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小娘の奮闘記⑤
ハイツェの記憶を手にしてから私は悩んでいた。異世界にきたのにスキルがなにもないのだ。私可哀想という心境だ。
でもしかたがない、ないものはないのだ。
ハイツェとしてやりたいことをやろうと決めた。
私の小さい頃の夢は駅員ではなくおもちゃ屋さんだった。子供たちの喜ぶ顔がみれるのがとてもすきだからだ。こちらの世界ではおもちゃ屋さんになろうっと!
ベッドから起き上がって洗面台にきて気がついた。私は10歳に若返ってるんだった。
あ、こっちでも学校とかあるのかな…
そこから人生はまたスタートするのか
課題は山積みだった…
とりあえず顔を洗って昨日ご飯を食べたところへ向かうとお母さんが朝ごはんの準備をしていた。
「ハイツェ、おはよう。頭はいたくない?」
「うん、大丈夫だよ。もう痛くないよ」
お母さんが朝ごはんを私の前に並べながら話しかけてきた。
「今日は天気もいいし、沢山シーツの洗濯をするから手伝ってほしいの。お願いしてもいいかしら」
「いいよ!私もお手伝いする!」
こうして我が家での最初の行動は洗濯になったのだった。洗濯ならきっと私にだってできるはずだもの!