悪魔⑥
その日はやってきた。深夜のみんなが寝静まった時間のこと。
ビー!ビー!ビー!
悪魔襲来の警報が鳴り響く。それに3人が自室から起きてきた。
「場所は?」
「日本の山南市です」
「近いね。行こうか」
準備をして出かけようとする六花とアエラ。しかしそこにリリィが眠たそうにあくびをしながらゆっくりとやってくる。
「ふぁ~……こんな夜中なんだからほかの天使どもに任せちまえばいいだろ~……」
「日本は私たちがいるから周りには天使はいないんだよ。だから一番近い私たちが行かなくちゃね。それにそんなこと言ってリリィも行く気満々じゃん」
「……別にそんなんじゃねえよ……」
そう六花がパジャマから私服に着替えた状態で出てきたリリィを見て指摘する。それにはバレたのが恥ずかしかったのかそっぽを向くリリィ。
「それでは行きましょう。早くいかなければ被害者が増えてしまいますから」
そうして3人はアエラの案内のもと現場へと飛んで向かった。当初の空気はこれまでの兵士ばかりの現状に緩やかな空気だったが山南市が近づいてくると3人の表情が変化する。
「これは……まだ姿が見えていないというのになんという圧……」
「……どうやら今までの相手って思わないほうがいいみたいだね……」
「……」
今までの悪魔では感じたことのない圧力にアエラは汗を流し六花も真剣な表情となる。すると黙っていたリリィがポツリとアエラにつぶやいた。
「……おい天使……俺に双剣をよこせ……」
「……却下する。以前に話したはず……悪魔に武器を持たせるつもりはないと」
実はリリィは両手に剣を持つ双剣使いだった。しかし初めて悪魔討伐に同行するときにそれはアエラの言葉によって拒否されている。やはりアエラとしてはリリィを信頼しているわけではないらしい。
「アエラ……でも今回の敵は……」
「問題ありません。悪魔の討伐は本来は天使である私の役目。この女の分まで私が討伐いたします……」
そう言ってアエラは六花の言葉でも受け入れることはなかった。そしてそのまま先に飛んでいくリリィと六花。
「……そういう問題じゃねえんだよ……」
リリィは悪魔たちの中によく知る気配を感じ取っていた。
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六花・アエラ・リリィが気配の場所まで向かうとそこには5人の悪魔が宙に浮き3人の到着を待っていた。
「ニーアの言う通り向こうから来たのはよいが……余計なものもいるようだな……」
「これは私も想定外です。まさか天使と人間?と一緒にやってくるとは……裏切り者の考えることは分かりません……」
そう公爵のニーアはリリィと個人的な恨みがあるのかほかの4人よりも険しい表情にてリリィを睨んでいた。
「なんかあの子リリィのこと睨んでない?知り合いなの?」
到着した六花たちは宙に浮かぶ悪魔たちに向かい合う形で立ち止まる。
「……あいつの相手は俺にさせてくれ……」
そう真剣な表情で睨み返すリリィ。それに相手の実力を感じ取ったアエラがリリィに告げる。
「……死ぬわよ?……」
「ふん……あいつに殺されんなら本望かもな……」
そう告げるリリィの目は憎しみでの睨みではなく優しさの眼差しがニーアに向けられていた。しかしそれを六花が拒否する。
「まあ、そう簡単に死んでもらったら困るんだけどね」
そう言いながら立ち止まっていた六花が少し進み地球にやってきた悪魔に話しかける。
「なんか待ってくれていたみたいだけど地球に来た目的って何かな?教えてくれたら協力できるかもしれない」
そう言ってあくまでも友好的に接する六花。しかし相手は人間を餌としか考えてない側の悪魔ドゥーイ。手のひらを六花に向ける。
「我がいつ口を開くことを許可した? 滅弾」
パシュン!
手のひらから放たれたのは悪魔が共通で扱う破壊のエネルギーを凝縮して放つ技。それは一番下の兵士でも使用する技であったが悪魔卿が使用すれば山が吹き飛ぶほどの威力となる。
「まあこうなるよね~……明らかにリリィとは違う考えしてそうだし……」
本来ならば山が吹き飛ぶほどの高威力である悪魔卿ドゥーイの滅弾。しかしそれを地球の守護者である氷見六花は花を集めて防御した。それにはまさか人間のような見た目に防がれるとは思ってもみなかったドゥーイは驚きの表情となる。
「ほう?人間が我の滅弾を防ぐとは……面白いものを見せた礼として今宵のショーのメインは人間にしてやろう。光栄に思うがいい」
「う~んと……話聞いてた?もしかして会話できないタイプ?」
六花の質問に対して返答になってない一方的な言葉を放つドゥーイはもとより会話をするつもりなど毛頭ない。ドゥーイは主より下された使命を全うするのみ。
「裏切り者を始末しろ」
「「「「はっ!」」」」
そうして一斉にリリィに向かって動く悪魔たち。それによって狙いがリリィの抹殺であると理解して六花はアエラに指示を出す。
「アエラはあっちの悪魔たちの相手お願い!リリィのサポートもしてあげてね!」
「かしこまりました」
「余計なお世話だよ……俺もそう簡単には死んでやれねえ理由ができたんでな……」
これが六花の最初の大きな仕事となった。
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