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アイドルの恋愛事情~アイドルカップルの日常~  作者:
本編

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57/99

57.電話

卒業日が近づいてきてから、普段の仕事に加えて卒コンの打ち合わせやリハもあって目まぐるしい日々を過ごしている。

家に帰ってはソファに倒れ込んで寝ているなんてしょっちゅうで、美月が知ったら怒るんだろうな。

仕事では会うけれど、美月も忙しくしているし、しばらく2人きりで会えていない。毎日充実しているけれど、やっぱり寂しい。


「陽葵、ため息なんてついてどうしたの? さすがに疲れてる?」


リハの休憩中、テーブルに突っ伏していたら凛花が心配してくれた。


「美月が足りない……」

「なんだ。心配して損した」


正直に答えたのに酷い……今日はユニットをするメンバーしか居ないから、美月は来ていない。もちろんリハは全力でやるけれど、オフになると一気に気が抜ける。


「今日美月はなんの仕事?」

「舞台。しかも今日最終日。行きたかった……」


見に行きたかったけれど、とてもそんな時間はなかった。17時半開演だし、もうそろそろ終わるんじゃないかな。


「美月、この前も舞台やってなかった?」

「やってた。好評らしいし、向いてるのかもね」


イキイキしているし、活躍の場を広げていっていてファン層も幅広くなっている気がする。

運営も美月はそっち方面で推していきたいのかもしれないな。


--♪♪

舞台終わったー!! 

陽葵ちゃんはリハ中かな?

夜ご飯ちゃんと食べてね!  20:13


「あ、美月だ」

「うわ、にやけちゃって……」


時間的に、終わってすぐメッセージをくれたのかなって思うと嬉しい。


「さ、リハ頑張ろー!」

「単純……」


凛花、何か言った??


リハが終わったけれど、次の仕事まで中途半端に時間が空くからどうしようかな……一回家に帰るか……


「誰かご飯行かない? 陽葵はこの後仕事だっけ?」


お、ちょうどいいお誘いが。


「行きます!」

「時間あるし私も行くー」


柚葉ちゃんも行けるみたい。中高生メンバーも行きたいって言ってくれていたけれど、今日は遅いからまた今度ね。


「陽葵、それしか食べないの?」

「うん。遅い時間だし食事制限中だから」

「もう来週だもんね……」


ドレスの為に絞らないとね。最後はやっぱり1番綺麗な姿を見て欲しい。


「え、陽葵さん今でも十分細いですよ!」

「美月が心配するんじゃない?」

「あー、さっきもちゃんと食べてねって来てたし、よくちゃんと食べてるかって確認される」

「保護者か」


心配させて申し訳ないと思いつつ、気にかけてくれているのは嬉しい。たまには会いたい、とか送ってきてくれてもいいんだけどな。


「美月って陽葵さんにはハートとか送ってきたりするんですか?」

「ないない」

「そこもツンなんだ」


ハートなんて送られてきた日には2度見すること間違いないし、誰かが代わりに送ってきたって思うわ。


「うん。電話とかだとそうでも無いんだけどね」

「え、そうなんですか?」

「ビデオ通話?」

「ううん。カメラはオフが多いかな」


照れるらしいけど、会えない日が続いたりするとしてくれるから、美月も寂しがってるんだなって分かったりする。

そんなことを考えていたからか声が聞きたくなる。家に帰ったら電話しよ。


「そうなんだ? 今度2人でコラボ配信してみたら?」

「別々の時にってこと?」

「そうそう。同じ場所にいる時はあっても別の場所からはないでしょ? また違った感じになるんじゃない?」

「うわ、それ見たいです! 是非やってください」


美月、やってくれるかな……私だけの時も照れてるのに配信するとか……一応聞いてみようかな。

家に着いて、早速電話をしようと美月の番号を呼び出す。


『お疲れ様。家着いた?』


電話をするって伝えてあったから待っててくれたのかすぐ出てくれた。


「うん。何してたー?」

『ゲームしてた』

「スマホの? ごめん、邪魔したね」

『全然。声聞けて嬉しい』


ね、可愛くない? 声がもう優しいからずっと聞いていたくて、いつも切るのが名残惜しいんだよね。


「もうお風呂入った?」

『今お湯はりしてるところ』

「入浴剤まだある?」

『あるある。いっぱい持ってきたもん』

「この前また新しいの見つけてさ」

『え、もしかしてまた買ったの?』


これ以上増やしてどうするの? って呆れたように言われたけど、カップルにおすすめ、なんて見ちゃったら買うしかないよね?


「うん。カップルにおすすめってやつ買ってみたから今度使お」

『……またそんな怪しいものを』

「怪しい? みつきたんは何を想像したのかなー?」

『……っ、なにって……』


まあ、そんなこと言われたら色々想像しちゃうよね。美月はどんなやつを思い浮かべたのかなって考えてニヤニヤしちゃう。表情が見えないのが残念。


「えっちなやつ?」

『……変態』


想像してたことは否定しないんだ? 


「ふふ、泡風呂みたいだし美月好きかなって」

『あ、なんだ……泡風呂? うわ、楽しそう』


ほっとした様な声出しちゃって可愛いな。


「楽しみにしといて」

『うん』


やばい、ニヤける。早く一緒に使いたいな。


「あ、そうそう。今度コラボ配信しない?」

『コラボ配信? また突然だね? なにかお知らせあったっけ?』

「ううん。特に無いけど、別の場所からの配信ってしたことないなって」

『あー、確かにないね。コラボか……』


さすがに直ぐにOKはくれないか。卒業前に出来たらいいんだけどな……


「私も卒業しちゃうし、その前にやらない?」

『そうだね……最後だしやろっか』


お、もっと抵抗するかと思ったけど意外とすんなり。


「ほんと?! いつやる?」

『スケジュール見るね。……1番早くて明後日の23時~だけど遅いかな?』

「ちょうど金曜日だしいいんじゃないかな」


私たちには土日なんて関係ないけれど……


『お知らせの投稿しておいたほうがいい?』

「うん。しておこう」

『分かった。しておく』


うわ、楽しみ。ファンの皆が喜んでくれたらいいな。


工藤 陽葵

明後日の23時~1時間程度、美月とコラボ配信します。

特にお知らせはありませんが、アイドル最後の配信になると思うのでお時間あればぜひ見てください。


山内 美月

陽葵ちゃんの投稿にあるように明後日23時~コラボ配信します。

緊張する……

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黒狼と銀狼
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