3 目覚め
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「ハレベルちゃん、おはよう。随分と滑稽な格好だね。久しぶりに君のそんな姿を見た気がする。」
金髪の男は嬉しそうにそう呟いた。
「だ、だれ…ぁ…っ」
僕がそう言いかけたときにはもう、僕の視界は暗くなっていた。
目の前がぼやける…。立っていられない…。
心配そうな顔で駆け寄ってくれているハレベルさんの顔がぼやけて見えた…。
ふらふらとその場に立ちすくみ、おでこが地面についた。
ハレベルさんが無事でよかった…
助けられて、よかっ…
ここで、僕の意識は途切れた。
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「おっと。これは随分と箱入り息子さんの可能性があるね。育成の甲斐がありそうだ。」
デオラデはその場に倒れこんだ。
倒れこんだデオラデを、この男は抱え込んだ。
「待って、連れていくのか…!?だめだ、こいつはちがう。離せ…!」
「それにしても偉いね。彼のために魔法を使わなかったのかい?
魔法を使えば一瞬でこんな敵なんて倒せただろうに。」
「人間に私の魔法は見せることはない。離せ。こいつは人間だ。」
「見なかったことにって…面白いこと言うね!ハレベルちゃんがこんなところでデートをしていたのは知らなかったけど、怪物が現れてからは僕はずっ~と君たちのことを見てたよ。」
「っ…!」
「大丈夫。悪いようにはしない。ダブリン魔法学園もさぁ人手不足なんだよねぇ。僕みたいな人事部の人間はいつだって人を探しているよ。でも、ただ…」
「ただ、彼からは想像よりも強い魔力と呪いの匂いを感じるね。」
「…。」
そんなこと…____
私は何かを悟ったかのように下を向いた。
そんなまさか…
「天地を分けるのはいつだって自分次第だよ。ハレベルちゃん。」
胡散臭い顔で彼は笑った。
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僕は夢を見た。
真っ暗な空間。僕が足を一歩踏み入れる。
すると、辺り一面が青い炎に包まれた。
たすけてっ…
どこから声がする。
助けたいよっ…
おねがいっ…だれかっ…
青い炎が僕を包み込む。
深い深い青。僕の嫌いな青。僕を囲い渦巻いていく_____
「っ…助けてっ…、たすけ、て…た、たすけ…」
「あ、ようやく起きた?」
「っ…!」
声が聞こえて、目を開いた。
まだ呼吸が荒い、汗をかいている。
あつい、暑い。熱い。あつい_____
「いやぁ、かなりうなされていたし、ずぅううと寝てるから心配したさ!」
この人はだれ…金色の髪…
金髪の背が高い男は白衣のような服を着て、にこにこと笑っていた。
すると、僕の記憶が蘇る。
こいつはさっきの____
「ハレベルさんは…!?」
急にガバっと起き上がると、身体の節々がいたかった。
手足がしびれて、ピリピリとした。
こ、ここはどこ…?
僕はベットの上にいることは分かった。
病室のような、白くて少し古さを感じる部屋。
一体、ここはどこで…僕はいったい_________