表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルカリム  作者: Pixy
第二章 逃避行編
28/94

第28話 『レアな魔術師』

飢えたる者は鳥をも食らう。

 村で補給を済ませて出発し、二日。

 ギャングの下部組織である盗賊団の襲撃を警戒しつつ、キラ一行は北の教皇領を目指していた。

 幸いこの二日は敵の攻撃もなく、順調に道を進んでいる。

 とは言っても先を急ぐ強行軍であることに変わりはなく、馬車もなしに徒歩で進む中、キラやヤンと言った体力に自信のないメンバーは既に息切れを起こし始めていた。

「キラさん、大丈夫ですか? もう少し進んだら、今日はそこで野営にしましょう」

 傷が塞がり、前線に復帰したルークは周囲に注意を払いつつ、苦しそうに早足で歩くキラを案じる。

「はぁ、はぁ……。わ、私は平気です。それよりも、ルークさんは傷が痛んだりしませんか?」

「もう大丈夫です。ご心配をおかけしました」

 何も問題ないかのように振る舞うルークだが、その表情に陰りがあることをキラは知っていた。

 霧の森でギャング団に敗北して以来、ルークは何かを胸中に抱えていた。

 それが何なのか、キラも知らない。

(やっぱり心配だし、思い切って聞くべきかな……? でも、土足で踏み込むようなことはしたくないし……)

 ルークが心に抱える闇を知ろうとしたら、彼がどこか遠くへ行ってしまうような、そんな不安がキラにはあった。

 結局、ルークを苛む影の正体が何なのか、キラは聞くに聞けず悶々としながら、雑木林の中の道を進んでいく。

 一行がしばらく進むと、先頭で敵の警戒に当たっていたユーリが突然足を止める。

「どうした? 敵か?」

 反射的に盾を構えるエドガーだが、ユーリの視線は頭上――上空に向けられていた。

「なるほどな、通りでこちらの位置が筒抜けなわけだ」

「ユーリ?」

 不審に思ったギルバートも隣に立ち、同じように上を見上げる。

 するとユーリの視線の先には、一羽の鷹が旋回していた。

 獲物でも探しているのだろうか。

「あー? ただの鳥だろ、あれがどうしたってんだよ」

 また敵が襲ってきたのかと身構えたディックは、拍子抜けしたようにそう言った。

「よく見ろ。あの鷹の足には、赤い足輪がはまっている」

 狙撃手であるユーリの視力は桁外れだ。

 他の仲間はじっくり凝視してもよく分からなかったが、野生の鷹に足輪がはまっているはずもない。

 そこから導き出される答えはひとつ。

「人間に……鷹匠に飼われた、狩猟用の鷹ということか」

 口に出しつつ、エドガーは背筋に冷たい汗が流れるのを感じた。

 敵は鷹を使い、上空からキラ達の位置を常にポインティングし、その上で盗賊団などをけしかけて来ているのだ。

 最初はただの野生の鷹かと思っていたユーリも、ずっと自分達の頭上を旋回することに違和感を感じて凝視した結果、足輪に気付いて人に飼われた鷹だとわかった。

 ユーリは当たらないことを覚悟の上で頭上の鷹に矢を射るが、案の定すぐに攻撃を察知した鷹は空中でひらりと身をかわしてしまう。

 調教の過程で人間の攻撃動作を学んでいる証拠だ。

 本来、鷹狩は主に野生動物を狩猟するために鷹を飼い慣らすものだが、キラ一行を追ってきている鷹匠は人間を狩ることを前提に鷹を調教していた。

 鷹を始めとする猛禽類は非常に視力が高く、遙か上空からでも獲物を見分けて追跡することができる。

 ともすれば、猟犬よりも恐ろしいポインターとなり得る。

 敵は鷹が上空からポインティングする地点を追ってくればいいのだ。

「ふむ……。あんなものに監視されては、逃げてもキリがないじゃろう。どうする?」

 できれば撃ち落としたいところだが、ユーリの腕でも訓練された鷹にはかわされてしまう。

 かと言って、鷹の目を誤魔化す方法などありはしない。

「もっとペースを早めて敵を振り切るか、もしくは鷹匠を見つけ出して始末するかの二択だが……」

 そこまで言って、ユーリは唸る。

「何だよ、敵を倒せばいいならさっさとやっちまおうぜ!」

 逸るディックを、エドガーが止める。

「よく考えろ。鷹匠は直接攻撃しなくてもいい。俺達から距離を取って鷹だけを寄越しているに違いない」

 そう、今追ってきている鷹匠の仕事は鷹を使って獲物であるキラ達の居場所を指し示すことであって、直接攻撃するのは下部組織の盗賊達の役目だ。

 鷹匠本人は離れた場所から、鷹に指示を出して飛ばすだけでいい。

 わざわざ反撃を受けるような間合いに入ってくるはずもなかった。

「私ももう少し頑張りますから、ペースを早めて逃げ切りましょう」

 話を聞いていたキラは、疲れた様子ながらもそう言った。

 事実、目指す教皇領はもう目と鼻の先。

 あと数日を頑張って乗り切れば、ギャング団でも手が出せない安全圏に入り、そこでゆっくりと休める。

 キラの他にも、ソフィアやカルロ、ヤンはすっかり息が上がってしまっているが、鷹匠への対処法がない今はひたすら逃げるしか道はない。

「……仕方ありません、野営地はもうしばらく進んだ先にしましょう」

 ルークはキラを休ませたいのは山々だったが、ここは無理をさせてでも教皇領へ急ぐべきだと判断した。

 距離が近いとは言え、まだ4~5日はかかる。

 のんびりしていたら、その間に何度敵の襲撃を受けるかわかったものではない。

 数日間無理をさせることになっても、少しでも早く安全地帯に入るべきだと考えるルーク。

「なら、先を急いだ方がいいな。こうしている間にも、敵は鷹を目印に追ってくるぞ」

 方針は決まったとエドガーは先に進もうとするが、ユーリがそれを止めた。

「待て、誰か来る」

「敵か?」

 ギルバートは咄嗟に身構えるが、ユーリは弓を番えたまま雑木林の向こう側を睨みつけたままだ。

「……おかしい。反応は一人だけ、しかもかなり弱っている」

(『反応』? いや、それよりも一人だけとは……)

 ユーリの言葉に、ルークも疑問を覚える。

 これまで、常に敵は複数人でチームを組んで襲ってきた。

 それがいきなり一人だけとは、あまりに不自然だった。

「そこで止まれ!」

 引き絞る弓の照準をその一人に合わせながら、ユーリが鋭く警告する。

 だが相手は聞いているのかいないのか、無警戒にも草むらをざわざわと鳴らしながら、緩慢な足取りで一行に近付いてくる。

「止まれと言っている!」

 ユーリが威嚇射撃として、謎の人物の足元に矢を放つ。

 すぐに次を番えるが、その一射に相手は驚いて体勢を崩したのか、派手に転んだ音がした。

「何だぁ? 敵じゃねぇのか?」

 確認すべく近付こうとするディックだが、ルークはそれを制止する。

「待ってください、罠かも知れません」

 足を止めたキラ達が凝視する中、一度倒れた相手は這いずるようにして草むらの中から姿を現す。

「み、水……」

 何と、相手はまだあどけなさの残る少女だった。

 特徴的な赤いフード付きのケープは泥にまみれ、その奥の顔は酷くやつれている様子だった。

「こいつは敵じゃねぇって! おい、大丈夫か?!」

 相手を目視し、確信を得たディックは自分の水筒を片手に少女に駆け寄っていく。

 今度は誰も止めず、ディックに続いてキラも今にも死にそうな娘を助け起こそうと近付いた。

 急いで水を飲ませたものの、数日の間飲まず食わずで林を彷徨っていたせいか少女はかなり衰弱していた。

 衣服などには、ただ木の枝に引っ掛けただけとは思えない、恐らく戦闘の跡と思われる傷がいくつもついていた。

「うーん……お父さん、お母さん、ボクを置いてかないで……」

 そのまま赤いフードの少女は意識を失ってしまった。

 人間はおよそ一週間物を食べなくても生きていけるが、飲水だけは三日断つと命が危うい。

 その点では彼女は幸運を手にしたと言えるが、まだ油断はできない状況だ。

「ど、どうしましょう……?」

 助けたい気持ちは山々なものの、どうしたものかとキラは困惑した表情を浮かべる。

 今すぐにでも安静にさせ、その上で十分な食事を摂らせる必要があったが、次の村まではまだ距離がある。

 少なくとも今日中には辿り着けないだろう。

(助けてやりたいキラさんの気持ちも分からないではないが……この状況、他人の面倒を見ていられる余裕があるだろうか?)

 ルークは冷静に分析する。

 この少女も恐らくは盗賊にやられたのだろうが、自分達も今まさに盗賊から逃げ回っている最中だ。

 更に悪いことに、頭上には敵の放った鷹がずっと滞空している。

(あの鷹を目印に、いつ敵がここへ来るか分からない。だが仮にこの子を置いていったら、どの道我々を追ってきた敵に見つかって、その後は……)

 盗賊に捕まった娘がどうなるかなど、考えるまでもない。

 少女はまだ子供と言えるような年頃で、特に可愛らしい顔立ちをした美人でもなかったが、若い娘であることに変わりはない。

 殺されないまでも、盗賊であれば売り物にしてしまうだろう。

 かと言って、半人前とは言え意識のない人間一人を担いでいくような余力はない。

 ルークとて、いつパーティが全滅するかの瀬戸際で戦っているのだ。

 突然現れた少女の処遇をどうするか、しばし考え込んでいたルークだが、キラの一声で我に返る。

「わ、私がおぶっていきます! 村まで連れていきましょう!」

「キラさん、それは……」

 ただでさえ彼女は強行軍で歩き疲れている。

 その上少女を背負ったとなれば、いよいよ体力の限界で倒れてしまうだろう。

 止めようとしたルークだったが、そこへエドガーが助け舟を出した。

「やめておけ。代わりに俺が背負う」

 エドガーも大盾を担いで装備が重い身、わざわざ見ず知らずの子供を荷物として背負うのは避けたいところだろうが、キラへの贖罪の意味もあるのだろう、意外にも率先して名乗りを上げた。

 だが彼も敵から襲撃を受けた際は、パーティの盾として前線に立ってもらう貴重な戦力だ。

 いざという時、少女を下ろす手間を取られたせいで咄嗟に反応できなくては、下手をすれば仲間全体への損害に繋がりかねない。

(……いや、止める必要はないか)

 ルークは考えた末、キラの意向を受け入れることに決めた。

 元はと言えば、首都アディンセルで行き倒れていたキラを助けたことが、この旅の始まりでもある。

 何のことはない、一番最初に見ず知らずの他人に手を差し伸べていたのはルーク自身だった。

「分かりました。村まで送り届けましょう」

「もし重ければ、途中でワシが代わろう」

 一番体力があるため、荷物持ちをしていたギルバートがそう言った。

「子供一人くらい、担いでいく力は残してある」

 エドガーは大盾と一緒に少女を背負う。

 倒れていたので分かりづらかったが、外見年齢を考えても少女は小柄で、痩せ細っていた。

 少女を助けると決めた一行は、鷹の追跡を受けながらも先を急ぐ。


 少しでも早く村に到着しようと、キラ達は棒のような足に鞭打って歩き続けた。

 無理に無理を重ねて日暮れ近くまで早足で歩き続けた一行だが、目前にぽつりと存在する民家の明かりを発見する。

「ルーク、どう考える?」

 普通なら飛びつくところだが、ここは敵の勢力圏内。

 ギルバートは遠目から慎重に様子を窺う。

「一見ただの民家のようですが、賊が潜んでいる可能性もあります」

 民家の中や周囲の気配を探り、警戒しつつ接近するルーク。

 どうやら周囲に人影はなく、建物の中も人の気配はするが大勢ではないようだった。

「……反応は二人だけだ。ただの民間人だろうな」

 同じく建物に近付いたユーリは、どうやって確認したのか人数まで言い当ててみせた。

 実際、ルークが窓からそっと中を覗いてみると、老夫婦の二人暮らしのようだ。

 庭には畑があり、その収穫で暮らしていると考えられる。

「安全なようですね。キラさん、ここであの子供を休ませられそうです」

「よかった……!」

 安心したキラは、胸を撫で下ろしつつ民家のドアを叩く。

「すみませーん! 旅の者なんですが……」

 すると程なくして扉が開き、人の良さそうな丸眼鏡をかけた老婆が姿を現す。

「はいはい、何でしょう?」

「あ、あのっ! 近くで倒れていた子供を見つけて、それで、休めるベッドと食べ物を分けて頂けないかと……」

 キラの言葉に合わせるように、エドガーは後ろを向いて背負っている泥だらけの少女を見せた。

「あらまあ大変! すぐにお入り、食事とベッドの用意をするから!」

 人が良さそうなのは外見だけではなかったらしい。

 老婆はすぐに一行を家に招き入れると、慌ただしく動き出す。

「お爺さん、大変よ! 旅人さんが、行き倒れた子供を連れてきたんですって! すぐにお湯を沸かして!」

「し、失礼します……」

 そう広くない民家にぞろぞろと入ってきた一行を見て、老人も目を丸くした。

「あんた方、随分と疲れとるな。顔に出とる。もしかしなくても、盗賊に追われとるのかい?」

 ここはキラに代わって、ルークが事情を説明する。

「はい、仰る通りです。ですので、あの子供を預けたら我々はすぐに出て行きます」

「いや待ちなされ、そう焦らんとも……。皆酷い有様だ、何か食べないと身体を壊すぞ」

 引き留める老人の言葉に甘えたいのは山々だったが、盗賊に追われている身で長居するわけにもいかない。

 ルークはそのことを伝えて断ろうとした。

「我々の位置はもう敵に知られています。ここに留まれば、あなた達にも危険が及ぶでしょう。その前に立ち去ります」

「分かった……。だがせめて、軽く食事だけでも済まさんか? さっきの娘さんや、そっちの若い僧侶などは今にも倒れそうだ」

 ルークはしばし考えた。

(他意があるわけではなさそうだ。それに、こちらも色々と限界が近いのも事実。短い間だけでも、休憩させてもらった方がいいだろうか?)

 体力のないキラやソフィア、カルロにヤンなどは、いつ二人目三人目の行き倒れになってもおかしくない。

 これ以上歩けない人間を増やしてしまったら、それこそ教皇領に辿り着く前に足止めを食らってしまうだろう。

「……そうですね、お言葉に甘えさせて頂きます。なるべく、ご迷惑はかけないようにしますので」

「ああ、そうしなされ。ひとまず、皆さん座って休んでいてくれ。すぐ飯を作る」

 そう言った老人は、自らも立ち上がって限りのある椅子を空けた。

 取り急ぎ意識のない少女を老婆の用意してくれたベッドに寝かせ、残る面々は疲れ切っている者を優先的に座らせ、他は床に腰を下ろし、小さな民家に身体を縮めるようにして小休憩を取った。

「そうだ、私も手伝います!」

 少し休憩して余裕が生まれたキラは、立ち上がると台所へ向かう。

「あらあら、休んでいても大丈夫なのに」

「お婆さんに任せっきりは悪いですから。料理くらいなら多少はできます」

 こうして、キラと老婆の二人は急いで食事の準備を行った。

 かつてルークと分担して料理をしていたキラは疲れていても手際よく調理を進め、すぐに倒れていた少女の分も含めた遅めの夕食が完成する。

「皆さん、できましたよ。頂きましょう」

 そう言ってテーブルに皿を並べるキラも、歩き詰めで空腹だ。

 全員分の席はなかったため、ギルバートやエドガーなど体力のある者は立ったまま、狭いテーブルに身を寄せるようにして食事にありついた。

「あーうめぇ! やっぱ携帯食とは違うよな!」

 乾パンや干し肉とは段違いのご馳走にがっつくディック。

 すると、民家の奥から一行の声を聞きつけたのか、目覚めた少女がのそりと姿を現す。

「いたた……ボクは、一体……?」

「よかった、目が覚めたんですね!」

 ベッドで休ませてもらったおかげで、何とか自力で歩けるくらいには回復した様子だった。

 状況がまだ飲み込めていない様子の少女だったが、次に口を開くよりも早く、腹の虫が鳴る。

「お腹空いてるんでしたよね? スパゲッティもありますよ」

 テーブルの上の料理をキラが見せると、少女は目の色を変えた。

「スパゲッティ?!」

 緑と黄色で左右で色の違う瞳を輝かせ、半ばひったくるようにキラから皿を取り上げてパスタに食らいつく少女。

 よほど飢えていたのか、口の周りや服が汚れることも全く意に介さず、キラの作ったパスタを胃袋にねじ込んでいく。

 あまりの勢いに被っていた赤いフードが外れ、泥に汚れていながらもきれいな発色の銀髪が露わになる。

「はむっはふはふっはふっ! もがもが……んぐっんぐっ!」

 喉に詰まりかけたところを、スープで強引に流し込んで一皿完食した彼女は、まだ足りないのか今度はディックが食べていた分のパスタの皿に飛びついた。

「あっ、こら! それ俺のだぞ!」

「はぐっはぐっ! もごもご! んごんごごー!!」

 ディックは抗議するも、少女は一度口に入れたものを決して離そうとはしない。

 その食べっぷりは、ついさっきまで行き倒れて意識不明だったとは思えない程に元気だった。

「焦らなくても、まだありますよ」

 キラが追加のおかわりを出してやると、赤いフードの少女はようやくディックの皿から離れてそちらに食いついた。

「まったく、何つーガキだ……」

 いくら空腹だったとは言え、人の分まで取ろうとする食い意地汚さに流石のディックも呆れるが、彼の呟きなど少女の耳には入っていない。

「がっがっがっがっ……! むぐ、むぐ! んんっ?!」

 とうとう麺が喉に詰まり、オッドアイを白黒とさせる少女。

 それでも口の中の料理は出そうとせず、仕方なくキラは水を飲ませて落ち着かせた。

「はい、あんまり焦って食べると危ないですからねー」

 ゆうに2~3人分は食べただろうか、少女はようやく落ち着き、今度は不思議そうにキラ達の顔を見回す。

「林で倒れておったところを拾ってここまで連れてきたんじゃが、何があった?」

 ギルバートが尋ねると、少女はしどろもどろになり返答に困った。

「え、えーっと、えーっと……」

 左右で色違いの目が右に左にと視線を泳がせる。

 緊張しているのだと気付いたキラは、なるべく優しい声で自分から名乗った。

「私はキラ。旅人です」

 それを皮切りに、キラに倣うようにしてパーティの面々は簡単に自己紹介を済ませた。

「あの、ボ、ボクはレア……。レア・ヤロヴィーナ……」

 伏目がちに少女はレアと名乗った。

「お年はいくつ?」

「じ、15……」

 キラがしゃがんで視線の高さを合わせながら尋ねると、レアは素直に答えた。

「改めて、何があったか聞かせてもらえますか?」

 ルークもなるべく落ち着いた調子で質問するも、よほど警戒しているのか肩をびくりと震わせるレア。

「その、盗賊に襲われて……」

「大丈夫、私達も盗賊とは敵同士だから」

 キラのその言葉で安心したのか、ぽつりぽつりとレアはここに至るまでの経緯を話し始める。

 レアは元々、冒険者パーティのメンバーの一人で、唯一の魔術師だった。

 リーダーは数日前、この近辺の盗賊退治の依頼を引き受け、レア達仲間を連れてやってきた。

 だが事前情報よりも盗賊は手強く、パーティはほぼ一方的に蹂躙される。

 次々と倒れる仲間を見て、怖くなったレアは自分の足に強化魔法をかけて、早足で逃げ出してきたと言う。

 命からがら盗賊から逃げたはいいが、仲間は全滅。

 たった一人残されたレアの、孤独な逃避行が始まった。

 水や食糧などの物資も持たずに逃げ出したため、飲み食いする物が何もない状態で彼女はひたすら逃げ回ったらしい。

 それでも数日生き長らえたのは、彼女が他者から生命力を吸い取る術を得意としており、それで周囲の木々から体力を吸い上げたおかげだった。

「はぁ……。仲間は全滅するし、盗賊には追いかけられるし、ボクもうどうしたらいいか……」

 キラ達に拾われたことで辛うじて命は繋いだものの、先を考えると絶望的な状況だ。

 そんな時、意外にも今まで黙っていたカルロが口を開く。

「な、なあ、この子を教皇領まで連れて行けないか?」

「そうね、ここで放り出したら確実に死ぬわ。せめて安全圏に着くまで、一緒に行動しましょうか」

 ソフィアもこの状況で、レアを置いていくような鬼ではない。

 そしてエリックとエレンの二人を、状況が許さなかったとは言え見捨てて来たことへの負い目もあった。

「うむ、じゃが教皇領に着いた後はどうする?」

「確かに……。魔術師だと言うなら、教皇領も安全とは言い切れないかも知れません」

 魔術師と教会の軋轢に詳しいギルバートとルークは、顔を見合わせた。

 教会の信者にとっては、未だに魔術師は討伐すべき邪悪な『魔女』、例え元服前の子供でも容赦はない。

「その言い方は引っ掛かりますが……僕も、子供を見殺しにはできないと思います」

「教皇領がまずいなら、その先のドラグマ領内で良さそうな場所を探せばいい」

 ヤンとエドガーも同意する。

 善人に出会えたことは喜ばしいのだが、見ず知らずの半人前の魔術師をこうも容易く受け入れてくれることに、レア自身は些か抵抗を感じていた。

(うわぁ、お人好しばっかり……。ボク、こういうの苦手なんだけどなぁ。根が明るい善人だらけの中でうまくやってける気がしない……)

 そんなレアの心中を知らず、ディックとメイも頷いて彼女をパーティに受け入れることに同意した。

「うん、安全な場所まで連れて行こう」

「人の飯を取るようなガキだが、まあそういうことならしゃーねーな。俺が守ってやるとするか!」

 馴れ馴れしくも肩を叩くディックを睨むように見上げながら、レアは距離を取る。

(出たよ、チャラ男……! ますます苦手だわ、こういうタイプ。あーでも一人じゃすぐ死んじゃうからなぁ)

 レアの苦手意識も知らず、ディックは笑いながら続けた。

「このディック様がついてんだ、大船に乗った気でいろよ、チビ助!」

 だがその一言が、レアの逆鱗に触れた。

「誰がチビ助か! レディに向かって失礼じゃないの?!」

「いや、だってチビはチビだろ」

 レアは15歳という年齢を考えても小柄だった。

 誰しも思っていても口に出さなかったが、ディックに遠慮を求める方が無理というものだ。

 何が悪いのか分からないディックに、レアは食って掛かる。

「チビ言うな! これでもあと一年で大人なんですけどぉ?!」

「大人って言う前に、まず飯食うマナー何とかしようぜ……」

 ディックの食べかけのパスタを横取りしたことと言い、がっつくあまり口の周りや服にソースがこびりついたことと言い、あまり育ちが良さそうには思えなかった。

(あのディックさんが、珍しく常識的なことを言っている……)

 これには流石のルークも驚きだった。

「うっさいうっさい! あんたこそ、デリカシーのない頭ン中おこちゃまなんじゃないの?!」

「ふっふっふ……! 俺はもう既に22! お前のような本物のガキとは違うのだぁ!」

 しばしそうして、同レベルの言い合いを続けていたディックとレアだが、取っ組み合い寸前のところでユーリが割って入った。

「そのくらいにしておけ。じきに敵が来る」

 その一言で、二人のやり取りを微笑ましく見守っていた一行に緊張が走る。

「距離は? 規模は何人ですか?」

 ルークも原理は知らなかったが、彼はかなり離れた距離から敵の正確な数を言い当てることを理解していた。

「あと10分もすれば接敵する。数は20人ちょっとだ」

「移動すべきですね。ご老人、色々とお世話になりました」

 すぐに逃げるべきと判断したルークは、老夫婦に頭を下げるとキラを連れて民家を後にしようとした。

「待てよルーク! 盗賊が来たら、この爺ちゃん達危ないんじゃねーのか?! 礼を言うんだったら、この家守ってやるべきだろ!」

 ここは村からも離れて、ぽつんと建っている一軒だけの民家。

 賊に襲われればひとたまりもないとディックは考えた。

 だが、そんな彼の考えをユーリは一蹴する。

「こんな何もない一軒家を好き好んで襲いはしないだろう。採算が取れない。他人よりまず自分の心配をしろ」

 それに続き、エドガーも頷く。

「同感だ。むしろ、下手に俺達が関わったと知れた方が、ご老人に迷惑がかかる。ここに踏み止まるだけ、無意味だ」

「そうじゃな。ディックよ、ここは無関係ということにして、ワシらは去った方が得策じゃ」

 逸るディックをたしなめたギルバートは、盗賊が迫っているという中でも落ち着いた様子の老夫婦に向き直る。

「本当に助かった、感謝する。盗賊にワシらのことを聞かれたら、『追い返した』と言っておくんじゃ。そうすれば見逃してもらえるじゃろう」

 そのやり取りを見ていたレアは、ここで敵を迎撃することにならなくて済んだことにほっと胸を撫で下ろした。

(あの馬鹿に流されないパーティでほんっとよかった……。判断力はそこそこ信用してもよさそうかも)

 それでも老夫婦が心配なディックは食い下がろうとするが、この場所に住んで長いためか二人共慌てる様子は見せなかった。

「で、でもよ……!」

「安心なされ、お若いの。こんな老いぼれから盗る物なんぞ、ありゃせんことは向こうも承知しとる」

 もう敵がここに到着するまで、あまり時間はない。

 一行は老夫婦に礼を言いつつ、小さな民家から出て行った。

 最初はせめて何らかの謝礼を払おうかと考えていたソフィアだが、状況が状況なだけにやめておいた。

 変に金品を渡していたら、キラ達を一時でも匿っていたことが分かり、かつ盗賊にも老夫婦を襲って盗む物があると示してしまうことになる。

「何もお返しができないのが心苦しいけれど……迷惑にならないよう、私達はすぐ立ち去るわ」

 こんな時でも、老婆は優しげな笑みを絶やさなかった。

「そんなに気にしないで。ちょっとでも旅人さんのお役に立てたなら、それでよかったわ」

 ほんの一時の羽休めをさせてもらった民家を心配そうに振り返りつつ、キラ達は北へ向かっての道を急いだ。

「あのご夫婦、本当に大丈夫でしょうか?」

 早足で逃げながらも二人を心配するキラに、ルークは安心させるように言う。

「ええ。盗賊も言ってみれば商売です、儲けにならないことはやらないでしょう」

 外は既に夜の帳が下りており、本来ならば野営をするべき時間帯だ。

 だがそれでも、盗賊の追手から逃げるために夜の森を一行は歩き続ける。

「……まだ追ってくるな。今回はしつこいぞ」

 しんがりとして最後尾で警戒するユーリが、まだ安心できないことを仲間に告げる。

 そこでふと、新入りのレアが疑問を口にした。

「な、何であんた達、こんなしつこく追われてるわけ? 金塊か何か運んでるとか?」

 そこでソフィアは、簡単にここより南の方でギャング団と一戦交え、逃走中であることを教えた。

「へ、へぇ……そりゃ大変ねぇ」

 他人事のようにそう返しつつ、レアは赤いフードを深く被り直しながら、自分の不運を呪った。

(嘘でしょ、マジか! よりにもよってギャングに追われてる訳アリ集団に助けられるとか、ほんっとツイてない! こんなん詰みでしょ?!)

 彼女自身も下手にこの地の盗賊に喧嘩を売って追われる身となったわけだが、キラ達はそれ以上に危険な相手に目をつけられていた。

 その一員に加わってしまった以上、レアも一緒にギャングの下部組織に追われることになる。

(や、やっぱ今からでもこのパーティ抜けた方が……いやいや、やっぱ単独行動は死あるのみ! 特にボクみたいな半人前じゃ、一人で生きていけないっての!)

 ギャングの追跡を受けるのは恐ろしいが、今はここに一人置いてきぼりにされる方がもっと恐ろしかった。

 渋々レアは他の仲間と歩調を合わせて、夜になっても執拗に追ってくる盗賊から逃げ続ける羽目になる。

 だがそこで、レアは二つ目の疑問にぶち当たった。

「ん? 待てよ……何で、相手はボク達の位置をずっと把握してるのよ? 距離があるなら、とっくに振り切ってるはずでしょ?」

「あれだ」

 そう言って、ユーリは上空で旋回する鷹を指差した。

「……鳥?」

「人間狩り用に飼われた鷹だ。あれが、俺達の位置をずっと指し示している」

 それを聞いたレアは、途端に取り乱した。

「マジか! そんなん、いくら逃げても無駄じゃん! 何とか撃ち落とせないの、あれ?!」

 ここに来るまで、試さなかったはずもない。

 ユーリは首を横に振った。

 それに続き、魔法で遠距離攻撃ができるソフィアも悔しそうに唇を噛む。

「追尾性のある魔法の矢でも、上空の鷹の機動性には追いつけないでしょうね。鷹は人間の攻撃動作をよく熟知しているようだし……」

 それを聞き、レアはぴたりと足を止めた。

「……つまり、あのクソうざい鳥野郎を何とかできれば、逃げ切れるってことよね?」

「おいおい、ソフィアとユーリでもどうにもなんなかったんだ、チビ助にどうこうできる相手じゃねぇって!」

 ディックにそう言われ、少し腹を立てながらもレアは得意げに笑った。

「チビ助言うな! ……ふっふっふ、ボクは名前の通り貴重レアな魔術師なのよ。見てなさい!」

 レアは赤いケープの下から短剣を取り出すと、その切っ先を頭上の鷹へぴたりと向けて、魔術言語で呪文を唱え始めた。

 上空の鷹は一応警戒したものの、この距離で短剣を投擲しても届かないことは訓練で知っている。

 地を這いずる人間が何をするかと、余裕綽々と見下ろしていた。

 対するレアは時間がない中、ゆっくりと的確に発音の難しい魔術言語の詠唱を進め、丁寧に術を構築していく。

 一行からすれば、普段詠唱を短縮しているルークやソフィアを見ているのでまどろっこしく映ったが、普通の魔術師とは本来こういうものだ。

 ようやく術が完成すると、頭上で旋回していた鷹の動きに明らかな変化が現れる。

 突然、脱力したように動きが鈍くなったのだ。

「あなた、それって……」

「ふふん! 力を吸い取れば、鷹だろうが何だろうが……!」

 レアが得意とするのは、吸収の呪文だった。

 かつてソフィアが初陣の相手として戦った、盗賊団の幹部カミッラが使ってきたものと同じ術だ。

 相手から間接的に生命力を吸い取り、力を奪う。

 分類としては闇の呪文に入る類のものだった。

「は、早く撃ち落としてよ! 長くは持たないんだから!」

 そう言うと、レアは吸収の術を維持するために更に追加の詠唱を始める。

 これをチャンスと見たユーリは、すぐさま弓を引き、力を吸われて動きの鈍った鷹に矢を射る。

「チィッ!」

 鷹は寸前で何とか身をかわし、異常事態だと判断して一度帰還しようとキラ達に背を向けた。

 ユーリが第二射を構えるその間に、今度はソフィアが誘導性を持つ魔法の矢の呪文を同時に複数完成させ、数本の光線で鷹を囲い込むように背後の魔法陣から発射する。

 最初のユーリの矢を完全にかわし切れず、片側の翼に傷を負っていた鷹はとうとう逃げ切れず、ソフィアの魔法の矢をもろに食らって落下していった。

「マジかよ……やったのか?!」

 暗くてよく見えなかったが、ディックは驚きを隠せない。

 ソフィアとユーリの腕は認めていたが、レアがこんな形で役に立つとは思ってもみなかったからだ。

「凄い、こんなこともできたんだね! レアちゃん偉い!」

 関心したキラは、フードの上からレアの頭をなでた。

「んふふっ! パーティの救世主のボクを、もっと褒めるがいいわ!」

 得意になったレアは平坦な胸を張って不敵に笑うが、敵はこちらの現在位置を見失っただけでまだ追ってきている。

「よくやったな。じゃが、すぐにここを離れんと追いつかれる。もうしばらく移動して、そこで野営にするとしよう」

 脳内で勝利のファンファーレが響いていたレアだが、すぐに現実に引き戻された。

「うへぇ、まだ歩くのか……」

 鷹から僅かだが魔力も吸い上げたレアは、渋々それで自分に速力上昇の強化魔法をかけて足の速さを高めて一行の後について行った。

 月明かりもあまりない心細い夜道を、敵に察知されることを避けるため、ランタンすらなしでひたすら歩く。

 しばらくすると、後方を確認したユーリが口を開く。

「敵は振り切れたようだ。もういいぞ」

 鷹がポインティングしてくれなければ、盗賊もこれ以上追跡のしようがない。

 成り行きとは言え、レアのおかげで何とか切り抜けられたようだ。

 夜になっても歩き続け、皆限界だった。

 この場を野営地にすることを決めると、キラ達は乾パンを水で流し込んですぐに横になった。

「ボクも限界だぁー。もう歩けないぃ……」

 泣き言を言っていたレアも、土の上で毛布に包まると疲れがどっと押し寄せたせいか、すぐにいびきをかいて寝てしまう。

「んごぉー! んごぉー! ふご、ふご……ふがっ!」

「……こいつ、寝てる時までうるさいのな」

 見張りとして起きていたディックが心底呆れた顔を浮かべる。

「気にせず寝てください。後は私が代わります」

 ルークが見張りを交代すると、レアのいびきが猛獣の呻き声のように響き渡る中、ディックもすぐに眠った。

 ちなみにディックはいびきは立てないが寝相は悪く、翌朝になるまで三度、レアの顔を蹴った。


 一方その頃、キラ達から距離のある場所では、ギャングの鷹匠が自慢の鷹を始末されたことに立腹していた。

「くそっ! あのウスラトンカチ共がぁ! 俺の、俺の可愛いキャサリンを!!」

 鷹もいつまでも飛び続ける体力はないため、補給のために定期的に鷹匠の下へ帰るよう教育している。

 だがこの日は、定時になっても鷹は戻らず、おまけにキラ達を見失った盗賊達から鷹が撃ち落とされたことが報告され、鷹匠は怒り心頭といった状態だ。

「落ち着け。もうじき教皇領だ。逃げ込まれたら、俺達でも手がつけられん」

 鷹匠と一緒にキラ達を追ってきたギャングの一人がそうなだめるが、彼の怒りはまだ収まらない。

「その前にぶっ殺してやる!! 他に足止めできそうな下っ端はいないのか?!」

 するとギャング団の構成員の三人目が、ため息をつきながら言った。

「……正直、あのどクズには頼りたくなかったんだがな。こうなったら仕方ない」

「ああ、この地域って言うと、あいつか。確かに、俺達から見ても奴はクズの中のクズだが」

 二人目の男も、渋い表情を浮かべる。

 無法者の彼らにとっても、これから指令を出そうとしている相手は、忌むべき存在だった。

「だが、本隊の方はまだ”あいつ”に手こずってるらしいしな。他に手はないかも知れんぞ」

「まったく、本部もたかだか若造一人に何やってんだか……」

 そんな中、逸る鷹匠が叫ぶ。

「知ったことか!今すぐ伝書鳩を飛ばして指示を出すぞ。奴に期待するのは足止めだけだ。トドメは俺が下す!」

 怒り狂った鷹匠は形振り構わず、指令書を足に結んだ鳩を放った。


 翌朝、疲れも取り切れないままに教皇領に向けて足を進めるキラ達のパーティ。

 唯一の希望は、安全地帯の教皇領がもう目前ということだ。

 何とかポインターの鷹も撃ち落とし、追手を巻いた一行は後はこのまま無事に見逃して欲しいと心の中で祈るが、無情にも行く手を阻む新手の敵が現れる。

 敵の接近を感知したユーリの一声で、一斉に陣形を組んで戦闘態勢を取るパーティの面々。

 だがいざ現れた敵を前にして、一行は驚嘆の声を上げる。

「は、はぁ?! ガキばっかじゃねーか!」

 ディックの言う通り、武器を構えて立ち塞がったのは、10歳ちょっと程度の少年ばかりだったのだ。


To be continued

登場人物紹介


・レア

可愛げの無いクソガキ赤ずきん。

飢えた経験あるせいか食い意地がかなり汚い。食い方も汚い。

ソフィアが居るからこいつは別に……と思いきや、対空砲にもなる。

魔力切れは……そう、まあ、そうね……。


・キャサリン

鷹匠の飼ってる鷹。

お前メスやったんかい!!

レアの対空技の前にあえなく撃墜された。

飼い主は人間のカノジョ居なかったらしく大激怒。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ