第85話 『合同作戦』
特務隊との共闘を決めた王族派は、具体的な作戦会議を行う。
長年に渡る宿敵同士、果たして足並みは揃うのか?
※週一更新を続けて来ましたが、リアル多忙で原稿のストックが尽きて来たため、次回以降は不定期となります。
王族派はアルバトロスからの派兵を受け入れる方針を決めた。
次は双方の戦力と作戦をすり合わせる会議が行われる。
与えられた猶予は、大臣側が王族派の異変に気付くまでの僅かな間。
翌日、王族派と特務隊の隊長が屋敷内の会議室に集まった。
ロイース側は王族のキラとエドワード、王族派貴族のライオネル、ギャレス、マチルダ、スコット、ジェームズの五人。
それに加えてライオネルの息子で騎士団長のアルバートと、ギャレスの隣にもう一人。恐らく参謀だろう。
そしてアルバトロス側はクラウスと副将のトマスとナスターシャ、そしてサイモン、ジョンがそれぞれテーブルを囲んで並ぶ。
「まず、互いの戦力の確認から始めよう」
音頭を取ったのは、やはり筆頭のライオネル。
「我々王族派の兵力は5000弱。グロスター卿の率いる『クルセイダー』2500人と、アルバートの『鉄騎隊』が2000、他は各家の私兵が合わせて500人足らずだ」
クルセイダーは代々ローラン家が団長を務める修道騎士会で、教会に連なる騎士団だ。
そしてライオネルの息子であるアルバートが率いる鉄騎隊は、弓騎兵で固められた精鋭部隊である。
いずれも騎兵を中心とし、練度は申し分ない。
問題は数で、クルセイダーも鉄騎隊も王族派に与するということで大臣政権から圧力をかけられ、全盛期の半分以下にまで兵士が減っている。
「我々特務隊は、私の『黒鉄騎士団』が3000人、サイモン殿の正規軍が5500人、ジョンの部隊が約300人です」
黒鉄騎士団は西方では名の知れた強豪だったが、大陸中央部まで来るとほとんど知名度は無い。
騎兵と歩兵の混成部隊で、練度は王族派の騎士団に負けず精鋭揃いだ。
サイモンの指揮する部隊は名のある騎士団ではなかったが、連合の正規兵で固められている。
数は最も多く、サイモン隊だけで王族派の総数を若干上回る程である。
指揮官のサイモンのおかげで統率が取れており、今回の作戦でも活躍が期待できる。
雑に名前も挙げられなかったジョンの『無名の旅団』は、元義賊で構成された工兵部隊。
数も少なく軽装備で、正面からの戦いには不向きだが、他の部隊にできないような特殊任務を得意としていた。
「敵側の大臣の私兵は、およそ2万と見られている。ウィルヘルム」
ギャレスはそう言いつつ、隣に立つ参謀に指示を出す。
「はっ」
ウィルヘルムと呼ばれたその男は、長身で細身、魔術師と思われるローブを羽織り、涼し気な顔にはモノクルをはめていた。
彼はギャレスの指示を受けて、戦場となる王都カヴェナンター周辺の地図に敵味方の駒を並べていく。
敵の兵力を断言しないのは、大まかな見当しかついていないせいだ。
常に監視されていた王族派は王都の様子を探ることもままならず、敵の総数を把握できないでいた。
(予想より多いことも少ないこともあり得るわけか。楽観はせぬ方がよいな……)
クラウスは話を黙って聞きつつ、そう考える。
その間にウィルヘルムは、王都を囲うように敵の駒を配置した。
「敵の指揮はバルバリーゴの守護騎士、ボウマンが執るでしょう」
キラを罠にはめた男、ガストン・ボウマン。今回も彼が出て来ると王族派は見ていた。
大臣そのものは軍事に詳しいわけではないが、ガストンは違う。
ベテランの軍人にして騎士団長、侮れない相手だ。
「我々が事を起こすと知ったボウマンは、まず守りを固めるでしょう」
聖剣を持ったキラが王城の議会へ到着すれば、そこで大臣の負けが決まる。
ガストンは意地でも貴族や正規軍と接触させまいと防御陣地を展開するはずだ。
その上で、王族派の動きが遅いと見れば討伐軍を屋敷に差し向ける。
敵軍が攻勢に出る前に、彼らは先手を打たなくてはいけない。
「王都周辺は平地で、死角を突けるような地形はありません」
ウィルヘルムは敵側と相対するように味方の駒を並べ、言葉を続ける。
「可能性があるとすれば、広く薄く布陣した防衛網を一点突破することです」
数の上で劣勢なのは明らか。潰し合いをしては王族派が負ける。
キラを議会まで送り届ければ勝ちならば、真っ向勝負するよりも突破した方が早い。
「そこでまず、殿下の影武者を使って敵部隊をおびき出し、西側にある山林で足止めします」
何せ王女の首が取れるとなれば、大手柄に釣られて敵部隊は前のめりに出てくるだろう。
ウィルヘルムは敵味方の駒を移動させて全員に説明する。
「この足止めは、リチャードソン様の特務隊にお願いします」
山林には既に味方の駒が多数配置されていた。
ようは敵を釣って待ち伏せする作戦だ。
「そして抜けた穴から、本物の殿下を連れた鉄騎隊で突入します」
アルバートの鉄騎隊は全員が騎兵で構成されるため、機動力で群を抜いている。
クルセイダーはその補佐に周り、なるべく敵を鉄騎隊に近付けさせないのが仕事だ。
(ふむ、流石は王国の騎士団長。私が口を出すまでもないか)
クラウスは納得したようにうなずく。
説明は参謀のウィルヘルムが行っているが、ギャレスが立てた作戦であることは明らかだった。
「待って頂きたい。本当に議会はキラ王女の登場で味方につくのでしょうか?」
ここで口を挟んだのが、サイモンだった。
ギャレスはキラを送り届けることを勝利条件と考えているが、もしその前提が間違っていたら?
当然の疑問と言えた。
「完璧な保証はしかねる。だが、これが一番可能性が高い手段だ」
もし奇跡的に大臣の私兵部隊を倒したとして、王国貴族に新しい政権の正当性を認めさせなければ、今度は国全体と争うことになる。
それこそ、キラの意向に反してアルバトロスに助けを求めなければ、到底勝ち目のない戦いだ。
ギャレスはその上で、王家の生存者が己の身分を立証することが、大臣の正当性を崩壊させる最も有効的な方法だと説明した。
まだ納得しない様子のサイモンに対し、スコットとジェームズは不快感を露わにする。
「殿下と聖剣を疑うというのか? クロムウェル卿、やはり帝国の連中との共同戦線など無理です!」
彼らにとって王家とは仕える主であり、国の象徴そのもの。
それが貶されたように感じ、スコットはまくし立てた。
彼は普段臆病だが、自分より立場が低いと見た相手にはカッとなりやすい悪癖があった。
それを知っていたライオネルは、静かに手で制すると口を開く。
「王国にとって、君主たる王家はそれ程に大きい存在だ」
この一言に彼らの価値観がこもっていた。
その上でライオネルは続ける。
「……万が一、姫様の生存を知っても味方につかない程議会が腐っていたのなら、我々に望みは一切無かったということだ」
これは国を取り戻す戦争であり、ただ敵を倒す戦いとは違う。
その国が根底から腐っていた場合、キラと聖剣があろうが無かろうが、彼らに勝ち目など無いのだ。
「賭けにはなるが、これ以上に勝率の高い賭け方が無い。それで納得して貰えるかね?」
政治形態の違う王国のやり方には疑問は残るものの、仕方なくサイモンも引き下がる。
サイモンがこういう男だと知ってはいたものの、クラウスもジョンも内心は冷や冷やとしながら見守っていた。
「こほん。私はローラン殿の作戦通りで問題無いと考えるが、いかがか?」
流れを変えようと、クラウスは部下に向けてそう言った。
「いいんじゃないですかね? 敵が来る場所が分かってりゃ、罠を張ったり色々とできまさぁ」
真っ先に答えたのは、ジョン。
数百名程度の雑兵のように紹介された彼は、ついでに『無名の旅団』の売り込みも行った。
「……不安要素が大きいが、他に無いなら仕方ない」
サイモンも渋々といった様子だが、キラを要とする以外は作戦に不服は無かった。
アルバトロス側の反応を見て、ウィルヘルムは打ち合わせ通りに説明を続ける。
「エドワード様は、後方の本陣で総指揮を執って頂きます。クロムウェル卿、エクセター卿、ドーセットシャー卿、サウサンプトン卿の部隊でしっかりお守りします」
こうは言うものの、兵法に疎いエドワードはほぼ飾りで、実際の指揮はライオネルの仕事になるだろう。
そしてほぼ全戦力を王城への突入のために割くため、兵力は王族派の私兵数百人程度。
もし隙を突いて敵軍が攻め込んできたら、まず助からない。
それを承知の上で、エドワードは了承した。
「ああ、分かった。キラには危険な役を任せてしまって、すまないね」
クルセイダーと鉄騎隊が手厚く守ると言っても、最前線に出て城に突入しなければならない点ではキラも非常に危うい。
しかし王国貴族を説得する役割は、聖剣を持つ彼女しか担えなかった。
「そんな。私はたまたま聖剣があっただけです。叔父さまこそ、気をつけてくださいね?」
キラにそう気遣われながらも、それでもエドワードが本陣に立つのは人手不足と面子のためであった。
戦術の基本は戦力の集中。二人の王族にそれぞれ兵を割いていては分散となり、攻めも守りも不足する。
ならばとギャレスは思い切り、ほぼ全ての戦力をキラに注いだのだった。
そして国の行く末を左右する決戦に、エドワードが参加しなかったと言うのでは後々示しがつかない。
結果、飾りとしてでも最低限の兵力と共に戦場に立たなければいけなかったのだ。
「失礼。我々の側はある程度兵力に余力があります。いくらか本陣の護衛に回すのは?」
サイモンはそう提案する。
「ふむ。敵の足止めだけならば、全兵力でなくとも可能か……。クロムウェル殿、よろしいですか?」
ここは余裕のある特務隊から兵を出すべきと、クラウスも戦友サイモンの提案に乗った。
「そちらも苦しいだろうが、是非とも頼みたい」
ライオネルとしても、エドワードの身の安全は何とか確保したい。
それこそ王族という要人を外国の軍に委ねるとしても、この場で外国人に頭を下げるとしても、だ。
「私からも、お願いします」
同じく叔父を案じるキラもまた、ライオネルと一緒に頭を下げた。
ここまでなら良かったが、クラウスに異変が起こる。
「あ、あ、いや、あ、は、はっ……」
キラに言葉をかけられた途端、それまでの毅然とした態度が一変、不自然に目を泳がせてしどろもどろになった。
これには王族派だけでなく、彼の横で見ていたサイモンとジョンも顔を見合わせる。
少し頭を下げているようにも見えるが、その動きはあまりにもぎこちない。
「お、おい、大将どうしちまったんだ?」
ジョンは小声で隣のサイモンに尋ねる。
「もしや……女嫌いとは聞いていたが、これ程までとは」
まさか軍議の場において、外国の王女相手でもこうなってしまうとは、サイモンとて読めなかった。
恐らくそれはクラウスを指揮官に任命したカイザーも同じで、彼の女性嫌悪がここまで重症だと知っていたら、指名しなかっただろう。
対してロイース側は、まずスコットが顔を真っ赤にして怒り出した。
「き、貴様っ! 殿下に対して何だその態度は! 不敬罪だぞ!」
彼らが怒るのも致し方なく、国の象徴たる王族を侮辱されるということは、王国そのものに泥を塗られたも同然である。
スコットだけでなく、ジェームズとマチルダも顔をしかめて不快感を露わにしている。
ジョンはその間にも逃げ道はどこかと考えていた。
(やっべー……もうどうにもなんねぇぞ、これ。サイモンの旦那だけでも連れて逃げるか?)
そのサイモンは混乱して立ち尽くしており、クラウスの隣のトマスはどう説明したものか慌てていた。
唯一、クラウスを挟んでトマスの反対側に立つナスターシャだけは臨戦態勢に入っており、いざとなれば徹底抗戦する構えを見せる。
会議が紛糾しそうになったその時、声を上げたのは他でもない、侮辱されていると思われている当人のキラだった。
「おやめなさい!」
今にもクラウスに掴みかかりそうなスコットを鶴の一声で制するキラ。
「クラウスさんは、私が王女だと分かる前から親切にしてくださった方です。失礼は許しません」
前日の会議に続いて、エドワードとライオネル、アルバートは呆気に取られて顔を見合わせる。
スコットはなおも納得いかない様子だったが……。
「し、しかしですね殿下。あやつは殿下を侮辱して……」
「侮辱ではありません、緊張しているのです。クラウスさんが女性を苦手としていることは、私も聞いています」
以前黒鉄騎士団に預けられた時、話し相手をしてくれたナスターシャが教えてくれたことだった。
詳しい話は聞けなかったが、とにかく辛い目に遭って今に至ったということは知れた。
「大丈夫、約束は必ず守ってくれる方です」
こう言われてはスコットも黙る他無く、彼に続いて抗議しようとしていたジェームズも言葉を引っ込める。
いったん場が落ち着いたことを確認したキラは、青ざめて固まっている特務隊の面々に向けて頭を下げて謝罪した。
「すみません、皆さん。今だけは許して頂けませんか? 皆さんの協力無しでは、作戦は成功しません」
「あ、その……」
面と向かって返事ができないクラウスは恐る恐る、トマスに耳打ちする。
「此度の無礼、大変失礼致しました。王女様の寛大な措置に感謝を。我々もあなたを侮辱しに来たわけではないのです」
そう代弁するトマスも、藁にもすがる心境だった。
戦場では『闘将』と呼ばれ恐れられた彼も、今回に限っては生きた心地がしない。
トマスに制されてナスターシャも戦いの構えを解き、成り行きを見守る。
「私達は王国を取り戻し、連合国と停戦するために集まっています。今はそのことを考えましょう」
そう言って場を纏めようとするキラも、内心は気が気でない。
ロイース側とアルバトロス側を牽制するように間に立ち、双方の顔色を伺う。
「姫様の仰る通り、ここで事を荒立てるのは賢いとは言えまい。どうかな、ドーセットシャー卿、サウサンプトン卿?」
「は、はぁ……」
ライオネルまで助け舟を出しては、スコットもジェームズも矛を収めるしかない。
事実上、互いに過失があったとして水に流す形だ。
「殿下がそう仰っしゃられるのでしたら」
不快感を表していたマチルダも、その一言で引き下がった。
ほっと一息つきつつ、キラはトマスに小声で話しかける。
「クラウスさんに、私の顔を見ないように伝えてください」
女性と面と向かおうとすると半ばパニックに陥ってしまうため、それを避ける狙いだ。
トマスはうなずき、そのことをクラウスに耳打ちする。
「う、うむ……。皆、すす、す、すまぬ」
クラウスは部下にまで言葉がどもるが、調子は持ち直しつつあるようだ。
「ったく……。頼みますぜ、大将」
首が飛ぶかと思ったジョンは小声で愚痴をこぼした。
キラは危うく決裂しかけた会議を、王家の威光あってとは言え一人で持ち直させた。
その手腕を見ていたジョンは、警戒を解きつつ考える。
(噂のお姫様、どんな人物かと思ってたが……。この状況で国盗りしようってだけあって、肝が据わってやがる)
彼の知る王侯貴族は保身第一で、必要であっても人前で頭を下げられないような輩ばかりだった。
一味違うということはサイモンも同感のようで、目線の合ったジョンに軽くうなずく。
「えーっと、ではローラン団長のこの作戦で構いませんね?」
同じく緊張していたウィルヘルムは、双方を見やりながら話を纏めようとする。
しばし思索した後、各々はうなずいて同意を示す。
「……決まりだな。出陣は明日の早朝、今夜のうちによく食べて休み、英気を養うように」
ライオネルがそう締めくくり、軍議は終了となった。
各々会議室から撤収する中、ライオネルの後に続いて部屋を出ようとしたスコットとジェームズを、キラが呼び止める。
「さっきはすみません、怒鳴ったりして」
彼女は軍議の決裂を回避するため、二人を強引に止めたことを詫びて、頭を下げた。
「い、いえ! とんでもない」
想定外の展開に、スコットは思わず恐縮してそう言う。
ジェームズも少し慌てた様子だ。
「頭をお上げください、殿下。会議中に激昂した我々も悪いのです」
二人の言葉を聞いて、キラの側も安心したようだった。
「ありがとうございます。明日は生きて帰りましょうね」
そのやり取りを見ていたギャレスは、口を挟まなかったが内心では驚いていた。
(王女殿下は人に頭を下げることにためらいが無い……。平民として一年過ごした影響だろうか?)
王族と言えば気位が高く、滅多なことで自分の非を認めることはしない。
否、面子を保つためにできないのだ。
身分を問わず対等に接する彼女のあり方は、果たして吉と出るか凶と出るか。
そんなことを考えつつ、ギャレスはアルバートと共に騎士団へ会議の結果を伝える。
クルセイダーも鉄騎隊も、いつ来るか分からぬ決戦の時を待っていた。
いつでも出撃できるよう兵士、そして軍馬の備えは万端だった。
一方、クラウス達率いる特務隊も慌ただしくなり、明日の出撃に備えて準備を行う。
同時に屋敷の使用人総出で大量の料理が作られ、特務隊にも惜しまず振る舞われた。
使用人達も戦いの素人なのだが、多くが兵の足しとして戦場に駆り出される。この時代では珍しいことではなかった。
明日、彼らの何割かが死ぬ。
最後の晩餐になるかも知れない食事を噛み締める兵達を見ながら、ライオネルはクラウスの隣に来て話しかけた。
「明日の決戦、負けられん。リチャードソン殿、頼りにしているぞ」
クラウスもそれにうなずく。
「ご期待に応えましょう。これも両国の平和のためです」
そう言いつつ、二人はお国のために死地に向かわせる兵達のことを考えていた。
彼らは平和のためと言いつつ、戦いを起こして血を流そうとしている。
敵も味方も家に帰れば家族が居る身だ。
「……リチャードソン殿から見れば、滑稽かも知れんな。ロイース人同士の争いというものは」
ライオネルがぽつりとこぼす。
これは言わば王国の内乱だ。共食いもいいところである。
「私も西方の出です。滅多なことは言えますまい。西方も群雄割拠と言えば聞こえはいいですが、同士討ちに変わりありませぬ」
そういう意味では、ロイース王国も西方諸国も似たようなものかも知れない。
「私はただ、兵達にお願いすることしかできぬ身です。民のために命を預けてくれ、と……」
その言葉を聞いたライオネルは、小さくため息をつきこう言った。
「私も同じだ。部下を死地に向かわせる度に思う。もっといい方法があったのでは、とな」
彼はモノクルを外して拭きながら、手元に目線を落とす。
「我々が正しかったのかどうか、それは後の歴史家が決めることだろう」
「そうですな……。今は正しいと思うことをやる他ありませぬ。皆もそれは分かってくれておるでしょう」
両部隊の大将が複雑な面持ちで見守る中、日は暮れていく。
避けられない戦い、カヴェナンター奪還戦が始まろうとしていた。
To be continued
登場人物紹介
・クラウス
ここまで女嫌いが重症とは、この海のサイモンの目をもってしても読めなかった!
明らかに人選ミスだった。
この後で汚名挽回()できるのか?
・キラ
やめなさい!!
巨大ロボの手でビンタしないだけ有情。
方々に頭を下げて回って、王女も中々大変な仕事だ。




