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エピローグ

この作品には少し残酷・グロテスクな表現がございます。

苦手な方はお勧め致しません。

「生き残った皆様は主人公です。これから皆様を"会場"へご案内いたしますので、それまでの間ぐっすりお休み下さい。」

放心状態の僕達にそう告げる。

その瞬間、体育館の中が一瞬で白い煙で包まれた。

吸ってはいけないと本能で分かるが気付くのが遅かった。

瞬く間に意識が薄れる


どうしてこうなった


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


「なぁ、お前進路どうするんだよ?夢とかないの?」

「ん〜、特にないから適当なとこに就職しようかな...」

「おいおい、そんなんで大丈夫かよ」

そう言いながら僕の肩を小突く


就きたい職業なんて考えた事がなかったと言えば嘘になる。だが、どの職業も楽しそうと思った事はなかった。


「あ、今日全校集会だっけ?うーわ面倒くさ!帰り遅くなるじゃん」

「あ〜そういえば朝急に言ってたね。昨日の終礼の時は何もなさそうだったのに」

「そうそう!困るんだよなー急に言われると一気にやる気なくなるっての」

そう言いながら一緒に体育館へ歩いて行く

「それにしても、もう3年になっちまったんだな。俺たち」

「カンチ、それおっさんみたいだぞ」

「お前と歳変わらねぇからな!?」

「雰囲気がこう...おじさんって感じ」

「やめろっ」


談笑しながら体育館に到着する。

「ちょっと早かったか?」

「まぁ早いくらいが丁度いいだろ」

そう言いながらスリッパを脱ぐ

体育館にはまだ30人程度しか集まっていなかった

冬の時の癖で恐る恐る体育館に足を運んでしまう。

冬の床は本当に冷たい

「どした?ロイロ」

「身体が無意識に床を恐れた...」

「どゆこと?」

「冬は冷たかったじゃん...床」

「あーね、ロイロ寒がりだからなぁ」


「そこの男子、順番なんでもいいから並んでて」

話しかけてきたのは委員長だった。名前は確か....あれ、なんだっけ。

1、2年は同じクラスになる事がなかったためほぼ会話したことはない。

「ん、あいよ〜、ロイロ1番前な」

「うげ、じゃんけんで負けた方だからな」

「「じゃんけん---」」

列の一番前になってしまった。

てか委員長が1番前にいけばいいじゃん


「あ、敗北者のロイロくん」

「敗北者言うな」

「一気に人来たよ」

「静かにしてないと生徒指導部のゴリ山が怒鳴るぞ」

生徒指導の丸山はその厳つさからゴリ山と呼ばれている。

「あれビクッとするの狙ってるよな」

「ちょっと楽しそうだよね」


雑談をしていると隣の列の1番前に人が座る

「よっ」

「ん、神崎か」

「ねぇ、2人ってゲーム好きだったよね。おすすめのゲームとかない?」

「珍しいな、神崎がゲームか。パソコン持ってるんだっけ?」

「逆にパソコンしか持ってない」

「俺は最近タコ墨を飛ばすゲームやってるぜ!でもあれはパソコンじゃないからなぁ」

「そっか...ロイロは?」

「おすすめかぁ...最近やったゲームに面白いゲームがあったな。確かフラッシュモブってゲームで、選択型のノベルゲームっぽいやつ。新しい街で1ヶ月生活するみたいなゲームで面白かったよ」

「フラッシュモブか...帰ったら調べてみる。ありがとう」

「ロイロってオフラインゲーム好きだよな」

「友達居ないみたいに聞こえるからやめてね」


そんな話をしていると全校集会が始まる

「これから全校集会を始めます。礼」


「運営のお話」

突然聞きなれない言葉が聞こえてくる。

運営?

「カンチ、運営って何?」

「え?聞いてなかった」

少しザワザワした雰囲気になると校長がステージに立つ。校長は何かを探すように生徒を見渡す。

「...今目が合った?」

数秒沈黙の時間が流れる


コツンと頭の上に何かが落ちてくる

落ちてきた方向を見上げると無数に穴が空いていることに気がつく

次の瞬間バンという音が体育館中に響く

「きゃ...」

バンバンと次々に音が鳴る

誰かが出した悲鳴は途中で止まってしまった。

何が起きているか頭が理解しようとしない。


真後ろで何かが倒れる音がする。

「カンチ...」

床に広がる血が手に付着する。

次は自分じゃないかという恐怖が友人の死を悲しむ気持ちを上回る

怖い 怖い 怖い

気付けば目を瞑り耳を塞ぎこれが現実である事を頭の中で否定していた。

それでも聞こえてくる物音をただ聞くことしか出来なかった。


どれくらい時間が経っただろう。短かったはずだがとても長く感じた。気付けば涙を流していた。

「ロイロ....」

泣きそうな声で隣から神崎が声を掛けてくる

何が起きているか分からないのは神崎も同じだろう。

周りを見渡せば地獄が広がっていた。

神崎が生きていた事に対し安堵するべきなのだろうか

カンチの死を悲しむべきなのだろうか

心の中はぐちゃぐちゃだった。


「あーあー。マイクテスト。えー生き残った君達にはまず謝罪しよう。ごめんね〜」

ふざけたような話し方に怒りと恐怖を感じる。

ここで野次を飛ばすような者は居なかった。

そもそも僕達以外に生きている人が居るかどうかすら怪しい。

「では、読みあげまぁす。」


「生き残った皆様は主人公です」


ここまでご拝読頂きありがとうございます。

更新は不定期です。

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