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アイドルの恋愛事情~アイドルカップルの日常~  作者:
本編

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54/99

54.MV公開

新曲のMVが完成したということで、収録の前に早く集まっていたメンバーと先行で見せてもらえることになった。


「どんな風に出来上がったのかなー? 特にダンスシーン」


ダンスは得意な方だと思っているけれど、今までで1番難しかったし、苦手なメンバーは大変だったと思う。


「ダンスシーン、何回踊ったかわからないですもんね……」

「前日の振り入れは辛すぎました……」

「前の日もギリギリまでレッスン場にいましたもん……」


思い出したのか、空気がちょっとどんよりしている。


「自主練、皆残って頑張ってたって聞いたよ」

「はい。中高生メンバーが多かったですが、美月さんが最後まで付き添ってくれて」

「教え方がイケメンでした……」

「何人か落ちてましたよね」


美月……何してるの? 教えてたって言うのは聞いてたけれど、また無意識に落としてきたのか……美月のことは信頼しているけれど、後輩から人気すぎて不安になる。卒業後にメンバーのSNSとか見て嫉妬しちゃいそう。


「里香と未央はずっと目がハートだったよね」

「あの二人は元から美月さんのこと大好きじゃん」


その2人か……美月が好きってアピールしてて可愛らしいよね。前に3人でロケも行ってたし。


「咲希ちゃんと美結ちゃんは同期だもんね?」

「「はい!」」

「なんか緊張してる?」


そんなに話したことがないからか何だか距離がある気がする。


「いや、もう陽葵さんとこんなに近くにいるだけで緊張します……」

「私もです」

「え、そんな緊張しないで」


大勢でいる時はそうでも無い気がするけど、少人数だと距離が近くなるからかな?


「陽葵さん、準備が出来たみたいです! 早く見ましょう!」


高校生メンバーと話していたら、美南ちゃんがそわそわしながらモニターの前から呼んでくる。


『では流しますね』

「お願いします」


スタッフさんが再生してくれると、ざわざわしていたメンバーも釘付けで見入っている。ダンスも揃ってるし、メンバーそれぞれのカットもあって良さがちゃんと引き出されていると思う。私の卒業シングルになるけれど、私だけが目立っても無意味だし、みんなが沢山映っていて良かった。


「凄い、みんなダンス上手くなったね」

「陽葵さんにそう言ってもらえて嬉しいです!」

「もっと頑張ります!」


素直だしやる気があって凄い。これからのグループを引っ張ってくれる若手メンバーの勢いがあって逞しくなったなって感慨深い。


「あの、陽葵さんと美月さんのカップリングってMV出来てますか?」

『出来てますよ』


美南ちゃんが期待に目を輝かせてスタッフさんを見つめている。


『えっと、ちょっと待ってくださいね』


カップリングか……もう見られるのかな? みんなの前で公開されるのはちょっと恥ずかしいな……もし美月が居たら見なくていいって騒いでそう。


「お2人で撮影してきたんですもんね?」

「どんな感じでしたか?」

「レコーディングは個別ですか?」

「やばい、他のメンバーに自慢しよ!」


みんなシングルの時より盛り上がってない?? 一気に話されたら答えられないって。


「え、みんなちょっと落ち着こう?」

「無理です!」

「美南ちゃん……」


うん、美南ちゃんは無理だよね。始まる前からこれなら見終わったらどうなることか……


『再生しますか?』

「「「是非!!」」」


私も初めて見るから楽しみ。キスシーン、どんな感じで編集されたのかな。


「え、え?!」

「やばい!」

「キスシーン?!」

「あー、もうやばいって!!」

「え……むり……尊い……」


シングルの時はみんな静かに見入っている感じだったのに、カップリングは大騒ぎ。


「時計お揃い?? 可愛い!」

「恋人繋ぎ違和感無さすぎ」

「え、もう付き合ってる」

「……やば……え、やば……」


見終わってからもしばらくざわついていて、メンバー同士で盛り上がっている。


「陽葵さんはもう見てたんですか?」

「ううん。今初めて見た。どう?」

「え、もう最っ高です!! ありがとうございます!!」

「陽葵さんが美月さんを見る目がもう……」

「演技? ガチ? どっちにしろやばい……」


メンバーの反応も良さそうだし、今日の夜公開されるのが楽しみ。美月に見たよって連絡しておこうかな。もうすぐ来るかな?


「おはようございまーす」

「あ、美月さん! おはようございます」

「美月さん! MV見ました!」

「え、なに??」


あ、もう来た。まだメッセージ見てないよね……囲まれて困惑しているのを眺めていたら目が合った。


「陽葵ちゃん、これどういう状況??」

「さっきシングルとカップリングのMVを見せてもらって」

「あー、そういう……」


納得したような表情をして、私の隣に来てくれた。


「シングル、どんな感じ?」

「ダンスも揃ってるしそれぞれ見せ場もあっていい感じ」

「そっか。陽葵ちゃんのラストシングルだし、沢山の人に聞いてもらいたいね」


そう言う美月が優しい表情をしていて、ああ、好きだなあってうっとりしてしまった。


「うん。さっきメッセージ送ったんだけど見てないよね?」

「え、見てない。あ、これか……動画?」


スマホを取り出してメッセージを開いて、動画に不思議そうな顔をしている。


「うん。カップリング曲のMVを見たメンバーの反応」

「え、何してるの?」

「シングルは静かに見てたのにカップリングは大騒ぎで。思わず撮っちゃった」

「楽しんでるじゃん……」


あんなにいい反応されたら、ねえ? 美月も居たらもっと良かったのだけれど。


「後で一緒に見ようね」

「え、やだよ」

「なんで?」

「なんでって……わ、やめて?!」


照れちゃって可愛い。つい頭を撫でたら恥ずかしくなったのか避けられたけれど、ニヤニヤしちゃう。


「おはよー。え、何この空気」

「凛花さんおはようございます」

「さっきまでシングルとカップリングのMVを見ていて」

「その後に美月さんが来てイチャついてるのを堪能してました」


なんだか視線を感じるな、と思ったけれど気のせいじゃなかったらしい。


「え、MV見たの? 私も見たい! 揃ったら見ようよ」

「もう1回見たいので賛成です!!」

「私も見たいですー!!」

「え、シングルだけにしましょうよ……」


後から来たメンバーも見たいよね。美月の意見は聞き入れられないだろうな……


「ちょっとお手洗いに行ってきますねー」

「陽葵、美月捕獲ー」

「うわ、陽葵ちゃん離して?!」


シングルのMVを見終わると分かりやすく逃げようとしたから、凛花にも言われたし腕に抱きついて逃げられないように捕まえる。


「うわ、陽葵ちゃんかわい……」


MVを見ながら、無意識だろうけれど美月から声が漏れて照れる。

見終わるとメンバーに絡まれる前に部屋を出ていった。もうすぐ収録だし、すぐ戻ってくることになるだろうけれど。


工藤 陽葵

本日20時~私の卒業シングルのMVが公開されます。メンバーそれぞれの魅力が伝わるMVになっているので是非見てください。最後に素晴らしい曲を頂けて感謝の気持ちでいっぱいです。卒業まで大切に歌っていきます。

カップリング曲はむふふなシーンもあるのでお楽しみに!


木村 美南

陽葵さんの投稿にあるように素晴らしいMVになっています。カップリング曲は尊すぎて言葉もありません……! 陽葵さん&美月さんファンの皆さまは心の準備を十分にしてから見てください! 需要分かりすぎてる!!

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黒狼と銀狼
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