2B改造機が予定されている。




【F-2C支援戦闘機】


F-2Aの能力向上型。沖縄沖地震の影響で時期FX選定が暗礁に乗り上げたため、防衛省はメーカーと技術研究本部にF-2の増産と能力向上を依頼。米国も嘉手納飛行場放棄と国際情勢の変化から増産を認可した。


基本的に2003年にロッキード・マーチン社が提唱した〈F-2スーパー改プラン〉を踏襲した機体であるが、ロッキード案が複座式なのに対し、C型は電子機器の性能向上を理由に単座式である。


インテーク右側下部にスナイパー目標指示ポッドと、胴体上部の左右にコンフォーマルタンクを備えることで全体的に機体が大型になり、結果ハードポイントが15箇所に増えて、F-2Aでは機体強度上不可能だったカタログスペック通りの『対艦ミサイル全弾搭載しての作戦行動』が可能になった。


2018年に初号機がロールアウトすると同時に、メーカーは能力向上用改修キットの開発に着手、既存のF-2の改修を随時行うと共に、F-16シリーズと共通規格にした改修キットの世界セールスを開始。「リーズナブルなお値段で、中古のA・B型もD型以上の性能になることを保証します」とのセールストークで記録的な売り上げとなるが、米国より「FMS協定違反ではないか?」と提訴され、現在係争中である。




【爆装についての解説と、それに対するボヤキ】


架空兵器ではないが、実際の自衛隊には装備されていない、または廃棄予定兵器としてクラスター爆弾やナパーム弾が登場します。


現実の日本政府は平成20年12月3日にクラスター爆弾禁止条約に署名し、翌年には関連法案がすべて可決。よって現在、航空自衛隊が装備するクラスター爆弾(CBU-87/B)と陸上自衛隊の多連装ロケットシステム(MLRS)は全て廃棄される予定となっております。


なおかつ対人地雷の使用、製造、備蓄、譲渡を禁止したオタワ条約に批准したことも加え、我国が保有する対人地雷は全て破棄され防衛上の空白が懸念されてる状態です。


劇中の日本は、九州動乱以降、官民ともに国防意識が見直され、批准国と推進団体からの熾烈な非難のなか、条約脱退と廃棄兵器の再装備を表明し、それに加え新たにナパーム弾と1000ポンドクラスの誘導爆弾の採用を決断しました。


実際は、あとのことを何も考えてなかった小泉・福田首相と違い、後の麻生政権が代替兵器として誘導爆弾キット(JDAM)の導入を決定しました。これは劇中に登場したMk-82・500ポンド爆弾にセンサーと操舵翼を着けて誘導化させるモノで、すでに配備は始まっています。しかし、古い話ではありますが、知り合いの航空自衛官のボヤキによると、今の政党に変わってからあまり配備は進んでいないとのことです。この辺の事情は仲間内以上の情報がなく、作者自身も空に関しては余り詳しくないので、間違っていたらスミマセン。


そう言えば89式小銃も平成23年に全部隊更新完了予定だったハズでした。一票の大切さを思い知る今日この頃であります。


因みに、CBU-87/Bが全て廃棄されると、F-2の爆装リストはMk-82だけになるそうです。


・・・大丈夫かウチの国?

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