58.コラボ配信
配信回ですので苦手な方がいらっしゃいましたらご注意ください。分けるのも中途半端なので普段より長いですが、お読みいただけたら嬉しいです。
余裕を持って23時からの配信にしたけれど、撮影が押して帰ってくるのがギリギリになってしまった。陽葵ちゃんには連絡したから先に始めてくれると思う。
『こんばんはー。今日はお知らせしていた通り1時間くらい美月とのコラボ配信をしますよー』
お、始まった。スマホをテーブルに設置しつつ配信を確認する。
コメント
:こんばんは
:××さん他○人が参加しました
:コラボ配信楽しみ!
:あれ、1人?
:陽葵ちゃん美人すぎる
:美月ちゃんは一緒じゃない?
『美月は撮影がちょっと押してて、そろそろ家に着いてる頃だと思うのですが……』
リクエスト送ったけど陽葵ちゃん分かるかな?
コメント
:今日は別の場所から?
:一緒に配信かと思った
山内 美月:遅れました……陽葵ちゃん申請したよー!
『あ、皆さん一緒にいると思ってたんですね。今日はお互いの家からコラボしますよ』
コメント気づくかな……
コメント
:美月ちゃんきてる
:陽葵ちゃん、分かる?
:やり方わかる?
『え、美月来た? みつきー、どうしたらいいの?』
うわ、早速可愛い。
コメント
山内 美月:右下の☆押せる?
:可愛い
:もう甘えてる
『右下の☆? あ、これか』
どアップ可愛い。本当綺麗な顔してるよね……
コメント
山内 美月:私の名前見つけたら押してみて
:今日はスマホカバーしてますか?
:アップやばい
『押したー! ……あ、来た!』
「皆さんこんばんは。陽葵ちゃん、遅れてごめんね」
スムーズに出来て良かった。出来た時の嬉しそうな顔につい頬が緩む。
『ううん、お疲れ』
「陽葵ちゃんもお疲れ。間に合わないかと思って焦った」
『むしろよく間に合ったね。走った?」
「うん。走った!」
駅から走ったのなんて久しぶりな気がする。
コメント
:2人とも可愛い
:神回
:ビデオ通話を覗き見してるみたいでドキドキする
『駅から結構距離あるもんね』
「うん。結構ある」
陽葵ちゃんと駅まで歩く時はもう少し歩きたいな、と思ったりもするけど、1人だと長く感じる。
『ビデオ通話を覗き見してるみたいでドキドキする、だって』
「私もドキドキしてますよ」
『それ走ったからじゃん?』
「はは、バレた?」
間に合うか焦ってたから緊張とは違うドキドキだった。
コメント
:カップルの会話みたい!
:2人とも自然な感じ
:普段もこんな感じで電話してるの?
『カップルの会話みたい? カップルの会話ってどんな??』
「え、分かんない。でもこれカップルの会話って言われるところあった?」
カップルってどんな話してるのかな?
『普段もこんな感じで電話してるの? 普段は声だけの時が多いですね。美月が嫌がるので』
「嫌って言われるとなんか……」
『照れちゃうんだもんねー?』
「知りませーん」
陽葵ちゃん楽しそうだね??
コメント
:何それ可愛い
:電話は毎日してますか?
:陽葵ちゃん楽しそう
:陽葵ちゃんが卒業してからも定期的に配信して欲しい
:このやり取り好き
『私が卒業してからも定期的に配信して欲しい、だって。どう?』
「定期的にってどれくらい?」
やるのはいいけど、一緒に住むようになったら難しいんじゃ……?
『週一とか?』
「え? 多っ!」
そんなにニヤニヤして、楽しみすぎ。
コメント
:陽葵ちゃん乗り気すぎ
:週一配信、是非!!
:毎日でもやって欲しい
:美月ちゃんの困り顔可愛い
『まあ、週一はさすがに無いですけど。卒業後もやれたらいいなとは思ってます。ね? みつきたん?』
「そうだね」
首を傾げる姿がかわいい……配信方法は考えないとね。
コメント
:え、可愛すぎ
:甘える陽葵ちゃんやば……!
:これはやばい
:美月ちゃん慣れてる
:2人で歌ってー
:生歌聞きたい
『2人で歌って、そういえば、今度家からの配信の時に歌うって言いましたね』
「陽葵ちゃん歌って。私も聞きたい」
『美月はいつも聞いてるじゃん?』
「まあ、そうだけど……」
コメント
:いつも聞いてるなんて羨ましい
:そんなに聞いてるんですね
:美月ちゃんも歌って
:歌ってー!
「皆さん反応しすぎ……陽葵ちゃんすぐ歌うんですよ。楽屋とかでもよく歌ってるもんね」
『うん。曲聞いててもすぐ歌っちゃう』
「それがまた上手くて、ずっと聞いていられます」
『ありがと』
コメント
:楽屋に行きたい
:イチャイチャしてるー
:2人とも表情が優しい
:新曲歌ってください
『新曲歌ってください、えっと、シングル?』
コメント
:カップリング!
:美月ちゃんいるしカップリング!
:ここはカップリングで
:カップリングお願いします
:一緒にいたらキスもして欲しかった……
『うわ、見事にカップリングだらけ』
「ええ……」
『と言うことで、美月も参加ね』
「絶対陽葵ちゃんだけの方がいいのにな……」
私は歌に自信ないのに……レコーディング前もボイトレに通い詰めたし。陽葵ちゃんが上手すぎて差がね……
『音源スマホで流す? アカペラ?』
「私はアカペラきついなぁ……しかもちょっとだけ時差あるし、ずれそう。陽葵ちゃんソロでやらない?」
『美月いるのにソロでなんてやだ。美月も歌って?』
「……分かった」
うわ……そんなしゅんとしてお願いしてくるなんてずるい。今頃配信見てる陽葵ちゃんファンは絶対悶えてるよ。
コメント
:え、可愛すぎない?!
:こんな風に甘えられたい
:彼女感凄すぎ……
:美月ちゃんに対する甘え具合が最高すぎる
:アーカイブお願いします!!
『再生の時間合わせてイヤホンで聞く?』
「うん、1回やってみよう」
『じゃあ、15分ピッタリからね』
ピッタリに再生して、陽葵ちゃんが歌い出したのを聞くと電話越しでもやっぱり上手い。
『大丈夫ですか? ズレてません?』
間奏の間に陽葵ちゃんが確認している。MVだとこの辺でキスされるんだよね……
コメント
:大丈夫です!
:2人とも上手すぎ
:この配信見られて幸せです
:もうすぐキスシーン!
:この組み合わせ強すぎ
『はい、お聞きいただきありがとうございました!』
「ふー、ありがとうございましたー」
1曲歌いきって、ホッと息を吐く。緊張した……
コメント
:ありがとうございます!
:幸せな時間でした
:好きすぎます
:歌い方が似てる気がします
:カップリングの裏話ありますか?
『幸せな時間、そんな風に言って頂けて私も幸せです。ありがとうございます』
「ありがとうございます」
私の歌でも喜んでもらえたのなら嬉しい。
『カップリングの裏話は、冠番組の収録で話してきたので、是非放送されたら見てくださいね。皆さん、カップリングのMVどうでした?』
え、陽葵ちゃん何聞いてるの?! 恥ず……
コメント
:最高
:ガチ感凄かった
:毎日見てる
:時計買いましたか?
:キスシーンやばすぎました
:目付きがガチだった
:可愛すぎます
:交際報告いつですか?
『わ、最高、毎日見てる、ありがとうございます。時計は買ってないんですが、可愛いですよね』
「ありがとうございますー」
目付きがガチとか書かれてる……どっちが??
コメント
:時計欲しかったけどもう売り切れでした
:お揃いのものって何がありますか?
:時計買ってないんですね
:ピアスってお揃いですか?
:卒コンで歌って欲しい
『時計欲しかったけど売り切れ、え、そうなんですね』
「可愛いですもんね」
ファンの方が買ったのかな? もう売り切れなんて凄い……
『卒コンで歌って欲しい、どうでしょうねー?』
「当日をお楽しみに!」
残念ながらやらないんですけれどね。
コメント
:期待してます
:見つめあって歌って欲しい
:卒コンで無理なら一緒にいる時の配信で是非
:新曲の裏話ありますか?
『新曲の裏話? 何かあったかな?』
「シングルのMV撮影の振り入れが前日だったので必死で覚えました。陽葵ちゃんは早かったよね」
『でも今までで1番難しかった。皆さんシングルのMVも見てくれました?』
コメント
:前日ってすごい
:見た!
:ダンス揃ってた
:若手メンバーも上手くなってた
「ダンス揃ってた、若手メンバーも上手くなってた、そうなんです。もう若手メンバーの成長が凄くて。いいMVですよね」
『本当若手メンバーが頼もしい。安心して卒業できます』
安心して卒業できるって言ってもらえて良かった。心配させないように頑張っていかないと。
コメント
:卒業……
:陽葵ちゃん卒業寂しい
:もう来週か……
:来週が来て欲しくない
『ね。もう来週ですよ』
「あっという間でしたね」
とにかく忙しすぎだったと思う。陽葵ちゃんのスケジュール凄かったもんな……
コメント
:卒コン行きます!
:今度こそキスシーンを是非
:卒コン落選……
:卒コン行きたかった
:キスしますか?
:落選したので配信で見ます
『卒コン行きます、ありがとうございます。落選、ああ、申し訳ない……配信で見て頂けたら嬉しいです』
「会場で見てくださる方も配信を見てくださる方も、陽葵ちゃんのアイドル最後のステージを目に焼き付けてくださいね」
コメント
:泣く……
:目に焼き付けます!
:今2人一緒にいますか?
『今2人一緒にいますか? 今来た方かな? 残念ながら別なんですよね……寂しい。いたら一緒に映りますよ』
一緒に住み始めたら別の部屋から配信する感じかな? それか泊まりに来ているってことにするかかな……
コメント
:最近お泊まりしましたか?
:寂しがってる陽葵ちゃんが可愛い
:プライベートで会ってる?
:ラブラブなエピソードください
『最近お泊まりしましたか? えっと、最後はバレンタインの前かな? イベントのお土産渡しに行った時が最後?』
「そうだね。2ヶ月前くらい?」
『もう2ヶ月前なんだ……』
陽葵ちゃんのスケジュールがぎっしりでとても泊まりなんてできる状況じゃなかった。少し余裕のある日は私が忙しかったりね。無理すれば出来なくもないけれどちゃんと休んで欲しいし。
コメント
:今日お泊まりだと思ってた
:今日は?
:お泊まりは卒業後ですね
『今日お泊まりだと思ってた、だって。美月、これから来る?』
「陽葵ちゃん明日の朝早いでしょ。行きません」
本当は行きたいけれど、もう少しの我慢。
『ちぇー。じゃあ私が行くー』
「はいはい。また今度ね」
『なんか冷たくない?!』
「え、そんなことないよ?」
『みつきたんが冷たいー! ツンデレー』
「駄々っ子じゃん。何歳ですかー?」
『24歳ですーっ!』
「ふっ、かわい」
頬を膨らませちゃって可愛すぎでしょ。
コメント
:え、やば……
:もうガチ
:イチャイチャ配信
:付き合ってるでしょ??
『あれ、美月止まった? おーい?』
「はーい?」
え、止まった? こっちは普通だけど……
『皆さんの方はどうですか?』
コメント
:止まってる
:止まった
:電波悪い?
『やっぱり止まってますよね? 私だけじゃなくて良かった』
何でだろ? このまま待ってみようかな。
『一回切った方がいいのかな? あ、でももうそろそろ時間か……皆さん眠くないですか?』
コメント
:眠い
:大丈夫
:陽葵ちゃんは眠くない?
:いつも何時に寝てる?
『眠いですよね、遅い時間にすみません。いつも何時に寝てる? うーん、仕事が終わった時間にもよりますけど、気づいたら寝てる事が多くて……』
寝落ちしてるじゃん……疲れ取れないのに。
コメント
:寝落ち?
:ソファ?
:ちゃんとベッドで寝てますか?
『あ、動いた。みつきー?』
「動いた? 良かった。陽葵ちゃん今日はちゃんとベッドで寝てね?」
『聞こえてたの?』
「うん。こっちは普通に見れてたから」
私が見れてないと思ってたのかな? やば、って顔してる。
コメント
:2人って仲良いけど何歳差?
:美月ちゃん動いた
:やり取り可愛すぎ
『2人って何歳差? 4歳差ですー』
「陽葵ちゃんが4つ上ですね」
『もうすぐ5歳差になります』
「またすぐ4歳差になるし」
2ヶ月くらいだけれど、また離れる……年の差はどう頑張っても埋まらないもんね。自分が子どもっぽく思えて、もっと大人になりたいなって思う。
甘えてくれても、陽葵ちゃんは考え方とかが大人だし。
コメント
:お互いが信頼している感じが好き
:2人とも大好きです
:年下に甘える陽葵ちゃん最高です
:年上の陽葵ちゃんを甘やかす美月ちゃんがイケメン
:どっちが攻め?
『お互いが信頼している感じが好き、嬉しい。ここまで後輩と仲良くなるとは最初は思ってなかったです』
「それは私もですね。2人が好きって言ってくださる方が多くて嬉しいです」
憧れてた陽葵ちゃんの近くにいるだけで緊張してた当時の私に教えてあげたいくらい。
『さて、そろそろ1時間経ちますね。遅い時間に見て頂きありがとうございました』
雑談配信だったけれど楽しんでもらえてたらいいな。
コメント
:最後にスクショタイムお願いします
:アイドル最後の配信?
:またやってください
:ずっと見てたい
『スクショタイムだって。リクエストありますか?』
スクショタイムか……私はいいから陽葵ちゃんのを見てたいな。
コメント
:陽葵ちゃんのぶりっ子自己紹介見たい
:指ハート
:キメ顔
:ぶりっ子
『ぶりっ子自己紹介? それ、スクショタイム関係ないし』
「バレンタインイベントのやつ?」
『美月やってよ』
「やりませーん」
コメント
:バレンタインイベント最高でした
:めっちゃ笑いました
:みんなノリよすぎ
:美月ちゃんの全拒否にも笑った
『あれね、ぶりっ子してっていううちわが多くて。打ち合わせもしてないんですけど、結構みんなやってくれて』
「1期生ノリノリでしたもんね」
コメント
:さすが1期生
:1期生強い
:美月ちゃんやって
『ほら、美月ちゃんやってだって。みんな絶対見たいって。何より私が見たい』
「あ、もう1時間経つよ。寝ないと」
だからやらないって。陽葵ちゃん本音漏れてる……
コメント
:陽葵ちゃんw
:スクショタイムは??
:美月ちゃんのぶりっ子見たい
『仕方ないので美月のぶりっ子は次回ということで。今日はありがとうございましたー』
「次回もやりませんー! ありがとうございました。おやすみなさい」
『ばいばーい。切りますねー』
配信切れたかな?
『配信切れたよー。お疲れ』
「お疲れ様。陽葵ちゃんお風呂入った?」
『まだ』
「朝入る? これから?」
もしこれからなら出たら電話してもらおう。また絶対ソファで寝るでしょ。
『朝にしようかな』
「ちゃんとベッド行ってね? それまで繋いでおく?」
『うん』
うん、って可愛い。一緒には居られないけれど、陽葵ちゃんがベッドに入るまで繋いでおこう。
「わ、なんでいきなり脱ぐの?!」
『え? 着替えようかなって』
「脱ぐなら先に言って?!」
バッチリ見ちゃった……画面隠すとかさ……
陽葵ちゃんは全く気にせずに下着姿のまま洗面所に向かっていった。はー、顔が熱い。
『お待たせー』
「おかえり。あれ、それ私の?」
『うん。借りた』
部屋着を来て戻ってきた陽葵ちゃんを見れば私のTシャツを着ていた。え、萌える……
私は大きめのTシャツが好きだから、陽葵ちゃんが着るとなんというか……ゆるっとした感じが可愛いしエロい。そんな風に見ちゃうなんて変態か私……
「あー、そろそろ寝る?」
『うん。寝る』
陽葵ちゃんが寝室に移動して、電気が消されたから何も見えない……
「見えないしカメラオフにしていい?」
『こっちからは見えるからだめ』
しれっとオフにすればよかった……
「え、恥ずかしいんですけど」
『かわいー。美月はこれからお風呂?』
いやいや、可愛いのはあなたですよ……
「そう。朝は時間ないからね」
『遅くまでごめんね? ありがと』
私は夜型だし全然いいんだけど。電話って切る時が名残惜しいよね……
「いいえ。……じゃ、おやすみ」
『もう? 切りたくないなー』
「うわ、かわっ……」
直球過ぎて照れるんだって。早く抱きしめて一緒に寝たいな。
『……よし! 切るわ。またね』
「うん。おやすみー」
少しの沈黙の後、電話が切れたけれど、もう可愛いすぎて困る……
はぁ、お風呂はいってこよ。卒コンが終わってお泊まりの時はいっぱい甘やかしてあげたいな。




