悪魔⑧
--【地球の守護者】氷見六花vs【悪魔卿】ドゥーイ--
「貴様がなにかは知らぬがイラつきを解消するのにちょうどよい。面白く踊れ。滅弾」
パシュン!パシュン!パシュン!
連続で放たれる滅弾。それらは速度も威力も悪魔神サタン1人を除けば悪魔の中でもトップクラス。
「鉄花面!」
ダダダダダッ!
それを六花は鉄花面と名付けた最初の花を集めて防御する技によって防いでいくが威力と数の多さによって徐々に花びらが剥がれ始める。
「う~ん……さすがに無理か……」
そう感じた六花は破られる前に早々に離脱。ドゥーイと距離をとる。
「真剣にやんなきゃ危ないね」
今までに六花が相手をした者たちの中で六花が警戒度を上げて真剣に対応を迫られる相手はいなかった。しかし今回初めて六花は本気を出すことになる。
「ほう?我を相手に距離をとるか。無知とは面白い。 ではどれほど逃げ続けられるのか見てやろう」
パパパパパパパパッ!
ドゥーイは先ほどよりも高速で滅弾を放ち続ける。それは1秒間に百発以上が放たれている。六花はそれに対して先ほどのように高速で動きながらも今度は花で防御するのではなく撃ち落としていく。
「花手裏剣!」
シュッ!シュッ!シュッ!
1枚1枚の名刀のように切れ味鋭い花びらを投擲。それらは狙い通りにドゥーイの滅弾を撃ち落とす。そして真剣にやると宣言した六花は一気に詰め寄った。
ギュン!
先ほどから動かずに滅弾のみを放ち続けている点と背中に背負う弓にドゥーイを遠距離特化の悪魔と推測。しかしその考えはドゥーイには読まれていた。
「不愉快だ」
まるで接近が読まれていたかのように六花が行く線上にドゥーイの足が迫る。
「っ!?」
予想していなかった六花は回避や花の操作が間に合わず両手で防御の姿勢。
ドガン!!
「くっ!?」
その威力によって六花は吹き飛ばされた。しかし自身で吹き飛ばした六花を追うドゥーイ。そこからは格闘戦の開始。
ダン!ドン!ガン!
「うっそ!?格闘もいけんの!?」
「我をそこらの木っ端な悪魔どもと一緒にするな!我は悪魔卿であるぞ!」
そう返答するドゥーイ。六花との戦いにおいてはじめてドゥーイは大声を上げた。
「(こやつ……我がどれほどに速度を上げようともついてきよる。それどころか話す暇さえあるというのか……)」
ドゥーイは六花を人間として認識していた。変な能力を持っているが所詮は人間であり餌であることは変わらない。そう見下していた相手に本気で接近戦を挑んでいるというのに六花の余裕のようすにドゥーイの思考が変化し始めた。
「ではこれをどうする?」
ギュン!
ドゥーイは何を思ったか格闘戦を切り上げて上空へと飛んでいく。それに対して六花は当初は理解できなかったが瞬時に察する。
「……受け止めれるかな~……」
「もろとも滅べ!超滅弾!」
ドウン!!
それは滅弾の上位互換の技。悪魔であれば誰でも使用できる滅弾とは違い超滅弾は実力あるものしか使用できずその威力・大きさは滅弾の数倍。それを山を破壊できるほどの威力を誇る滅弾を放てる悪魔卿ドゥーイが六花めがけて下方向に放つ。六花ならば距離もあるため回避は可能ではあるがその先にある山南市が滅ぶだろう。その被害の総数は計り知れない。
「踏ん張ってみるか~。鉄花面×5!」
六花は巨大な塊=超滅弾に対してそれと同サイズの鉄花面を5枚並べて防御を選択。地球の守護者として守る選択肢をした。
パリン!
パリン!
パリン!
1枚また1枚と破られていく鉄花面。いかな六花でも悪魔卿が放つ本気の超滅弾を受け止めることは困難のようだ。だが六花はあきらめない。それどころか鉄花面が破られることすら想定内。六花の目的は時間稼ぎにあった。
「うん。これぐらい溜めれば大丈夫かな」
そう言う六花の頭上には円状に並べられた花びらが何枚も存在した。それは5や6では効かない数。それは六花の技の中で最も威力の高い必殺の技。
「撃ち抜け……陽花」
キュドーン!!!
それは極大光線だった。円状に並べられた花びらたちを縦に並べその中央を極大光線が通ることで輝きはより激しさを増し大きくなっていく。その威力は5つの鉄花面にて威力が削がれたとはいえドゥーイの超滅弾を完全に破壊するほどに。
「よし!上手くいった!」
成功したことに満足げな六花。それは真剣に戦うと言っておきながらも軽口が抜けない経験不足からくる六花の悪い癖。
六花は自身に迫る矢に気付くのが遅れた。
ザシュッ!
「くっ!?」
なんとか直前で気づき回避行動を取ったために腕の負傷で事なきを得たがその後も次々と降り注ぐ矢の嵐。
シュシュシュシュシュ!!
「光栄に思え……これを使うときは我が本気で排除する必要があると認めた時だ……貴様はここで死ななければサタン様の害となる……」
降り注ぐのは破壊エネルギーを矢の形に変形させたもの。それをドゥーイは弓を引いて放ち続けていた。その数は先ほどの1秒間に百発放っていた滅弾の比ではなく1秒間に千も万も放ち続けていた。
「(1発の威力は普通の滅弾よりも低い……でもこうも数を放たれたら鉄花面も持って数秒か……これが悪魔卿の本気ってわけね……)」
そこで六花は地球の守護者となって初めてどうすれば目の前の敵に勝てるのかと考えた。そして導き出した答えは六花を進化させ悪魔卿としてのプライドと誇りを持つドゥーイを震え上がらせるものだった。
「……六花繚乱……」
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