88話 尋問1
今日は出陣部隊の多くの者達が初めての対人戦を行ったので、体調を考慮してスープ主体の軽めの昼食を出した。
半数近くは普通に食べているが、残りは明らかに食が進んでおらず班長や分隊長などに言われて無理矢理詰め込んでいる様子だ。
これは幾らか脱落者が出るな、と思いながら私達は出発の前に、しぶとく生き残っていた頭目と幹部数人の尋問の様子を見に行く事にする。
犯罪奴隷(仮)になっての初仕事…元同僚達の埋葬…をしている者達の恨みがましい視線を受けながら町の入り口に立っている少年兵にエスリナが声をかけると張り切って先導してくれた。
小県に入って少し歩いた所にあるやや大きめの建物に着くと、少年兵は私達が来た事を告げ、エスリナとフィリフィアが礼を言うと頬を染めながらも軽い足取りで入り口の見張りに戻って行った。
中に入るとケイドとライガ達が居り、
「皆様いらっしゃいましたね。
現在個別に尋問中ですので、情報がまとまるまでもうしばらくかかると思います。
こちらに掛けてお待ちください」
県尉(いわゆる兵士長)にケイドの向かいに席を勧められ、着席した。
従兵が私達にお茶を配る中、
「そう言えば県尉殿、先程連中を【鑑定】した際に所属が魔王軍になっていたのだが、それに関しては何か話しているかな?」
あまり時間がないので早々に爆弾を投下すると県尉は驚愕し、
「そ、それは誠ですか⁉︎直ちに確認します!」
席を温める間もなく確認に向かって行った。
それを見送ったケイドは振り返り、
「フレデリック様、今の話は本当ですか⁉︎」
と訊いてきたので、
「本当だ。ただ職業は盗賊のままだったから、恐らく助命する代わりにジア王国内を荒らす様にとでも言われたのではないかな?
(上手くやれば、町を1つくれてやると言われていたしね…本当に守られるかどうかは知らないけど)」
と、【過去視】で視た事もあくまで推測として説明した。




